八日目の蝉
(2010年4月期・NHK火22時枠)

脚本/浅野妙子
演出/佐々木章光 藤尾隆
原作/角田光代
音楽/渡辺俊幸
制作統括/大加章雅 黒沢淳

http://www.nhk.or.jp/drama/semi/


第1話 逃亡〜罪か、愛か…極限の問題作

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希和子は雨の中、秋山家へと赴き、家の中に勝手に上がっては
赤ちゃんを抱え上げる。そしてその赤ちゃんを連れ去っていく。
家の主で有る秋山恵津子が帰宅したときには赤ちゃんが居らず
ストーブからは火が上がっていた。

1987年秋の東京。希和子は親友の仁川康枝だに喫茶店で逢う。
康枝には夫重春との間に女児・美紀がいた。希和子は結婚を
考えている人は居ないのかと言われ、今彼との間に赤ちゃんが
居ることを告げる。しかしまだ彼氏には赤ちゃんの存在を言って
いないという。

希和子は会社の上司・秋山丈博と不倫関係にあった。
丈博の帰りを待ち伏せする彼女。二人は眺めの良いホテルで
一時を過ごす。丈博は希和子と居るときが一番落ち着くとして、
妻には別れる事を告げるという。そしていつか一緒に暮らせたら
良いなと告げる。すると希和子は私に子供が出来たら一緒に
暮らせるか?と問い、赤ちゃんが出来たことを告げる。しかし
希和子は丈博の態度を見て失望し、ホテルを飛び出る。丈博は
オレだって欲しいが今はタイミングが悪いと告げ、離婚が成立
してから子供を作ろうと説得する。希和子の事は今晩帰ってから
話すことを告げる。
二人は下崎産婦人科病院で赤ちゃんを堕ろすことになる。

二ヶ月後、希和子は同じOLの同僚里美から、秋山係長の奥さん
がおめでたであることを聞く。希和子は子供を堕ろした関係
からか体調が優れず。
帰りに逃げるようにして出てきた丈博を捕まえて事情を聞く
希和子。妊娠は希和子が堕ろした後に分かった事だという。
私のことを話してくれたのかと問うと、話はしたが余計に彼女は
意地になっているという。自分は希和子だけが好きだとするが
後日、丈博は奥さんと仲良さそうに買い物する姿を目撃して
しまう。

恵津子に電話し面会する希和子。丈博と別れて欲しいと告げ、
私には彼しか居ないことを告げる。しかし恵津子は彼は離婚
する気が無いこと。彼からは話しを聞いていないが、なんとなく
浮気していたことは分かっていたという。今10週目になる子供
が居ると告げ、お腹から子供を掻き出すなんて最低な人だと
希和子を責める。私ならば絶対にしない事。貴方はがらんどう
なクセに、人の家庭を壊す権利は無いと言われる。
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不倫相手との関係に夢や未来を思い描くも、相手は妻を裏切る
つもりはなく、見限るのは愛人である希和子の方だった。
次々と都合良くウソをつく男性に翻弄させられ、子供を堕ろし
ただけでなく子供を産めない身体に・・・
果たして希和子はこの事実にどう対峙していくのか。

特にサプライズらしいサプライズは無かったけれど、浅野妙子
さんの映像表現は、とても雰囲気があって見応えがある。
ズバリ演技者の演技力を引き出すような脚本家さんで、色遣い
としては韓国ドラマっぽさが有る。

さてドラマとしては愛した男の子供を愛人が盗んで育てるという
内容。ただ20年後と称して最後に出てきた映像では、薫は秋山
家に戻っているし、そんな薫はまるで一子相伝でもあるかのように
妻子有る男の愛人として生活し子供を身籠もってしまうという
ものだった。

檀れいさんの主演のドラマという事でも色んな意味で興味深い。
38歳にしてアップの映像を見ても淑やかさが有り、年齢を感じ
させないところは流石。日本のイ・ヨンエさんかも。

子供を連れ去る時に、いろんな所で不審な行動を目にされて
居るという事で、事件解決の突破口は色んな所に散見されてい
ると思うけれど、一体どの段階で希和子は掴まってしまうのか。
そしてその時、子供の年齢は幾つなのか。どの程度希和子に
対して母親としての愛情を感じてしまっているのかなど、興味
深い点は多い。
母子の心情がメインとなっていく内容なのかな。
案外希和子は掴まる前に、ここまでの経緯の全てを娘に話し
たりするのかな。

野々宮希和子 …… 檀れい (OL、丈博と不倫)
秋山丈博 …… 津田寛治 (夫)
秋山恵津子 …… 板谷由夏 (妻)
薫=恵理菜 …… 北乃きい (秋山家の娘)

道代 …… あき竹城 (薬局の主人)
岸田 …… 岡田浩暉 (薫の不倫相手)
仁川康枝 …… 京野ことみ (希和子の友人)
里美 …… たくませいこ (OL)
女医 …… 安藤玉恵
薫 …… 奥村夏帆
薫 …… 宮下梓

池崎美盤、高橋幸子、原涼子、二瓶めぐみ、秋吉恵、原俊作
仲松秀規、野口有花、岸田結光


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