うぬぼれ刑事
(2010年7月期・TBS金曜22時枠)

脚本:宮藤官九郎
監督:宮藤官九郎、吉田健、土井裕泰
プロデューサー:磯山晶
音楽:仲西匡、 市川淳

http://www.tbs.co.jp/unubore5/


第8話 大物感
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冴木と里恵は浴衣姿で夜道を歩いていると革手袋の女性に襲われ
そうになる。うぬぼれもまた同様の女性に付けられた事を署で
語り合う。あれは明らかに逆ナンパだという。

一方父・葉造はうぬぼれに電話し、"このミステリーはヤバい"
の授賞式のパーティーでスピーチをして欲しいと頼む。
そこにはミステリー小説作家の九十九千里(65歳)も来ていた。
葉造は62歳にして新人賞を受賞する。選考委員の千里から賞を
受けると葉造は一目で彼女に惚れてしまう。

うぬぼれは授賞式には行けず、遺体が発見された現場へと足を
運ぶ。世田谷のえんま坂で、トランクの中に入った男性の遺体
だった。

葉造はうぬぼれから恋愛相談をしている仲間がいるという
"I am I"へと足を運ぶ。そこで葉造は初対面ながら、栗橋たち
に相談する。この年で年上の女性に惚れてしまったという葉造
は、これは運命の出会いだという。しかし運命ならばもっと
早くに出逢っているのでは?という尤もな意見が戻ってくる。

授賞式の後、葉造は九十九と共に語り合う。
九十九の作品は読んだことがないという葉造の正直な告白に対
して、逆に嬉しいという。それは一人の女性として見てくれて
いる事。女性として認められたい願望が強いという。そんな
九十九の腕にはバラのタトゥーが彫られていた。
その話しを聞いたうぬぼれ5たちは、訳あり物件だと称するが、
葉造はもう引き返せない所まで来ているとして、部屋のカード
キーを受け取ったという。しかし渡されたその日に部屋を訪れる
のは流石に格好悪いとして、我慢していることを告げる。
いくつになっても恋をした瞬間が思春期だと言われ、その気に
なる葉造。しかしカードキーだと思われていた物は、実は単なる
プリペードカードだった。

被害者の男性は馬場キヨシ(35歳)だと判明する。食品宅配業者
"ベリーグッド"に勤めている。死亡推定時刻は19時で、被害者は
当日15時に配達の仕事を終えている事が確認される。
後頭部に殴られた跡があり、脇腹にはスタンガンによって気絶
させられたであろう跡が発見される。

冴木はそんな事件と同様の小説を知っているという。妻の里恵
がミステリー小説好きで読んでいるとの事。しかも小説で使わ
れたトリック、そして小説の中で殺害された現場で殺害されて
いる事から模倣犯ではないかと疑われる。小説のトリックが
成立することを世間にアピールするのが目的なのか?

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うぬぼれの父・葉造は授賞式で見かけた女流作家の九十九に
一目惚れする。しかし彼女の小説に出てくる事件トリックと
全く同様の事件が現実に起こったことで、そんな彼女に容疑
の目が向けられる。

うぬぼれの父親らしく、葉造が好きになった女性が犯人だっ
たという話だった。

よく分からないのはどの段階からうぬぼれが彼女のことを
好きになったのかという事。その辺の時系列が曖昧なために、
葉造にも惚れたら犯人だとする不思議な力が備わっているの
かどうかよく分からない所がある。

展開が進んだと言えば、葉造には妻が居ること。
そして冴木に対して里恵とうぬぼれの関係が明らかにされた
事だ。

事件自体に意外性はなく、殺害の動機が単にトリックに対する
批判的な論評へと証明なのか、それとも単なる被害者の態度を
毛嫌いしていただけなのか微妙な所がある。

冴木のリアクションに外れはなく、里恵とうぬぼれの事実を
知った後の彼のハンテンションぶりには笑わせられるものが
有ったし、いつものように酔っていて話を忘れているのかと
思わせれば、やっぱり覚えていたのかというリアクションを
取る辺り最高だった。

うぬぼれと葉造がツーショットで踊るシーンが最後に有った
けど、あのノリでドラマを作って欲しいな。なんだかアーノルド
・シュワルツェネッガーの映画「ツインズ」みたいで良い感じ
の二人だった。

そういえば久しぶりに三田佳子さんを見た気がする。


うぬぼれ …… 長瀬智也 (刑事)
本城サダメ …… 生田斗真 (俳優)
日暮里恵 …… 中島美嘉 (主婦)
冴木優 …… 荒川良々 (刑事)
松岡征士郎 …… 要潤 (30歳、パティシエ)
穴井貴一 …… 矢作兼 (カメラマン)
ゴロー …… 少路勇介 (バーテン"I am I")
町田警部 …… 小松和重 (世田谷通り署)
登戸 …… ムロツヨシ (世田谷通り署)
婦警・小山 …… 伊藤修子 (世田谷通り署)
婦警・南 …… 西慶子 (世田谷通り署)
栗橋 誠 …… 坂東三津五郎 (心理学者)
月影葉造 …… 西田敏行 (元刑事・現作家)

玲子ママ …… 森下愛子 (バーのママ)
田代正輝 …… 橋本じゅん (監督)

九十九千里 …… 三田佳子 (女流作家)
馬場キヨシ …… 吉田メタル (食品宅配)

下村彰宏


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