逃亡弁護士
(2010年7月期・フジ火曜22時枠)

脚本:渡辺雄介
脚本監修:秦建日子
演出:本橋圭太、白木啓一郎、田中峰弥
プロデューサー:河西秀幸、平部隆明

http://ktv.jp/toubou/


第2話 偽出生届
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成田誠は逃亡しつつアクサル法律事務所の前に行くと、そこで
絵美と偶然出逢う。誠は彼女にオレは父・徹の事を殺していな
い事を告げるが、だったら何故逃げるのか?と問われ、堂々と
無実を証明すれば良いと言われる。少しでも良心が有るのなら
ば、法の裁きを受けて欲しいと言われる。しかし誠は、無実を
証明するために闘うことを告げ、その為には美由紀と逢って
話したいと語る。しかし絵美から美由紀は行方不明だという
事を聞かされる。
そんな中、刑事たちが周りで監視しているのを悟り、誠は再び
闇の中へと消えていく。

一年後。
絵美は雑誌社に就職していた。まどかは遅刻するのも関係なし
とばかりにテレビの報道を見ていた。もう父親の事件は全く
放送しなくなったのねと呟く。

そんな中、誠は新衛警備会社という無認可の警備会社で働いて
いた。橘正志というTBコンサルティングの社長の自宅を警備
することになる。正志本人から事情を説明され、夜6時から
朝の9時まで警備する様告げられる。正志の自宅には、内縁の
妻である香坂千鶴と、息子の拓也が一緒に住んでいた。
二年前に別れたという元妻・藤原久美子という人物が現れても
決して敷地内に入れるなと言われる。

絵美の職場に亮子がやってくる。
亮子は彼女が逃亡犯の成田と接触していないか定期的に確認に
来ていた。絵美は弁護士事務所の人とは、連光寺とメールする
くらいで逢っていないという。亮子は成田の事を色んな人から
聞いて回っているが、誰もが正義の人、愚直なまでに正直者
だと言っているという。絵美はこれ以上貴方が会いに来る必要が
有るのかと問い、定期的に足を運ぶことにも遠慮して欲しいと
暗に告げる。

一方警備していた誠は、門の前に来ている女性の姿を見る。
女性は正志が話していた元妻の久美子で、彼女に声を掛けると
拓也に手紙を渡して欲しいと託される。
誠は拓也にその手紙を渡そうとするが、正志に見つかってしまい
破られてしまう。今度同じ事をやれば首にすると言われる。

誠は仕事場の上司・田代に橘とはどんな人物なのか?と尋ねる。
無認可の警備保障に依頼してくるくらいだから、裏で相当悪さ
をしている人物ではないかとの事。

真船が連光寺の元を訪ねてくる。
連光寺は自分たちが調べていた雑居ビル立て籠もり事件に関し
て、当時現場に居た警備員から事情を聞いたりして調べていた。
その時誠は広瀬友哉に対して自分は徹の事を殺していないと
言っていたという。何の利害も発生しない所で誠がそのように
語っていたことは無実の証明になるのではないか?という。
また小早川が嘘の証言をしていると分かれば、誠は容疑者から
外れるのか?と尋ねるが、関係ないという真船。連光寺はそんな
真船の態度を見て、既に小早川の居場所を知って泳がせている
のではないか?と問い詰める。しかし真船は多くを語らず、
近い内に必ず捕まえるとだけ告げる。

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逃亡生活から一年後。
誠はコンサルティング会社の社長の家の警備をしていた。
その家庭では親権を巡って元妻との間に複雑な事情が有ること
を知る。誠は雇われた主人ではなく、妻の久美子に親権を取ら
せようと助言を繰り返していく。

ドラマとしては一切、誠が真実の追究に向けて動きがない所が
気になるが、どの辺を切り口として一年前の事件を解決して
いくのか気になるところ。美由紀の存在はかなりミステリアスに
映り、彼女が当面のキーマンとして存在するが、その中でも
真船との関係はとても怪しく、このドラマでも二人の関係が
何なのかを当分は探っていくことになるのだろうか。

警察官が誠を検挙に動いている様子が少々滑稽に映り、逃走の
仕方にやや緊迫感が無いところが残念なところ。

今回は橘家の親権を巡る争いを描いたモノだった。
誠が弁護士であることを理由して、上手く久美子に味方していく
様子が描かれる。
アメリカのドラマ「逃亡者」では行く先々でロマンスの様な
状況が描かれ別れが惜しくなるような演出が施されていたが、
このドラマでは法の知識が無くにっちもさっちもいかない
状況の人間を捕まえて、上手く助言をしていくことで誠の人間性
を知らしめていく。

DVがある時点で橘の行動の正当性が失われるモノだが、
内縁の妻との実子という事で、久美子には入る余地が有るの
だろうかと少々心配になる内容だった。
千鶴にしても自分が産んだ子供に対する拘りや執着心が有る
だろうし、DVに関して久美子と結託することは出来ても、
親権に関しては千鶴との間には大きな食い違いが有るような
気がして成らないモノだった。

誠の人間性を考えると、一番理解者であるはずの絵美が何故
意固地になって彼を悪人扱いするのか少々理解に苦しむ所も
有る。実は絵美が事件に何らかの関わりがあるのではないかと
疑ってしまうもので、逆に誠の潔白のために動いている連光寺巧
とは対象的に写る。

それにしても戸田菜穂さん、年を感じさせない可愛さが有るなぁ。

南優希と真船の関係も気になるところだね。
彼女は父親の死の場面に居合わせて、口を閉ざしてしまったと
いう感じなのかな。


成田誠 …… 上地雄輔 (アクサル法律事務所)
二ノ宮絵美 …… 石原さとみ (長女)
浅沼仁 …… 姜暢雄 (アクサル法律事務所)
小早川美由紀 …… 村川絵梨 (アクサル法律事務所)
伊崎純也 …… 前川泰之 (刑事)
南優希 …… 高月彩良
五十嵐衛 …… 佐藤二朗 (アクサル法律事務所)
榎木洋一 …… 小林すすむ (絵美の叔父)
二ノ宮まどか …… 折山みゆ (次女)
榎木律子 …… 榊原郁恵 (絵美の叔母)
連光寺巧 …… 豊原功補 (アクサル法律事務所)
二ノ宮徹 …… 船越英一郎 (アクサル法律事務所)
三枝亮子 …… 矢田亜希子 (検察・事務官)
真船丈 …… 北村一輝 (検察)

橘正志 …… 升毅 (DV夫)
藤原久美子 …… 戸田菜穂 (元妻)
橘拓也 …… 佐藤瑠生亮 (息子、ぜんそく)
香坂千鶴 …… 小西美帆 (内縁の妻)

大堀こういち、宗清万里子、おのさなえ、椎場辰朗、鶴町梨紗
久保里子、和良恵子、安達功一、石井裕、石山和史、大谷賢治郎
片岡優二、須藤義人

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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