逃亡弁護士
(2010年7月期・フジ火曜22時枠)

脚本:渡辺雄介
脚本監修:秦建日子
演出:本橋圭太、白木啓一郎、田中峰弥
プロデューサー:河西秀幸、平部隆明

http://ktv.jp/toubou/


第4話 協力者、現わる
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"池袋の西口公園に土曜日の正午会いに来い。"
美由紀の事を知る人物が、他の人物を介して成田誠に告げる。

その頃、アクサル法律事務所では五十嵐が真船と思われる人物
が、絵美と浅野志穂が会話しているのを聞いて電話で密告する。

土曜まであと三日。
誠は街中を歩いていると、目の前で引ったくり事件が起こる。
相手はナナセ運輸の二号車と書かれたタグを落としていく。
誠は犯人である山崎公太に話しかけるも逃げられてしまう。

榎木洋一は落ち込んでいるまどかを元気づけようと、サッカー
日本代表戦の試合のチケットを持ってくる。みんなで行こうと
告げると、まどかは姉・絵美が行くならば行きたいという。
しかしサッカーの試合が土曜日の正午だと知り、用事があると
して断る。

誠はナナセ運輸に足を運ぶと、望月里香が二人の柄の悪い男、
酒井力也と岩村数馬に取り囲まれていた。二人はサンライズ
リースという会社のモノで、借りた金を返して貰いに来たのだ
という。誠が止めるが突き倒されて腕を負傷する。社長の七瀬
時雄や生活安全課の山崎義一が騒ぎを聞きつけてやってきた
事で二人は退散する。
里香がやられたと知り公太も急いでやってくる。誠はその時
あの時の引ったくり犯だという事を知る。
生活安全課の義一は公太の実の父親だった。今日は母・早苗の
命日だという事を告げに来たが、公太は父親を追い払う。

誠はここでアルバイトを募集している事を知り、働くことにする。
里香が彼を会社の寮へと案内する。
誠は先程のやりとりを見ていて、何か金に困っているのか?と
彼女に問う。彼女は悪徳商法に引っかかり、ヤミ金から借金を
背負ってしまったことを告げ、公太に話したら彼が借金を肩代
わりしてくれたのだという。相手は暴力団で弁護士と繋がって
いるのでどうしようもないのだという。
そんな中、里香は突然倒れてしまう。

病院に運ぶと彼女は妊娠していた。
駆けつけた公太に、誠は借金の件を話す。父親に相談した方が
良いとするが、あの人は家族は守らないという。あいつが
病弱だった母を殺害し、危篤の時にも捜査で家には戻ってこな
かったという。現在暇な部署に異動した途端、構うようになった
と聞く。更に誠は引ったくりの件を追及し、あんな事をすれば
彼女が悲しむことを告げ、自首すべきだと告げる。

誠は帰宅すると、すぐに公太が部屋にやってくる。
公太は病院の張り紙で誠が指名手配犯である事を知ったので
有る。オレは無実であり、君とは違うという誠。明後日の土曜日
には無実を証明する人物に会えることを告げるが、関係ないと
して公太は警察に電話しようとする。しかしそれを辞めると、
警察に通報しない変わりに、オレの罪も見逃せと要求するのだ
った。

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誠が美由紀を捜している事を知り、何者かが誠に接触してくる。
土曜日の午後になれば、真相が明らかになるとして、期待する
まま土曜日を待つことになる。そんな時、借金苦に喘ぐカップル
と出逢う。

誠に連絡してきたモノは誰なのか?
今回一話丸々引っ張った形になったけれど、不快な感じはせず、
上手く約束の日に向けて、関係者各位が慌ただしく動いていく
流れが描かれた。その中で、誰が誰と精通しているのかとか、
誰が怪しい人物なのか、その辺の事情を上手く想像する様な
作りに描いて、とても興味深く土曜日の時を待ち続ける事になる。

今回は弁護士としては簡単な案件だったと思う。
不法原因給付によるものは返還請求が出来無いこと。
暴行罪の立証を法廷原則に乗っ取り自由心証主義だとして、
裁判官に委ねられている事実を告げたことで、一気に形成が
逆転してしまうなど、スピード感も有り、不条理な暴力団を
叩きのめすという爽快感も加味され、納得するモノがあった。

誠の事を敵対し不審に感じている公太の様な人物が、最終的に
は信頼を寄せていく所など、誠の性格だけでなく、彼の潔白性
をより浮かび上がらせた。
それと同時に徐々に絵美の誠に対する視線も変わりつつ有る
のが面白いね。

親子関係に於いては、なかなか難しいモノがあったが、同じ親
という立場と、公太を生むときと似たような境遇を用意した事
で、説得力を持たせた。
公太が何故父親のことを誤解していたのか、イマイチ説得力
不足で、母親が亡くなった時の状況が分かりづらいものがある。
公太は母親が亡くなった時に父親が捜査で来なかった事を告げ
たかと思えば、実際には公太を生んだことで、元々弱かった
体をより壊したのだという。一体母親は公太が何歳の時に
亡くなったのかな?

それはそうと五十嵐隼士くん、最初にドラマで見たときはチャ
ラいんじゃないかと思ったけど、D-BOYSの中でも、とても
雰囲気のある俳優さんになったと思う。


成田誠 …… 上地雄輔 (アクサル法律事務所)
二ノ宮絵美 …… 石原さとみ (長女)
浅沼仁 …… 姜暢雄 (アクサル法律事務所)
小早川美由紀 …… 村川絵梨 (アクサル法律事務所)
伊崎純也 …… 前川泰之 (刑事)
南優希 …… 高月彩良 (親が殺され、声が出せない)
五十嵐衛 …… 佐藤二朗 (アクサル法律事務所)
榎木洋一 …… 小林すすむ (絵美の叔父)
二ノ宮まどか …… 折山みゆ (次女)
榎木律子 …… 榊原郁恵 (絵美の叔母)
連光寺巧 …… 豊原功補 (アクサル法律事務所)
二ノ宮徹 …… 船越英一郎 (アクサル法律事務所)
三枝亮子 …… 矢田亜希子 (検察・事務官)
真船丈 …… 北村一輝 (検察)

山崎義一 …… 中原丈雄 (警察官・生活安全課)
山崎公太 …… 五十嵐隼士 (息子、ナナセ運輸)
望月里香 …… 末永遥 (公太の彼女、体が弱い)
星野久光 …… 堀部圭亮 (サンライズリース・幹部)
七瀬時雄 …… 伊藤正之 (ナナセ運輸・社長)
山崎早苗 …… 中村麻美 (故・妻)

やべけんじ、天田暦、平野貴大、黒坂栄子、桜井尚志、Mr Dai
クラウン・アンドリュー、安達功一、石井裕


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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