四十九日のレシピ
(2011年1月期・火曜22時枠・NHK)

原作 - 伊吹有喜「四十九日のレシピ」(ポプラ社刊)
脚本 - 大島里美
音楽 - 田村洋
主題歌 - なゆた「宇宙のレシピ」
演出 - 西谷真一
制作統括 - 後藤高久、田村文孝

http://www.nhk.or.jp/drama/49nichi/



第4話 家族の処方箋
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四十九日の大宴会まであと二日。
オッカの年表は依然として余白を残したままだった。
ハルミは明日ブラジルに帰国し、井本は明後日の大宴会が終わ
れば、オッカとの契約も終わりこの家との関係が無くなる。

暫く開けたことのない物置を開けると、中から大量のトイレット
ペーパーが出てくる。処分に困っていると、井本はリボンハウス
に寄付しようという。

リボンハウスの園長・
桐野聡美がやってくる。オッカとは40年前
からの知り合いで、会社の同僚として出会ったという。施設を
立ち上げてからもオッカはボランティアで働いてくれたという。
オッカが書いていた女の子の絵の主人公の百合子を見て貴方
だったのねと呟く。
自分たちは
テイクオフボードだとよく言い合っていたという。
それは
跳び箱の踏み板の事。自分たちを踏み台にして、みんな
次の世代を前に飛ばしていくものだという。例え独り身であろう
とも、自分に関わったことで、関わった人たちはきっと前に
進むと信じているのだという。

夜はすき焼きをみんなで食べる。
遺影を前にしてハルミは故郷に帰ると報告する。
父・良平はハルミとの別れにもかかわらず酔っていた。しかし
呼びかけると、ブラジルは遠いのだろうねと呟く。これで
お別れだとし、互いに元気でと語る。

百合子はハルミと別れ際に会話する。
百合子はこれからどうするのか?と問い、元の生活に戻りたい
のか?と聞かれる。百合子は戻らなくても良いとし、戻れるの
ならば時間を前に戻したいが、それが出来ないのでこのままで
良いのだという。さよならだとするハルミは車で立ち去るが、
百合子は別れを惜しみ彼の車を追いかけようとする。

いよいよ四十九日の大宴会の日。
親戚達が集まる。相変わらず珠子は、大宴会は非常識だの、
百合子の今後を尋ねる際に気遣う姿を全く見せないことに対し
て、父・良平は不躾な物言いは辞めてくれと訴えるのだった。

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いよいよオッカが求めていた四十九日の大宴会の日が開催され
る。オッカの人生は果たして楽しいものだったのか。

オッカの人生がどんなものだったのか、集まる人の姿を見て
それが実感できるというもの。

子供を持たない人や結婚せず独り身である人に対して、目的
を見失った際には、エールと成り得るようなドラマだったの
かもしれない。

四十九日の展開としては多少在り来たりなものが有ったけど、
その後にちょっぴりファンタジックな流れとして余韻を残す
ような作りにしておく所などは、とても面白く出来た後半部
だった。

四十九日という期間がどういうものなのか。
人が亡くなってすぐには悲しみの実感がないと言うけど、
この四十九日までに、生前のオッカの姿を想像することで、
そんな悲しみをより実感できるものだったし、悲しみだけでなく
前向きになれるような感じにしておくところは、見終わって
心地よさが残る。

OTOMIがIMOTOになっているとか、今は亡きハルミの存在を
上手く抽出しておく所など、良くできていたと思う。

遠藤百合子 …… 和久井映見 (不妊治療)
熱田乙美 …… 風吹ジュン (百合子の継母、しかし亡くなる)
井本幸恵 …… 徳永えり (乙美に恩義を感じている少女)
ハルミ …… 渡部豪太 (乙美の世話になったブラジル系)
遠藤浩之 …… 宅間孝行 (百合子の夫)
笹原亜由美 …… 野波麻帆 (浩之の愛人、妊娠中)
熱田万里子 …… 笛木優子 (良平の元妻)
桐野聡美 …… 吉行和子 (リボンハウスの園長)
奥津珠子 …… 水谷八重子 (百合子の叔母)
熱田良平 …… 伊東四朗 (百合子の父)
遠藤淑子 …… 大森暁美 (浩之の母、脳卒中でベッド)
斎藤恵美 …… 山崎千惠子 (浩之の姉)
ヘルパー …… 畠山明子
5歳の百合子 …… 畠山彩奈
笹原カイト …… 小山颯 (亜由美の子供)


勝太 …… 林和義 (遠藤の親族)
喜美子 …… 池田道枝 (遠藤の親族)
後藤美佳 …… 佐津川愛美 (リボンハウス)

澤田育子、三鴨絵里子、藤本静


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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