絶対零度 〜未解決事件特命捜査〜
(2010年4月期・フジ火21時枠)

企画/成河広明(フジテレビ)
プロデューサー/森安彩(共同テレビ)
アソシエイトプロデューサー/瀧山麻土香(フジテレビ)
脚本/酒井雅秋(1)(2)(4)(8)(9)(11)、浜田秀哉(3)(7)(10)
谷和俊(5)(6)
演出/村上正典(共同テレビ)、岩田和行(共同テレビ)

http://wwwz.fujitv.co.jp/C-273/index.html


第11話 未解決事件特命捜査〜悲しみを打砕く日
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1998年8月26日。
刑事の百瀬邦弘はこの日、容疑者の橋本幸生を追い掛けて、
地下駐車場へと追いつめる。しかし駐車場で彼に撃たれて殉職
する。遺体は燃やされて発見され、後に警察手帳などが発見
される。

2010年6月。工事現場で銃声が轟く。
12年前の巡査部長殺人事件の凶器である中国製のトカレフが
現場から発見されたのである。
当時百瀬は発砲しなかったのに、犯人が百瀬に二発の銃弾を
食らわせて殺害した事件だった。
すぐに再捜査する事が決まり、科学班は現場で当時の被害者の
状況を確認しに行く。銃弾は二発撃たれていたが、二発目は
至近距離から撃たれている。しかし弾道検査をすると、不自然
な角度から撃たれていた。しかも先日工事現場で発見された
銃からは弾は一発しか使われていない。もう一つの銃が存在し
ており、共犯者の可能性が出てくる。地下駐車場には犯人の
橋本が誘い込んだ可能性が出てくる。

捜査が再開されたと聞いて、当時橋本と一緒に捜査にあたって
いた一課の中馬が特命捜査第4係にやってくる。白石とは20年
来の親友だという。白石は中馬に怨恨の線と共犯者の可能性が
出てきたことを告げる。
この事件は俺達にとっては無念の事件だという中馬。

捜査資料を見る桜木は、百瀬には妻の静香と息子の望が居る
事を知る。当時生まれたばかりであれば、今頃12歳のハズだと
呟く。
静香と望に事情を聞くために、特命捜査第4係に来てもらう事
に。望は桜木からみると生意気な子供で、今すぐにでも野球の
練習をしにいきたいと告げる。
静香に話しを聞くと、当時息子は先天性の心臓病を患っていた
が、夫が殉職した事で保険金によって最新の治療を受けられた
事を知る。誰かに恨まれていた事はないかと尋ねるが、分から
ないとの事だった。

高峰は橋本の母親であるサトに話しを聞きに行く。
息子から連絡は無かったかと尋ねるも、無かったという。高峰
がその言葉を信じていたことにサトは驚く。人は嘘を付くとき
にはその兆候が現れるという高峰。するとサトから、橋本は
山口という刑事と接触していた事を知る。

特命捜査第4係では山口が何らかの事情を知るものとして、話
を聞くことになるが、身内への捜査と言うことで慎重に行うよう
指示される。
話しを聞くのは塚本だった。塚本は殺人課への異動が決まった
事もあり、山口とは同僚になる。橋本との関係を尋ねると、
捜査をしていただけだと告げ、静香と橋本がロイヤルホテルの
ラウンジで口論しているのを見て、確認に行っただけだという。
疑いの目を持つ塚本に対して山口は、刑事よりも加害者の母親
を信じるのかと言われる。
塚本に対して深沢は、親友の奥さんを売るようなマネをしてい
る人物の事を信じるとは大人になったなと皮肉混じりに告げる
のだった。

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12年前に起きた警察官殺人事件。
その時の凶器が発見されて捜査が再開されるが、容疑者は未だ
に逃亡を図り、母親とも音信不通だった。

病気の息子のために刑事が不正を犯すという、この手のドラマ
ではありがちなパターンの内容だった。

捜査一課が被害者であり加害者という点で、特命捜査第4係とし
ては捜査がやりづらかった部分が有り、塚本が殺人課への異動
が決まっていること、そして捜査一課の中馬と白石の関係性が
ドラマとしてのスパイスとして使われた。

捜査自体は単純なものだった。
不可解なのは冒頭より弾道検査を行っていたが、遺体は焼かれ
ているのに、どうしてそこまで詳しく弾道が分かるのかという
点か。

被害者、加害者の家族の親子関係がドラマとしてのテーマとして
浮かび上がり、誇りに思っている父親像だったり、どんなに
ダメな息子でも愛情が存在する点など、とても心を揺り動かさ
れる設定が描かれている。

桜木の父親の件とか、高峰に対して子供が犯罪を犯した場合に
どういう行動を取るかとサトが尋ねたりして、今一度警察官と
しての心意気を感じさせるものだったのかもしれない。

桜木の嗅覚の鋭さも相変わらずで、絵馬から生存を確認したり
人物の癖から相手を特定していくなど、彼女ならではの視点
を上手く取り入れた格好だった。


桜木泉 …… 上戸彩 (25歳、特命捜査第4係・巡査部長)
塚本圭吾 …… 宮迫博之 (38歳、巡査部長)
高峰涼子 …… 山口紗弥加 (35歳、警部補主任)
深沢ユウキ …… 丸山智己 (32歳、警部主任)
大森紗英 …… 北川弘美 (31歳、法医学・科学担当)
竹林匠 …… 木村了 (27歳、物理担当)
道尾行成 …… 永田彬 (警察官)
秋山透 …… 南圭介 (科学捜査)
三井朋美 …… 齋藤めぐみ (婦警)
白石晋太郎 …… 中原丈雄 (58歳、巡査部長)
倉田工 …… 杉本哲太 (45歳・警部係長)
長嶋秀夫 …… 北大路欣也 (56歳、警視・特命捜査対策室・室長)

百瀬邦宏 …… 黄川田将也 (捜査一課・巡査部長)
中馬武彦 …… 北見敏之 (捜査一課)
山口亮二 …… 袴田吉彦 (捜査一課)
橋本幸生 …… 青木伸輔 (チンピラ)
百瀬静香 …… 紺野まひる (妻)
百瀬望 …… 今井悠貴 (息子、幼少期先天性の心臓病)
サト …… 田島令子 (橋本の母、小料理店)
田渕 …… 林和義 (森村TEC社員)
近田 …… 坂田聡 (森村TEC社員)
村岡 …… 佐藤一平 (森村TEC社員)

島村勝、河野達郎、上谷健一、矢野太一


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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