四十九日のレシピ
(2011年1月期・火曜22時枠・NHK)

原作 - 伊吹有喜「四十九日のレシピ」(ポプラ社刊)
脚本 - 大島里美
音楽 - 田村洋
主題歌 - なゆた「宇宙のレシピ」
演出 - 西谷真一
制作統括 - 後藤高久、田村文孝

http://www.nhk.or.jp/drama/49nichi/



第2話 二人のあしあと
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乙美ことオッカが亡くなり葬儀から三週間。
百合子は、夫の裕之が浮気しその相手・亜由美が妊娠している
事を知って離婚届を出して家を出る。
百合子は子供の頃から常に握っていた白い石を探す。乙美が
大好きだった石。百合子はオッカともう一度話せるのならば
幸せだったか聞きたいと感じていた。

翌朝、百合子の部屋に突然男性・
ハルミ屋根から侵入して
くる。びっくりして大声を上げる。ハルミは良平たちを連れて
外に行くと、車を見せる。なんとその車は、百合子が幼いとき
に自宅で使用していた車だった。

井本がやってくると、彼は四十九日の宴会の助っ人だという。
井本が屋根を直せといった為に今朝やってきたのだという。
昨年まで彼は隣町の町工場で働き、乙美はその工場の社員食堂
で働いていたので出会ったという。乙美に良くしてもらった事
を知って、遠藤家もそれならばと彼を受け入れる事になる。

宴会の内容はどうするのか。
乙美の残した絵日記のようなメモによると、お経やお焼香は
要らないという。ここに書かれているような食事をみんなに
振る舞って欲しいとのことだった。
良平は乙美の私物を見つけたとみんなに報告する。
箱の中には自分史を書こうとしていたと思われる原稿用紙が
入っていた。しかし生まれと結婚した年が書かれているだけ
でそれ以上に何もなかった。それを見て井本は、乙美先生は
施設に来る子供達に足跡帳を作っていたという。施設を出て
行く時に、その人が施設に来てから出て行くまでのことを
克明に書いたものだという。人の足跡は沢山作っていたのに
自分のは作っていないのかと聞くと、百合子は私たちでオッカ
の足跡帳を作ってそれを宴会の時に見せようと告げる。

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乙美の四十九日には、彼女が希望している宴会をやろうとして
着々と計画を立てていく。彼女が施設の子供達に作っていた
足跡帳の様なものを乙美の為に作ろうとするが、彼女のことを
意外とあまり知らず悪戦苦闘する。

死んですぐには悲しみを実感出来ないで居るためか涙は出ない
ものだけれど、彼女の事を思いだしていくウチに、そんな彼女が
もうここには居ない事を実感し涙していくという、姉から非情
だと言われた良平自身も含めて、孝行したいときに妻/親は
いないという事が着実に浮かび上がってくる展開だった。

ハルミや幸恵の存在は、生きている時に乙美が何をしたのか、
そんな彼女の人間性が浮かび上がってくるものだけど、
ハルミは百合子に対しても影響力を持って、心の隙間を上手く
補っていくのかどうか気になる所だ。

今回は百合子と良平の出会いが描かれたけれど、流石に
伊東四朗さんにカツラをかぶせただけの中年男の姿は、かなり
の違和感がある。

確かに乙美の思い出は少ないのだけど、彼女が残してくれた絵の
お陰で、上手く彼女との思い出が浮かび上がってくるし、
百合子が幼いこともあって、彼女の知らない事実の側面が興味
深く浮かび上がってくるところは、見ていて楽しい感じ。

ドラマとしては、子供を持たない母親は果たして幸せなのか
どうかがテーマだったけど、乙美のそんな姿を思い出しては
自分自身の事情に転化していく所など、上手くできた感じだね。

遠藤百合子 …… 和久井映見 (不妊治療)
熱田乙美 …… 風吹ジュン (百合子の継母、しかし亡くなる)
井本幸恵 …… 徳永えり (乙美に恩義を感じている少女)
ハルミ …… 渡部豪太 (乙美の世話になったブラジル系)
遠藤浩之 …… 宅間孝行 (百合子の夫)
笹原亜由美 …… 野波麻帆 (浩之の愛人、妊娠中)
熱田万里子 …… 笛木優子 (良平の元妻)
桐野聡美 …… 吉行和子
奥津珠子 …… 水谷八重子 (百合子の叔母)
熱田良平 …… 伊東四朗 (百合子の父)
遠藤淑子 …… 大森暁美 (浩之の母、脳卒中でベッド)
斎藤恵美 …… 山崎千惠子 (浩之の姉)
ヘルパー …… 畠山明子
5歳の百合子 …… 畠山彩奈
笹原カイト …… 小山颯 (亜由美の子供)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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