外交官・黒田康作
(2011年1月期・フジテレビ・木曜22時枠)

原作:真保裕一
企画:臼井裕詞
プロデュース:牧野正
脚本:古家和尚、池上純哉
演出:西坂瑞城、永山耕三
音楽:菅野祐悟

http://blog.fujitv.co.jp/KOSAKUKURODA/index.html



第7話 裏切り、切ない絆
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黒田は11年前の大使館の籠城事件での霜村倫世の死に関する
疑惑の件を知る。そして山路が霜村と共犯関係にあることを
知り捕まえる。

黒田はホテルで、籠城事件で倫世が病院に運ばれ亡くなった
時のことを夢に見る。

所轄では山路の事情聴取が行われる。
所轄の捜査官達も、山路の息子・
貴史が病死した事は知ってい
たが、
アトロンの被害者である事は知らなかったという。
柏田事件で被害者のツメから検出された皮膚片のDNAは、霜村
とも山路とも一致しなかった事を受けて実行犯は誰かを聞きだ
そうとするが、一切話そうとしない。新居田はそんな彼に、
刑事としても人間としても許されない好意だと訴える。

山路は息子・貴史の病気が悪化したときのことを思い出してい
た。担当医の
西川に病院でもらった薬で悪化したことを訴える
が病院に落ち度はないとして突き返されたときのこと。
貴史は腎機能障害によって亡くなったが、脳炎での治療のため
に発症のタイミングによって、訴訟の原告団には入れなかった
人物だと知る。警視庁は一連の事件は、怨恨による殺人事件
で間違いないと判断していく。

一方黒田は利香子を引き連れて、今から共犯者の元に行くと
いう。
その頃外務省では、外務大臣から観上副大臣に対して、黒田を
捜査からハズさせるよう告げる。黒田がこの一件に関わること
で、11年前の事件の事を詮索されても困るという。観上は
黒田と話し合って検討すると告げるが・・・
微小生物関連の研究の会議
CIEM2010が来週に迫っていた。
悠木は観上の元にその関連資料を持ってくる。

黒田は観上に対して、食事を取った際に有ることを頼んでいた。
それは倫世の検視記録の閲覧者を調べて欲しいというもの。
外務省の中には霜村に精通している者が居るというのである。

黒田と利香子がやってきたのは、フリージャーナリストの
佐々木藍子の元だった。彼女はアトロンの情報を意図的に
隠していたこともあって関係者である可能性が高いという。
すると藍子の部屋には既に情報を聞きつけて、鷹村と新居田が
家宅捜査をしていた。部屋にあった写真から彼女の妹・
橙子
アトロンの被害者である事を知る。

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山路を逮捕したことで、一連の事件がアトロン薬害問題の
怨恨事件である事がハッキリとしていく中で、山路に協力して
居たであろう人物が芋づる式に浮かび上がってくる。
更には外務省にも一連の事件に関わっている人物がいる事が
判明していく。

公安を動かしたのが斉藤で、悠木はアトロンの件で倒産した
日和製薬の関係者である事が分かる話だった。

黒田vs新居田。黒田vs公安の霧島など、顔近づけて互いに主張
するところなど「振り返れば奴がいる」の司馬的演出を
思い出させる。

外務省に居るであろう精通者の存在、そして藍子がこの一件
に関わっていること、そして山路が取り調べを行った君島に
着眼点を持って行く所など、黒田の行動の鋭さが至るところで
見られて、これまで彼の能力を懐疑的に見ていた人にはその
活躍っぷりと判断力を見せつけられる話だったのでは無かろうか。

周りの人物を使う能力にも長けていて、観上を利用したり、
西園寺を利用したりして、その中には黒田に味方するだけの
カリスマ性をはらんでいるものだと思う。

相変わらず利香子を使った能力の見せ方が現実離れしていて
残念なところがある。確かに一人暮らしの高齢者の家を間借り
しているであろう事を掴むまでは良かったけれど、その後の
展開は完全にケンチャナヨ精神で、納得できるものがない。

メキシコ大使館員のエルナンドや、霜村が名乗っていたロベル
トイシイに関しても、その関わり合いの背景が描かれたことも
有って、これまでの展開を上手く補足した格好だった。

後は斉藤が関わっていることをどのようにして掴んでいくのか
だね。
また悠木の経歴に日和製薬との文字があったけど、外務省の
官僚がどうして製薬会社と繋がりがあるのか。

黒田康作 …… 織田裕二 (外交官)
大垣利香子 …… 柴咲コウ (佃署の女性刑事)

観上祥子 …… 草刈民代 (外務副大臣、東大卒、元女子アナ)
悠木圭一 …… 萩原聖人 (外務副大臣秘書官)
斉藤修助 …… 近藤正臣 (外務大臣)
西園寺守 …… 田中圭 (外務省メキシコ室職員)
鴨下祐司 …… 大倉孝二 (守の上司)
山野アミ …… 高橋真唯 (外務省メキシコ室)
武井勇人 …… 樋渡真司 (外務省メキシコ室)
野中美月 …… 三浦まゆ (外務省メキシコ室)
大島寿志 …… 渡辺邦斗 (外務省カリブ室)
安藤庸介 …… 鹿賀丈史 (邦人テロ対策室室長)

山路貴繁 …… 岩松了 (佃署刑事課課長)
廣田 …… 坂田聡 (佃署刑事課)
永井 …… 本郷壮二郎 (佃署刑事課)
女性警官 …… 小出ミカ (佃署刑事課)

新居田 一彦 …… 田中哲司 (警視庁捜査一課・管理官)
鷹村修司 …… 君沢ユウキ (警視庁捜査一課)
大垣 保 …… 六平直政 (利香子の父親。銭湯経営)
大垣 今日子 …… 美保純 (利香子の母)
霜村毅 …… 香川照之 (NPOの医療団「ボーダレス・エイド」)
霜村瑠衣 …… 夏帆 (毅の娘)
霜村倫世 …… 紺野まひる (毅の妻であり、瑠衣の母。故人)
佐々木藍子 …… 片瀬那奈 (フリーライター)
君島祐太朗 …… 西島隆弘 (瑠依と同じ高校に通う先輩)


湊 肇 …… 小田桐一 (被害者・横浜大教授)
吉村進 …… 大河内浩 (ブライトン製薬日本支社長)
寛子 …… 伊藤裕子 (元ユニセフスタッフ)
霧島 …… 飯田基祐 (公安)
ゴールドマン …… イアン・ムーア
矢田部 …… 平泉成
君島奈緒子 …… 黒沢あすか (祐太朗の母、バー経営)

阿南敦子、二宮弘子、野村修一、島津健太郎
よしのよしこ、屋根真樹、海島雪、小西結子、山咲美月、石井拓巳


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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