逃亡弁護士
(2010年7月期・フジ火曜22時枠)

脚本:渡辺雄介
脚本監修:秦建日子
演出:本橋圭太、白木啓一郎、田中峰弥
プロデューサー:河西秀幸、平部隆明

http://ktv.jp/toubou/


第10話 陰謀暴く…真相へ
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カシワダケースに関わる人物が次々と殺害される中、それに
関わったとされる真船だけは生き残っている中、成田の件で
嘘の供述をした事を警察に告げに行こうとしていた美由紀が
平川町の線路沿いの路地で拉致されてしまう。

絵美は成田と広場で逢うと、美由紀が連れて行かれた事実を
語る。成田は拉致された場所に行ってみれば何か手がかりが
有るかも知れないとして、現場に行こうという。
一方その頃、黒川という男が電話による指示で成田たちの事を
尾行していた。

美由紀が拉致されたのは、彼女に成田が無罪である事を証言
して欲しくないだれかであり、それが五十嵐だと思っていたが
彼の背後には黒幕が居ることを示唆していた。成田は絵美に
これ以上迷惑は掛けられないとするが、お願いだから手伝わせて
欲しいという。
絵美は亮子に電話し、美由紀が拉致された事を告げる。美由紀
は警察に成田が無罪であることを話すと言っていた事。嘘の証言
である事を認めていたことを告げる。亮子に美由紀の事を探し
て欲しいと頼む。

そんな二人の事に警察が気がつき追い掛けてくる。
必死に逃げる二人だが絵美が転んだことで、刑事の伊崎らが
迫ってくる。その時二人の身を隠してくれる工事現場の男・
大沢敏雄の姿があった。伊崎は大沢を見掛けると、10年ぶり
だなと声を掛ける。大沢は3年ぶりに仮釈放で出所した前科者
だった。もう二度と馬鹿なことはするなと伊崎は告げる。

成田たちは身を隠してくれたことに感謝する。
事件について尋ねると、冤罪だという。成田は自分は人を前科
の有無では判断しないとし、仮釈放が認められたのも罪を誠実
に償ったせいで立派だという。しかし大沢は激怒し、見に覚え
の無い罪で6年も服役した事を告げる。もう二度とお前たちと
関わりたくないとして成田たちを追い払うが、成田たちを尾行
している黒田について、大沢は顔を見たことがあるのだった。

亮子は真船検事に美由紀が拉致された事を報告。
しかし真船は一切驚いた様子も見せずに、成田と絵美は一緒に
居るだろうと告げる。そして亮子に対して、真犯人は誰だと
考えているのか?と問うと、事実を隠蔽したい人の犯行である
事を告げる。すると亮子は柏田法務大臣闇献金疑惑の件を語り
真船は何処まで掴んでいるのかと尋ねる。

亮子の元に絵美から電話が鳴る。美由紀の件で捜査は進行した
のかと尋ねるが、亮子は捜査に関しては話せないという。亮子
は絵美に成田と一緒なのかと尋ねる。

絵美は成田に対して美由紀の捜査情報に関して、条件を出された
事を告げる。父親の遺品の中から、カシワダケースに何ら関係
の有る物を探して欲しいというもの。カシワダケースとは何か。
成田は絵美に不起訴になったヤミ献金事件のことを語る。
しかし成田は検察は何故公の捜査で調べないのかと疑問に思う。

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一連の事件にカシワダケースと呼ばれる法務大臣のヤミ献金
疑惑の件が関わっている事が判明していく中、成田は大沢敏雄
との出会いがある。彼は服役していたが、冤罪である事を主張
していた。

このドラマも前枠で放送している「ジョーカー」同様に、身近に
居る人物が容疑者として深く関わりを見せているであろう展開
なので、最後まで実に気が抜けない展開が続いている。

連光寺なのかそれとも真船なのか。それともそれ以外の人物な
のか?と、時折挿入されるそれぞれの人物のカットが、どちらとも
取れる言動を見せているので、なかなか犯人が分かりかねると
ころが有るな。
サプライズとしては連光寺自身が犯人である事だけど、検察が
関わっているという事をやたらと強調しているので、額面通り
の受け取り方をしても良いのかどうか。

今回関わりを見せる大沢敏雄に関して、これまで成田が弁護士
として事件解決までの道筋を付けていたものとは違い、今回は
必ず自分のことを見ている人が居るという事を描いて、絶望
している人物に希望の光を当てていく物だった。

必ずしも全ての案件を主人公がきっちりと解決していくだけで
なく、こういう魅せ方も有ることを示しただけでも上手い描き
方だった。

逆に滑稽に映るのが黒川の存在。
いつでも成田を殺害できるとする恐怖心を煽る物だと思うが、
かなりの違和感が有る物だった。存在感を消さねばならない
筈の男が逆にやたらと目立つ行動を見せており、これ見よがしに
タトゥーを主張する描き方。

成田が自ら逮捕される危険な状況で有るにも関わらず、困って
いる人を見過ごせないとする辺りも、彼の性格を表すもので
上手く描かれているし、今回は二ノ宮先生もそんな人のために
闘っていたとすることで、絵美との信頼関係はここに来て強固な
ものになったのではなかろうか。


成田誠 …… 上地雄輔 (アクサル法律事務所)
二ノ宮絵美 …… 石原さとみ (長女)
浅沼仁 …… 姜暢雄 (アクサル法律事務所)
小早川美由紀 …… 村川絵梨 (アクサル法律事務所)
伊崎純也 …… 前川泰之 (刑事)
南優希 …… 高月彩良 (親が殺され、声が出せない)
五十嵐衛 …… 佐藤二朗 (アクサル法律事務所)
榎木洋一 …… 小林すすむ (絵美の叔父)
二ノ宮まどか …… 折山みゆ (次女)
榎木律子 …… 榊原郁恵 (絵美の叔母)
連光寺巧 …… 豊原功補 (アクサル法律事務所)
二ノ宮徹 …… 船越英一郎 (アクサル法律事務所)
三枝亮子 …… 矢田亜希子 (検察・事務官)
真船丈 …… 北村一輝 (検察)

(捜査一課刑事)
安達功一、石井裕、石山和史、大谷賢治郎、片岡優二
須藤義人

南俊二 …… 東根作寿英 (警察庁管理官、優希の父親)
長谷部秀一 …… 光石研 (検事正)
大沢敏雄 …… 田中哲司 (冤罪)
柏田英輔 …… 藤木孝 (法務大臣)
大沢美恵子 …… 遊井亮子 (敏雄の元妻)
黒川 …… 鈴木亮平 (前科者、殺し屋?)

佐々木卓馬、原金太郎、宮下ともみ、津村和幸、向井恭介
和田サトシ、住吉晃典


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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