八日目の蝉
(2010年4月期・NHK火22時枠)

脚本/浅野妙子
演出/佐々木章光 藤尾隆
原作/角田光代
音楽/渡辺俊幸
制作統括/大加章雅 黒沢淳

http://www.nhk.or.jp/drama/semi/


第4話 恋〜罪を抱いた母と孤独な男と

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1993年、久美から何かあったら小豆島の私の実家を尋ねてと
言われた希和子。

2009年・東京。恵理菜は、喫茶店で雑誌記者・永井千草に呼び
出される。過去の事件を記事にしたいというが、恵理菜は幼い
時のことは覚えていないという。私のことも忘れたのか?と千草
は突然尋ねると自分は施設にいたマロンだと告げる。
二人で施設のあった場所へと足を運ぶと、意外にもまだホーム
は原形を留めていた。権利を巡って信者の家族が主張し有って
いるのだという。
ホームに入居する条件として、子供を失ったとか子供が産めな
かった女性が対象者だったと聞く。

小豆島に渡った希和子と薫。早速久美からもらったメモを頼り
に実家へと足を運ぶ。彼女の母・昌江に逢うと、名古屋の化粧
品会社で一緒に働いていた事、そしてその会社が倒産になった
事を告げる。元気にしていると言付かった事を告げる。
希和子は会社が無くなって困っていることを告げ、ここで働か
せてくれないかとするが、表の張り紙では募集しているが現在
は募集していないのだという。

文治は途方に暮れて海辺に居る希和子たちに声を掛け、ホテル
ならば住み込みで働けることを告げる。そこでは喜美が従業員
として働いており、自分は遅番で良いから働かせて欲しいと
頼む。彼女も希和子が訳ありだと知り深くは詮索しなかった。

翌朝、希和子は深夜中働いていた為に、薫とは正反対の生活。
薫はお腹を空かせるが希和子は寝ていた為に相手をしてくれな
い。薫は海辺で腹を空かせていると文治が声を掛ける。
希和子は目が覚めると薫が居ないことに気がつく。急いで探しに
いくと文治と一緒に帰宅する姿があった。文治から今朝取れた
魚だとしてプレゼントしてくれるのだった。
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施設に居られなくなり、小豆島に渡って安定的な生活を求める。
そこで出会う人たちによって、徐々にそんな環境を整えられて
いくが・・・

傷ついた者同士が上手く惹きつけ会い、心の支えとなっていく
様子がとても心地良いものがあるし、何と言っても主役を演じて
いる檀れいの美貌と、その子役を演じている小林星蘭の可愛ら
しさに尽きるかな。

どんな人間にも傷付いた一面が有るかのように、久美の母・昌江
は、久美にした後悔の念を希和子や薫に施すことで、そんな心
の穴を埋めようとしているし、舌足らずで無愛想な文治が、
子供に見せる意外な表情を通して、徐々に二人の関係が近づいて
行くところは実に巧みに描かれている。

今まで施設に居たことでの世間の常識を知らない薫が、島の
暮らしに慣れていく所も面白いし、希和子に降り掛かっている
現実を一瞬でも忘れかけそうな、島民の優しさ、そして情景の
美しさにこれ以上ない程の満足感を得られる内容ではないか。

まさかの檀れいさんのお風呂シーンも永久保存版かも。


野々宮希和子 …… 檀れい (OL、丈博と不倫)
秋山丈博 …… 津田寛治 (夫)
秋山恵津子 …… 板谷由夏 (妻)
薫=恵理菜 …… 北乃きい (秋山家の娘)
岸田 …… 岡田浩暉 (薫の不倫相手)
仁川康枝 …… 京野ことみ (希和子の友人)

沢田久美 …… 坂井真紀
薫 …… 小林星蘭

沢田昌江 …… 吉行和子 (久美の母、沢田製麺)
篠原文治 …… 岸谷五朗 (猟師)
永井千草 …… 高橋真唯 (元マロン)
大出喜美 …… 左時枝 (ラブホテル従業員)
医師 …… 志賀廣太郎
土田 …… 石井正則 (客)
与太者風の男 …… 日野陽仁 (希和子をナンパ)
良子 …… 阿部朋子 (沢田製麺)
光恵 …… 内山千春 (沢田製麺)
看護師 …… 小野晴子

須田邦裕、中原和宏、井川哲也、和田望羽、福栄新、今川七海


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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