逃亡弁護士
(2010年7月期・フジ火曜22時枠)

脚本:渡辺雄介
脚本監修:秦建日子
演出:本橋圭太、白木啓一郎、田中峰弥
プロデューサー:河西秀幸、平部隆明

http://ktv.jp/toubou/


第3話 逆ストーカーの罠
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成田誠が警備会社・新衛警備で働いているのを知り、警察官は
事務所を取り囲む。そして一斉に事務所に入り込むも、経営者
の田代しか居なかった。再び彼は逃走したのだった。

絵美は成田が父を殺したのだとつぶやき、無実の証拠は何処に
も無いのに、有罪の証拠は幾らでもあると告げる。

一週間後、予備校生の山本明の元に、キャバクラ嬢の浅野志穂
という女性から電話が鳴る。最初は電話に出ずにいたが、繰り
返し電話が鳴るために、現在大学に居るのだと答える。しかし
志穂は家の前に居たのである。明くんってこんな所に住んで
いるのねと彼に会いに来る。

明はLa Kojacというレストランでアルバイトしていた。
誠も時給につられてこの店の皿洗いとしてアルバイトを始める。
明が仕事を終えて帰宅する頃には、携帯電話に19件の不在通知
が届いていた。全て志穂からのもの。彼女はなんとアルバイト
先にも顔を出してくるのである。彼女は突然、明の事は何でも
知っていると告げ、私は医学部とか金持ちとか関係ないのにと
告げる。しかし明は気味が悪くなり、何でボクばかりに付きま
とうのかと告げ、まるでストーカーだと告げてしまう。

一方誠は、警備会社で仕入れた情報により、美由紀が金を借りて
いたと思われるフラワーファイナンスを訪れる。対応に出た
秋村によると、この店は殆ど水商売の女性相手に金貸しをして
いるのだと知る。誠は美由紀の事を尋ねるが、追い出されて
しまう。

検察の真船と亮子は、成田誠について話し合う。
何故リスクを犯して東京に戻ってきたのか?それは恐らく美由紀
の足取りを掴んだからだろうという。警備会社に入ったのも、
美由紀のトラブルの日誌を探るためだという。真船は必ず繁華街
に成田は現れるだろうと呟く。

明が実家に電話しているのを偶然道ばたで見掛けて声を掛ける
誠。一緒に明のアパートに足を運ぶ。思わず寝てしまう彼。
しかし暫くすると南台警察署の相田刑事と的場刑事が尋ねてきて
警告書を持ってくる。被害届を出したのはなんと志穂で、それ
が受理されたのだという。自分がまとわりつかれていたのに
何故オレが訴えられるのか!?

誠は明に事情を聞く。三ヶ月半前に予備校の友達と共にキャバ
クラに行った際に、そこで志穂と出会ったという。自分たちは
医大生で実家が金持ちだという事にして彼女に近づき、誠は明
の事が気になって度々訪れていたが、金が尽きてそれ以来
キャバクラには行かなくなったという。しかしその後も志穂から
度々連絡があり、色んな所で待ち伏せされるようになったとの
事だった。誠はそれを知って逆ストーカーだと告げ、警察に行き
虚偽告訴の罪で訴えれば、志穂も驚いて被害届を取り下げるだ
ろうと告げる。

翌日明は警察署に行くが、逆に志穂は、明にストーカーされて
いる証拠として自分が写った写真が彼に送られてきたと通報
していたのだった。

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絵美によってタレコミが有り、警備会社から逃げる事になる
誠。生活のためにレストランでアルバイトしながらも、手に入
れた情報を元に、頼みの綱である美由紀の存在を探っていく。

さて今回はストーカー事件に関する物語に口添えしていくもの
だった。
ドラマ「ブザービート」以来、善良そうな表情をしている相武
紗季にちょっとした悪意の有る女性役を演じさせることに、
興味深さが出ている。まさに新境地と言うべき演技の幅が出て
来た証拠なのかも知れない。

ドラマとして良くできているのは、誠自身逃げている身である
事から、目の前の現実から逃げている人たちに対して、親身に
慣れる部分があるという点だ。
今回のドラマの中でも、口添えしている山本明に一度は失望
されてしまう所があるが、そんな彼の心を引き戻すために、彼の
不幸な境遇が上手く利用された。

これら一つ一つの問題を解決していくことで、疑心暗鬼になっ
ている周りの人物に、本当の意味で成田誠という人物の姿を
見せることに繋がっているのだろう。
ある意味利害関係のない所でのみ、成田誠のしている行動の
真意というものが上手く伝わる仕組みであるが故に、逃亡中の
人助けは、出来過ぎとはいえ上手く誠の人間性をアピールする
場になっている。
そんな善行が必ず見守っている人たちに伝わるシステムが
確立されている所が、このドラマの上手いところである。

ドラマとしての問題は、優希の事件と今回の誠の事件には
何らかの接点があるのかどうかという点だ。
優希の親が殺害された様で、彼女だけが知る事実が事件解決に
役立つという。単にこの事件は、真船の関わった過去の事件と
いうだけで存在しているのかどうか。


成田誠 …… 上地雄輔 (アクサル法律事務所)
二ノ宮絵美 …… 石原さとみ (長女)
浅沼仁 …… 姜暢雄 (アクサル法律事務所)
小早川美由紀 …… 村川絵梨 (アクサル法律事務所)
伊崎純也 …… 前川泰之 (刑事)
南優希 …… 高月彩良 (親が殺され、声が出せない)
五十嵐衛 …… 佐藤二朗 (アクサル法律事務所)
榎木洋一 …… 小林すすむ (絵美の叔父)
二ノ宮まどか …… 折山みゆ (次女)
榎木律子 …… 榊原郁恵 (絵美の叔母)
連光寺巧 …… 豊原功補 (アクサル法律事務所)
二ノ宮徹 …… 船越英一郎 (アクサル法律事務所)
三枝亮子 …… 矢田亜希子 (検察・事務官)
真船丈 …… 北村一輝 (検察)

浅野志穂 …… 相武紗季 (キャバ嬢)
山本明 …… 木村了 (予備校生)
小森 …… 弓削智久 (ストーカー)

大堀こういち、曽根悠多、大久保運、板倉チヒロ、月ゴロー
真理、嵐優子、藤田里美、葛西幸菜、三浦光、大山純一
河野マサユキ、佐藤崇、野中富徳、岩川鉄兵、毛呂恭久
安達功一、石井裕、石山和史、大谷賢治郎、片山優二、須藤義人


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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