絶対零度 〜未解決事件特命捜査〜
(2010年4月期・フジ火21時枠)

企画/成河広明(フジテレビ)
プロデューサー/森安彩(共同テレビ)
アソシエイトプロデューサー/瀧山麻土香(フジテレビ)
脚本/酒井雅秋(1)(2)(4)、浜田秀哉(3)(7)、谷和俊(5)(6)
演出/村上正典(共同テレビ)、岩田和行(共同テレビ)

http://wwwz.fujitv.co.jp/C-273/index.html


第7話 光と闇〜IT社長殺人事件
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2006年4月、ITの寵児と言われたフューチャーステップスの社長、
桝山一弘が何者かに刺されて死亡する。
その三ヶ月後、会計主任を行っていた横川茂人が株主総会で新
しい社長に就任する。

2010年。桝山一弘を殺害した罪で当時警備を行っていた木戸
聡史が掴まり送検される。裁判所で検察の高木英男は起訴状を
読み上げる。しかし木戸は突然犯人ではないと訴え始める。
木戸の弁護士・黒崎も捜査にミスが有ったとして指摘する。
捜査を担当した倉田は、彼が犯人だと判断した理由について
尋ねられる。被害者が所持している腕時計は、被害者が愛用
していたもので、彼の部屋から被害者を刺したとされる古美術
のナイフが見つかっていること。それを問い詰めた際に、彼は
確かに自供していたのである。しかし弁護士の黒崎は、取り調べ
が不当なものではないかと告げ、バーの店員・田中和彦を招聘
し、木戸と被害者の一弘が顔見知りで、バーでよく逢っていた
ことを証言する。時計などは生前譲り受けたものかも知れない
事を指摘する。検察はナイフから検出された血痕が溶剤に
よってDNA組織が破壊され、工作されていた事を指摘するが、
裁判での心証は変わらなかった。

顔見知りの事実を見逃していた事は警察側のミスだった。
すぐに再捜査を命じられ、新たな証拠を探せと告げられる。

改めて社長の秘書だった吉岡知加子に話しを聞きに行く。
社長は金が全てだったこと。同郷で良くしてくれた社長の会社
も乗っ取ろうとしていた事実を告げ、人を信用しないことを
口にしていたという。携帯を色々と複数個使い分けていたが
プライベートな事でそれを使っているのは見たことが無かった
という。その為、木戸と逢っていたという事実は考えられない
との事。更に木戸のことを下の人間だと扱いまともに挨拶を
している所を見たことがなかったという。
社長の事で何か気になることはなかったか尋ねると、"ユメちゃ
ん"というキャラクターの権利を持つ会社の買収を試みていたが
ある時突然立ち消えになった事があるという。それは殺される
一ヶ月前のことだったと。

竹林が遺留品のPCを調べていると、不思議なブックマークが
してある事に気がつく。埼玉県の安藤家のポストに1000万円が
投入されていた記事と、ユメちゃんのホームページにブック
マークしてある事だった。

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IT企業の寵児と言われた男が殺害される。しかし話しを聞いて
いく内に彼は次々と情け無用の買収劇を繰り返し、会社を大きく
していった事が明らかになる。金さえあれば何でも出来ると
して人を信じていなかった彼に何が起こったのか。

人間、何処かで転機を迎えるわけで、それが自分の死というもの
を実感した瞬間だったり、助けてくれた人物の死に直面する時
だったり・・・死生観に関わる事こそ、更生への第一歩という
事なのか。

さてドラマとしては、人の性格が二度も変わってしまう過去の
出来事が有ったという事で、それが何だったのかを突きとめて
いく事で上手く殺人を犯した犯人にも近づいていく。

犯人が刺したナイフからそんな過去やら会社の実態が明らかに
なっていくという事で、なかなか面白い段取りだったと思う。

裁判での証言が覆った事で再度調査していくという導入部も
面白い取っ掛かりだったし、裁判自体にそれ程比重を置かずに
今まで通りの段取りを貫き通した事。そして倉田自身のプライド
を掛けた捜査だったという事で、倉田に見せ場を用意した辺り
も面白い造りだった。

ただ事件が解決してからその後の余韻が長く、海外ドラマなど
見慣れていると、解決した後の歯切れの悪さは目に付く。
10分近く一連のエピソードのフォロー的シナリオが描かれる
辺りは、もう少し考えた方が良いかもしれない。

いよいよ本題である杉並の女子高生事件に入りそうな感じだが
被害者の女性は志保さんだったな。
一体何が有ったのでしょうか。


桜木泉 …… 上戸彩 (25歳、特命捜査第4係・巡査部長)
塚本圭吾 …… 宮迫博之 (38歳、巡査部長)
高峰涼子 …… 山口紗弥加 (35歳、警部補主任)
深沢ユウキ …… 丸山智己 (32歳、警部主任)
大森紗英 …… 北川弘美 (31歳、法医学・科学担当)
竹林匠 …… 木村了 (27歳、物理担当)
道尾行成 …… 永田彬 (警察官)
秋山透 …… 南圭介 (科学捜査)
三井朋美 …… 齋藤めぐみ (婦警)
白石晋太郎 …… 中原丈雄 (58歳、巡査部長)
倉田工 …… 杉本哲太 (45歳・警部係長)
長嶋秀夫 …… 北大路欣也 (56歳、警視・特命捜査対策室・室長)

桝山一弘 …… 松尾敏伸 (IT企業フューチャーステップス社長)
横川茂人 …… 三浦誠己 (経理主任から社長へ)
木戸聡史 …… 野中隆光 (青山警備保障派遣、大和会)
黒崎勝彦 …… 小須田康人 (被告側弁護士)
吉岡知加子 …… 神農幸 (秘書)
田中和彦 …… 木川淳一 (バーの店長)
高木英男 …… 隈部洋平 (検察)
真野誠一 …… 大橋智和 (桝山の元親友、現在移動式パン屋)
真野里恵 …… 佐藤綾 (妻)
安藤千尋 …… 近藤里沙 (桝山と文通)
安藤佐希子 …… 松元夢子 (母)

本谷翔子 …… 志保 (17歳、杉並区で殺害された)

花ヶ前浩一、平方恭子、乙黒史誠、巨勢竜也


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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