ブルドクター (2011年7月期・日テレ・水曜22時枠) 脚本：橋部敦子 音楽：梅堀淳、RIKU、榊原大 演出：久保田充(1)、長沼誠、本間美由紀 医事監修：岩瀬博太郎 チーププロデューサー：田中芳樹 プロデューサー：戸田一也、国本雅広、大塚英治 「Far As The Sky」 / CHARICE http://www.ntv.co.jp/bull/index.html

第1話 暴走女医が感動究明夫婦の絆
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上都大学法医学で教鞭を奮う教授の武田伸生。
日本では年間17万体の変死体が見つかるが、司法解剖が行われ
るのは僅か8000体である事を告げる。
そんな中、アメリカで法医学を学んだ大達珠美が上都大に来て
くれることになった事を報告する。

珠美は自転車で出勤するために大学に向かう途中、ジョギング
中の男性・赤井良治(62歳)が突然倒れるのを目撃。すぐに
救急搬送し、病院に連れて行くが亡くなってしまう。担当した
医師からジョギング中の死亡であれば事件性は希薄だとするが、
珠美は警察に連絡して欲しい事を訴える。

武蔵警察署の神岡と釜津田知佳が病院にやってくると珠美に
挨拶する。神岡は遺族で妻の赤井由紀子に連絡し病院に来て
もらう。すると夫は時々胸が痛いと言っていたのに病院に連れて
行かなかった自分の責任だと語る。聞き込みの結果、赤井家は
とても仲の良い夫婦で評判だった。

知佳はそれを受けて珠美に死体検案書を書いて欲しいと頼む。
すると珠美は死因を"不詳"と書く。心筋梗塞ではないのか?と
問うが解剖しない限りは正確なことは分からないと告げる。

珠美の到着を持つ大学の法医学教室。
知佳と一緒に珠美はやってくる。珠美は法医学の準教授・名倉
潤之助の事を呼び出すと、遺体の件で判断してくれるよう頼む。
するとすぐに事件性はなく心筋梗塞だと告げる。自分は今ある
材料でベストな判断をしたまでだと珠美に告げる。

そんな中、再び自宅で変死体が見つかったとの報告を受ける。
亡くなったのは無職で一家の主・田口貢。妻の良美によると
今朝10時頃部屋に来たら亡くなっていたという。
すぐに尿を調べると、微量の睡眠薬が検出される。
近所の話では夫婦喧嘩が耐えなかった事。それは失業しマイホ
ームを手放すことになった頃から喧嘩が始まっている事を知る。

珠美は司法解剖が必要だとするが、法医学教室では夕方の遺体
は明日処理するという。しかし珠美はこれからするんだと
告げる。
珠美は解剖直前に仏に手を合わせずにいるのを知佳が目にする。
頭部からは目視では見分けが付きにくい皮下出血を見つける。
そして解剖すると頭部を何かで打ち付けた跡が見つかる。
妻が睡眠薬を使って寝静まった後に殺害に及んだ物なのか?
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アメリカ帰りの法医学医師が、日本の医科大の凝り固まった
概念をぶちこわす為にやってくる。
今まで救命救急をしていた珠美だったが、人は死んで終わり
ではなく、死因が特定されるまでが医師としての役割だとして
遺体と向き合っていく。

法医学系のドラマではありがちな主張を書き連ねた感じの
キャラクターが織りなすドラマだったかな。
小日向文世さんのこういう役柄は、TBSのドラマ「ハンマーセ
ッション!」の時の校長役を思い出す。ただ何らかの病気を
抱えている感じなので、教授を降りる前になんとか改革を
起こしたい意図があるのかな。

ドラマとしては比較的単純に、一見すると他殺に見える案件が
事故死で有ったり、事件性のない遺体が人の手による殺人で
有ることを示して、刑事の釜津田知佳の主張や先入観をもって
捜査に当たる彼女に一石を投じていくような内容だった。

二つの事件を扱ったためか展開としても忙しく、家庭を巻き込
んでいる辺りに、若干目移りしすぎで、ごちゃごちゃしすぎる
印象もある。
アメリカのドラマだとこの辺はすっぱり切り捨てると思うの
だけどね。橋部敦子さんのシナリオならば、家庭・家族の関係
は切っても切りはずせないか。

田口家の子供で母親の無罪に貢献した子役を演じた黒崎レイナ
ちゃんは「ハガネの女」のシーズン2でタオ役を演じていたね。

日本は変死体に対して世界的にも司法解剖を行わない様な事が
描かれているけれど、日本の医療費などにかかる割合を考える
と、世界ってどれだけ医者の数が多くて医療費にかける税の
割合が高いのだろうね。単純に改革するためには、法医学に
進む医師を増やせば良いのだろうけど、そうなるとまた日本の
医療費が莫大に増えていくんだろうし、難しいものがあるな。