逃亡弁護士
(2010年7月期・フジ火曜22時枠)

脚本:渡辺雄介
脚本監修:秦建日子
演出:本橋圭太、白木啓一郎、田中峰弥
プロデューサー:河西秀幸、平部隆明

http://ktv.jp/toubou/


第1話 冤罪…僕は無実だ
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品川駅での目撃通報によって成田誠は警察によって追い回され
る。刑事の伊崎は諦めろと迫ってくるが、橋の上からダイブし
見事逃げ去る。

一週間前、誠は二ノ宮徹と共にある法廷に来ていた。
冤罪を主張し、全ては無理に自白させた警察に責任がある事を
告げる。見事弁護士側に有利なやりとりだった。
二ノ宮徹の前に対立する検察の真船丈がやってくる。こんな
ちっぽけな事件に来たと告げる真船は、私の邪魔はしないで
頂きたいと告げる。これ以上邪魔するならば・・・と圧力を
かける。

初公判の打ち上げ。
弁護士仲間たちみんなで飲み屋で公判について語り合う。
最初に無実だと言ったのは誠だった事が突破口だった。
誠は接見した際に、目が違っていて救いを求めていたという。
それを聞いた徹は、誠には人の心を感じとる目があるとして、
今後どんな困難でも逃げず闘えと告げる。

類似の事件の判例をまとめる誠は、それが終わると帰宅する。
徹はまだやるべき仕事があるとして、一人事務所に残っていた。
帰宅し落ち着いた誠の元に徹から電話し、書類を持ち帰らなか
ったかと尋ねられる。するとバッグの中に入れてきてしまった
彼は、すぐに届けるという。
自転車で事務所に向かうと、何故か事務員の小早川美由紀と
街中で偶然逢う。

事務所に着くと、徹が殺害されているのを目撃する。
すると誠にも背後から後頭部を殴り飛ばす犯人。気絶した誠
が気がつくと血だらけの中、何故か非常階段で倒れていた。
すぐに事務所に戻ると、突然事務所から火の手が上がり、
爆発する。

徹の娘の絵美とまどかはすぐに病院に駆けつけるが、遺体の
損傷は激しかった。絵美は私だけが確認するとして、一人で
遺体を目にする。確かに父親だと確認される。

真船が病院にやってくる。彼は戦友が死んだと告げる。
真船は連光寺巧に誠について尋ねる。
一方誠はベッドで目が覚める。そこに検察事務官の三枝亮子が
やってきて、徹が亡くなったことを聞く。
巧は誠が先生を殺せるはずはないという。
誠は12年前の事故で両親の無念を徹に晴らして貰った恩義が
有ったのである。誠は亮子に書類を届けに事務所に行っただけ
だと告げる。当時その事を小早川美由紀が見て知っているという。

誠の家が家宅捜査され、パソコンや書類の中から、誠が偽造した
と思われる請求書などが多数見つかる。横領していた証拠だと
して、誠が殺人の容疑者となる。

真船は誠の元へいく。証言の裏はとってくれたのか?と真船に
尋ねると、本当に殺害現場に運悪く居合わせただけなのかと
疑われる。誰かに殴られたのではなく、逃げる途中に自分から
階段で落ちたのではないかという。ナイフからは誠の指紋が
検出された事を告げ、誠を殴ったとする凶器が見つかっていない
事。誠の衣服から徹の血痕が検出された事。美由紀と話したが
彼女は誠とは逢っていないと証言したことを聞かされる。
更に自宅のパソコンなどから不正を示すデータが出てきた事を
告げ、もう諦めろと言われる。法廷で決着を付けてやると言う
真船に対して、オレはハメられたのだとする誠は、病室から
飛び出し院内を逃げ回ることになる。

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成田誠は何者かに二ノ宮徹殺しの罪を着せられ、捕まる寸前に
逃亡を図る。法廷に出れば明らかに極刑が待ち受けている中で
自ら犯人を捜して無実を証明する事が出来るのか。

ドラマの初回としてはまずまずの内容だった。

冒頭から冤罪に関するエピソードを描いて、それに対する
印象を植え付けているところは上手い描き方だ。
他人によって陥れられた事件を覆すことの難しさ。
弁護士としてクライアントの為にそんな仕事を行いながらも、
今度は自らの無実の証明の為に動かなければならない難しさと
いうものが皮肉にも上手く描かれている。

怪しい行動をする人物が沢山いたし、ネタが沢山仕込まれたと
言う点では今後共に期待する要素は沢山ある。

この手のドラマだと、仲間だと思われる人物、最も信頼出来る
人物が、最後に反転して犯人だと判明することになるので、
弁護士の仲間が一番怪しいって所でしょうか。

現在の所成田誠の事を恨む人物と言えば、過去に両親が二ノ宮
徹の弁護によって助けられる事件というものが有るので、
その辺の流れに接続していくのが自然だと思う。

検察の怪しさも出ていたし、警察官も真相を見抜けず、そのま
んま犯人の意図通りに誠を追い掛けることしかしていないので
彼らが自ら真相にたどり着く可能性は低そうだね。

さて初回と言うことで、広瀬友哉との出会いがあった。
この人物も他人によって陥れられた人物で、被害者が加害者と
なってしまう複雑なケースである。
何も殺す事はないのになと思うけれど、殺した方がドラマとして
は見栄えが良くなるのかな。

人の嘘を見抜く目という特殊なスキルみたいなものは、如何にも
秦建日子のドラマという感じがするけど、弁護士故に他人よりも
頭が切れるであろうキャラクターに、上地雄輔を起用する辺り
の冒険さは感じるところだった。


成田誠 …… 上地雄輔 (アクサル法律事務所)
二ノ宮絵美 …… 石原さとみ (長女)
浅沼仁 …… 姜暢雄 (アクサル法律事務所)
小早川美由紀 …… 村川絵梨 (アクサル法律事務所)
伊崎純也 …… 前川泰之 (刑事)
南優希 …… 高月彩良
五十嵐衛 …… 佐藤二朗 (アクサル法律事務所)
榎木洋一 …… 小林すすむ (絵美の叔父)
二ノ宮まどか …… 折山みゆ (次女)
榎木律子 …… 榊原郁恵 (絵美の叔母)
連光寺巧 …… 豊原功補 (アクサル法律事務所)
二ノ宮徹 …… 船越英一郎 (アクサル法律事務所)
三枝亮子 …… 矢田亜希子 (検察・事務官)
真船丈 …… 北村一輝 (検察)

広瀬友哉 …… 中村獅童 (指名手配)

山本浩司、野間口徹、大浜直樹、小林博、佐藤仁、鈴木良崇
吉田友一、西川里美、安達功一、石井裕、石山和史
大谷賢治郎、片岡優二、須藤義人、庵原涼香


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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