ハガネの女 (2011年4月期・テレ朝・木曜21時枠) 原作：深谷かほる「ハガネの女」（集英社『YOU』連載中） 脚本：大石哲也 音楽：中塚武 監督：唐木希浩(2)、常廣丈太 プロデューサー：中込卓也・飯田爽、下山潤 チーフプロデューサー：佐藤涼一  http://www.tv-asahi.co.jp/hagane/

第2話 嵐の新学期始まる
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ハガネの担当するクラスは4年4組だと4年3組の生徒達に告げる。
5年4組の間違いではないのか?とするが、学校の方針で生徒た
ちと共に進級はせず、思春期が始まる4年生クラスには、昨年
も担当したベテランの教師が就くことになる。
ハガネは生徒達に新しいクラスになってもタオの事は忘れない
でと告げ、更には統合されて来る水河小の生徒たちの気持ちを
考えて行動して欲しいと頼む。

そんな中、野村校長から新しくカウンセラーとして本年度から
学校にやってくる上川俊一の事が紹介される。上川は屋上の
給水塔に居たという生徒の一人・真壁友喜を一緒に連れてくる。
彼はアスペルガー症候群の生徒だった。この症状の人は、
拘りが強く、他人の気持ちを理解する能力が乏しい性格を
持つという。本来特殊学級への編入も考えられたが、本人の
希望で愛河小に来たことを知る。野村はハガネの副担任となる
水嶋にフォローする事を頼む。

ハガネは新しいクラスにいくと自己紹介する。
亮介は早速席替えをして欲しいと申し出る。同じ学校同士で
まとまった方が気が楽だという彼。しかしハガネはそれは出来
ないと却下する。

早速授業が始まると早くも問題が露呈する。
美術の時間、互いに向き合って相手の顔を描く授業だったが
アスペルガー症候群の友喜が、ずっと下を向いたまま電車の
絵を描き続けていることに、生徒の一人・翔太が激怒した為の
もの。

頭を抱えるハガネだが、職員室にいる彼女の元に生徒の一人
夏希がやってくる。自分を友喜の隣の席にして欲しいとし、
このままだと必ずトラブルになるという。自分の話は聞いて
くれるという夏希は、ハガネに彼の障害のことは他の生徒には
言わないで欲しいと頼む。

ハガネは早速友喜の事を知るために、彼の母親・笑美子の元
を尋ねる。夏希とは家族ぐるみの付き合いをしているという。
笑美子は子供が迷惑をかけるようであれば特殊学級に移る事を
告げるが、ハガネは彼女に学校は勉強をするところだけではない
と説得する。
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ハガネは再び4年生のクラスを担当することになる。
今度の学年では、隣町の学校からの生徒の編入、そして障害を
持つ生徒がクラスにいることで波紋が起こる。果たしてこの
難局を乗り切ることが出来るのか。

とても難しい対処を求められるエピソードで、対応にも根気が
居るであろう状況が描かれた。

またまたドラマでは個性ある生徒達が満載で、当然ながら
集団の中にはリーダー格の生徒だったり、正論を振りかざす
生徒、そして孤立無援の我関せずな生徒など、色々とバリエー
ションは豊富。
有る意味では前回のエピソードは、2時間の単独のエピソード
として描いても間違いではなく、今回のエピソードこそが第一
話といった感じに写る。

何よりも生徒の自主性とは名ばかりに、多数決でイチ生徒を
受け入れるか追い出すかの選択を迫る所など、かなり問題行動
として写りそうな話だった。
このドラマで行われている顛末の全てを知っているのならば
まだしも、世間の好奇の目はそんな意味合いを考えず、目の前
の事実ばかりをすくい取ろうとするから、多数決自体を問題に
するだろうからね。

多数決の場で最後の一人を、自分の元から親友が離れていった
ばかりの生徒に一票の重みを受け持たせた事は面白くできて
いたし、その事で変に卑屈にならずドラマらしい結末をもって
友喜の受け入れが決まったところは、決して悪い物ではない。
ただ現実はもっと過酷な結末を用意していそうな気もするけど
ね。

新しく来た教師達が予想以上に使えないところが悲しいけれど、
野村校長だけは暖かく見守ってくれそうだ。