絶対零度 〜未解決事件特命捜査〜
(2010年4月期・フジ火21時枠)

企画/成河広明(フジテレビ)
プロデューサー/森安彩(共同テレビ)
アソシエイトプロデューサー/瀧山麻土香(フジテレビ)
脚本/酒井雅秋(1)(2)、浜田秀哉(3)
演出/村上正典(共同テレビ)、岩田和行(共同テレビ)

http://wwwz.fujitv.co.jp/C-273/index.html


第3話 未解決事件特命捜査〜連鎖

--------------------------------------------------------
ワールドカップが盛り上がる、2002年5月21日。神の処刑事件が
起こる。4人の被害者、野坂美里、木田幸子、佐倉亮子、田口成
美を出した事件で、全ての被害者はロングの黒髪で、椅子に
手足を縛られる中殺害される処刑スタイル。処刑した後には
髪の毛を切り、体に"GOD"と刻むという事件だった。

2010年4月23日。蒲田の河川敷で野球少年が女性の遺体を見つけ
る。蒲田南署に捜査本部を設置される。被害者はインテリア
デザイナーの内山寛子(28歳)。容疑者は現場に残されていた
指紋からレンタルビデオ店の店員・安岡浩二(40歳)だとされる。
元々ストーカー被害として訴えられていたこともあり、すぐに
容疑者は特定される。

特命捜査課では、倉田から部下達に8年前の事件の再捜査が行わ
れると指示する。もしかすると同一犯かも知れないとの事。
それを聞いた深沢は一人気を吐く。
しかし何故8年間の沈黙を経て再び犯行を起こし始めたのか?
そもそも本当に同一犯なのか。処刑スタイルではない事や
髪の毛を切ってはいない事、GODの文字も無いことで同一性は
疑問とされるが、手足を縛るロープの縛り方に類似性が有る
という。そして今回犯行が起こったのは4月23日。8年前も
4月23日を発端に連続殺人事件に発展しているという。
8年前は有力な目撃証言が無かったことや、被害者に接点が
無かったことで解決に至らなかったという。取りあえず今回の
事件が8年前と結びつくのかを調べることになる。

早速現場に向かう深沢と高峰だが、現場は特捜本部が取り仕切
っていて一切近づけなかった。深沢はメンツと縄張り意識ばか
りが高いあんたらでは絶対に事件は解決できないと告げてその場
を立ち去る。

一方、4番目の被害者遺族である田口健史に逢う。
警察官だと知るとあんたらには期待していないという。妻・
芳江と下の娘・良美の家族が居たが、当時駅から電話してきた
成美に対してテレビを見ていて電話を無視した奥さんが許せず
当たってしまった事で、妻は娘を連れて出て行ったという。

特命捜査課では蒲田の事件の情報開示が行われない状況では
類似性は見つけられないというと、倉田は今以て開示するよう
掛け合っているという。そんな中、捜査一課の古賀が特命捜査
課に怒鳴り込んでくる。もう容疑者の目星がついているのだか
ら現場を荒らすなという。殺人課に居た刑事ならば、情報が
開示できない事くらい分かるだろうと告げる。

--------------------------------------------------------

捜査一課と特命捜査課の縄張り争いがある中で、8年前の事件
との関連性を探っていく。8年前の捜査で見つからなかった
微量の砂をロープから検出し、現行の殺人事件でもロープから
砂が検出されるのか調べたいのだが・・・

桜木が被害者の行動の中から共通するものを探っていくわけだ
けど、8年前には4人の被害者を出していることや、現在でも2人の
被害者を出していることで、少々人数が多く、バランス的には
難しいモノが有ったと思う。

結果的に1人目(野坂美里)と4人目(田口成美)の被害者の行動、
そして現在起こる事件の中から内山寛子の行動に絞り、トレース
していくことで、犯人の行動範囲や所在地を探っていくことに
なる。

桜木が神宮外苑周辺に犯人の存在を限定できたこと。
そしてなにより科学捜査に於いて、砂の特定と皮革の検出が
重要な証拠となった。

やはり桜木の行動がこのドラマの良さである。
調書の中から、被害者の空白の時間を見つけて、そこで何を
していたのかが、このドラマのポイントとなる点である。
そんな真相を探っていくときの映像表現が巧みで、被害者の
映像から桜木の映像へとフェイドインしていく所など、とても
上手くできている。

コールドケース」同様に最後の最後に展開が反転して、
犯人は息子ではなく父親にある所もちょっとしたサプライズ
となった。

しかし残念なのは2002年を感じさせる演出が皆無である点。
前回のドラマの中では時代性を描く演出として大黒摩季の曲を
流したりしていたんだけどね。
最近ようやく時効を廃止する事になったみたいだけど、やはり
日本の事情から、過去15年程度の事件しか扱わない所で
あまり時代性を反映する演出が行えない事情があるんだろうな。


桜木泉 …… 上戸彩 (25歳、特命捜査第4係・巡査部長)
塚本圭吾 …… 宮迫博之 (38歳、巡査部長)
高峰涼子 …… 山口紗弥加 (35歳、警部補主任)
深沢ユウキ …… 丸山智己 (32歳、警部主任)
大森紗英 …… 北川弘美 (31歳、法医学・科学担当)
竹林匠 …… 木村了 (27歳、物理担当)
道尾行成 …… 永田彬 (警察官)
秋山透 …… 南圭介 (科学捜査)
三井朋美 …… 齋藤めぐみ (婦警)
白石晋太郎 …… 中原丈雄 (58歳、巡査部長)
倉田工 …… 杉本哲太 (45歳・警部係長)
長嶋秀夫 …… 北大路欣也 (56歳、警視・特命捜査対策室・室長)

古賀康之 …… 矢島健一 (捜査一課)
合田直規 …… 札内幸太 (容疑者・ゴルフ練習場)
合田昌人 …… 伊藤洋三郎 (直規の父・元プロゴルファー)
田口健史 …… 遠藤たつお (ビラを配って情報収集)
田口成美 …… 大矢敦子 (第4の被害者)
野坂美里 …… 東加奈子 (結婚を反対する母)
野坂雅子 …… 佐藤直子 (第1の被害者)
佐久間 …… 国枝量平 (管理官)
内山寛子 …… 勝俣幸子 (28歳、インテリアデザイナー、被害)

児玉美智子、潮見論、北上史欧、古澤裕介、池田愛
木村真奈美、岩佐希利子、建部和美、石川小百合
菊池有樹哉、東谷柊一、松井正樹、清水沙映、松浦眞哉
大塚和彦、今泉葉子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system