鉄の骨
(2010年7月期、土曜21時NHK)

脚本:西岡琢也
音楽:川井憲次
演出:柳川強、松浦善之助、須崎岳
制作統括:磯智明

http://www.nhk.or.jp/nagoya/tekotsu/


第2話 談合を壊せ生き残りゲーム開始!最後に笑うのは誰か
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富島平太は突然現場から営業へと異動を命じられ、バイパス
工事の談合事件の事実に直面する。一谷組が獲得する予定だっ
たバイパス工事は、真屋建設が落札し、課長の遠藤はどういう
事かと激怒する。長岡はボスの指示通りのことをしたとすると、
和泉から事情を聞くために彼の元を訪れるも、いち早く車で
走り去ってしまう。
尾形は三橋の元にいき、どうなっているのか事情を尋ねると、
分析し直した結果であり、我々のシステムを守るための措置
だという。変更があるならば前もって話してくれという尾形に
対して、そうしたら収拾がつかなかったという。尾形はこのまま
ではウチも引き下がれないとして、真屋建設が獲得する予定の
次回地下道建設はウチに回してくれと要求する。しかし三橋は
今回の責任は一谷に取って貰うという意外な返答が戻ってくる。
全ては一谷組で出た怪文書騒ぎの一件で、疑われる前に用心の
為に回避されたのだと知る。

遠藤は名古屋支店に異動。遠藤は平太に課長代理になった西田
をサポートしてやってくれと残し会社を跡にする。西田は根回し
や細かい駆け引きには不足する部分が多いという。
一谷組の看板は土木の営業が守っているのであり、胸を張って
良い事を言われる。

平太は今回の一件を恋人の萌に話す。
うっかりウチに決まっていたはずなのにと告げると、談合をして
いるのではないかと疑う。絶対に関わらないよう萌は語り、
これは犯罪であって捕まったらどうするのか?と告げる。そんな
業界の色に染まって欲しくはない事を告げるが、これが今のオレ
の仕事だとして平太は一歩も引かない。萌は怒って帰ってしまう。

そんな萌に同僚から電話があり、飲んでいるので来ないかとの
事だった。そこには本部の社員・園田俊一の姿があり、彼は
萌の事を知っていた。話題は萌の恋人の話に言及されるが、
萌は辞めてくれと告げる。

そんな中東京整備機構"TRO"の元に足を運ぶ西田と平太。
葛城から今度入札がある地下道建設の設計図書を取りに行く。
すると平太はトキワ土建と書かれた制服を着る人物とすれ違う。
平太は談合組織と接触すると、設計図書を取りにトキワ土建が
入札する為にTROに来ていたことを語る。静岡の地場ゼネコン
である彼らでは価格面で勝負は出来無いハズだとするが・・・

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一谷組はバイパス工事のミスを取り戻そうとして、新たに
地下道建設の入札を取りに行く。談合仲間とのすりあわせでは
一谷組が獲得するとの約束が取れるが、地場ゼネコンから
参入する建築会社の存在が有った。談合を持ちかけるが、
山本勲率いるトキワ土建は、旧体質の談合には絶対に加わらない
とする。

NHKらしく談合について上手く取り上げているなという感じの
内容だった。

談合は必要悪だとするゼネコン業界。
現場の営業には不思議な自社愛とプライドが存在しており、
談合が犯罪との認識さえ忘れてしまいそうな大層立派な名目が
存在している。

昔ながらのゼネコンの旧体制に挑戦するトキワ土建がどんな手
を使って攻勢を掛けてくるのか。
一連の流れにどんなからくりが有るのか良く解らないが、
下請けである坂元舗装の結末は、旧体制に限界が有ることを示し
終焉である事を物語っているようで興味深いモノ。

ファミリーの様にしてきた大手と下請けの関係は、映画「ゴッド
ファーザー」などで見るマフィアの関係を想像させ、そんな
システムに限界が来ているようで、ドラマとしては今後ともに
目が離せない。

人物関係にも意外なところから接点が見つかっていく。
富島平太を現場から営業に引き寄せられた理由なんかも、その内
語られていくのだろうか。
一谷組の中だけでなく、山関組顧問の三橋萬造との繋がりは、
父親の過去とどんな関係があるのか。

野村萌を巡って新たに台頭し始めた園田俊一は不気味なモノだし
喧嘩続きの平太とは対照的に距離を縮めていく園田の存在は
実に不気味なモノである。

そして談合に於いて裏切りを見せているのは誰なのか。
長岡昇から電話が有ったと言うことで、主導しているのはやはり
和泉勇人なのかなという気がするが、その辺の顛末は気になる
所だね。


富島平太 …… 小池徹平 (一谷組入社3年目)
遠藤安男 …… 豊原功補 (一谷組・課長)
野村萌 …… 臼田あさ美 (平太の恋人)
西田吾郎 …… カンニング竹山 (積算課出身)
園田俊一 …… 宅間孝行 (銀行の本部)
三橋萬造 …… 中村敦夫 (山関組顧問、稀代のフィクサー)
尾形総司 …… 陣内孝則 (一谷組・常務)
松田篤 …… 笹野高史 (社長、創業家の五代目)
城山和彦 …… 北村総一朗 (建設族のドン)
和泉勇人 …… 金田明夫 (山関組・営業部長)
富島八重子 …… 松田美由紀 (岐阜で美容室を営む平太の母)
山本勲 …… 高橋一生 (社長)
柴田理彩 …… 小谷早弥花 (某公団理事の娘で、コネ入社)

長岡昇 …… 志賀廣太郎 (真屋建設・営業部長)
田中勝 …… 田中実 (三沖建設・営業課長)
牛島雅彦 …… 草見潤平 (岩波工務店・営業課長)
岸原薫 …… 菅原大吉 (村河建設・営業課長)
市原範一 …… 真実一路 (山関組・社長)
迫水頼久 …… 石田太郎 (真屋建設・社長)
細井 …… ヨシダ朝 (役場職員)
竹下庄一 …… 秋野太作 (元国土交通省OB)

城山和彦 …… 北村総一朗 (衆議院議員)
坂元敦志 …… 寺島進 (坂元舗装)
葛城 …… 堀田和則 (東京道路整備機構)

深山義夫、黒田啓之、鈴木林蔵、阿部六郎、沼崎悠、牧野徹也
小島範子、宮本りえ、湯浅浩史、林由莉恵


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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