BOSS 2 (2011年4月期・フジ・木曜22時枠) 脚本 - 林宏司(1)(2)(3)、西平晃太 プロデュース - 村瀬健、保原賢一郎、三竿玲子 演出：光野道夫(1)(2)、石井祐介(3)、星野和成、成田岳 オープニングテーマ 「Alright!!」Superfly 主題歌「Rollin’Days」Superfly http://wwwz.fujitv.co.jp/BOSS/index.html

第3話 悲しき暴力の連鎖
--------------------------------------------------------
会社経営の柳川浩一郎(55歳)が自宅で刃物で刺されて殺される。
2月に起きた殺人と犯行が類似していることから、連続殺人
事件が疑われる。そんな中、"死の腕"と名乗るものから出版社
に対して犯行声明文が送られてくる。

現場で働くキャリアの実情を取材している文英館の佐神公一
(40歳)は、野立を雑誌で取り上げられることになる。
対策室にやってくると野立を撮影している中、文英館の社長
蒼井雄介(35歳)が自宅で殺害される。死亡推定時刻は午後
5時から6時。体に4カ所刃物で刺されており、連続殺人事件の
4人目の犠牲者の可能性が高かった。
1人目、横川弘泰(45歳・税理士)、2人目・高橋良治(60歳・開業
医)、そして柳川と今回の被害者・蒼井。被害者に共通する
接点はなく、無差別殺人かに思われた。

絵里子は犯行声明文の"死の腕"に注目する。
レスター博士のモデルになったシリアルキラー、ヘンリー・ル
ーカスが所属していた組織が"死の腕"だと言われている。犯罪
マニアによる犯行が疑われる。
絵里子はそれぞれに役割を言い渡し、犯人検挙のために動く。

理香はカンター理論によって、次の犯行を予測する。
この理論では犯罪者は家の近くでは犯行を犯さない事や、
犯行現場に於いては同じ方向を避ける傾向による所から割り
出す計算法だった。

絵里香は文英館にいき、担当の加藤から話を聞く。
話によるとこの会社は佐神公一によって持っているような会社
だという。佐神のライバル・山地智子(40歳)が会社での双璧を
為す中、絵里香はデスクの上に置かれた犯罪の本に目を向ける。
加藤に尋ねると猟奇シリーズを担当しているのは、小堀慶介
だという。

それぞれの犯罪に於ける犯行時刻はバラバラであることから、
時間に融通の利く人物であろう事、そして刃渡り7から8cmの
物が使われている事が判明する。

そんな中、容疑者・野口武生(25歳)が逮捕される。
一人目の被害者の爪から犯人の皮膚痕が検出され、前科が有っ
た事から特定できた物。野口自身も犯行を認めているというが、
絵里子は4人目の犯行だけは別人の仕業であろう事を疑っていく。
--------------------------------------------------------

連続殺人事件が起こる中で、4件の内、最後に起きた事件は、
類似性は有るものの、犯罪を繰り返す内に成長している処か
退化していることに違和感を覚える。果たして殺害した人物は
誰なのか。

色々細々とネタを仕込んでいて、犯行に及ぶ理由付けであったり、
犯人の人物像と成りうる過去の境遇だったり、人の行動の一つ
一つに気を配るような繊細なシナリオだった。

ただちょっぴりと凝りすぎている事もあって、最後の証拠を
引き出す為の誘導するトリックは分かりづらいものが有ったし、
これまでの周到な流れと比べて、若干証拠の出し方が安易な
感じするのは、残念な所だった。

ドラマとしては、犯人捜しというよりも、犯行の動機を探る
点に若干の比重が掛けられていて、離婚している妻の存在で
有ったり、子供の絵の件が複雑に絡んでくる。
その辺の理由付けも細かく設定されているが、その辺を掘り
下げ過ぎていて、犯人捜しの件がイマイチ面白く感じられない
所があったかな。

殆ど絵里子の独壇場で話が進んでしまい、彼女の解説VTR状態
になっている件も気になるけれど、犯罪の性質を見抜いて分析
していく絵里子の鋭い視線は、とても納得できるものなので、
歯車が合えば楽しくなるかな。