ハガネの女 (2011年4月期・テレ朝・木曜21時枠) 原作：深谷かほる「ハガネの女」（集英社『YOU』連載中） 脚本：大石哲也 音楽：中塚武 監督：唐木希浩(1)(2)(5)(7)、常廣丈太(3)(4)(6)(7) プロデューサー：中込卓也・飯田爽、下山潤 チーフプロデューサー：佐藤涼一  http://www.tv-asahi.co.jp/hagane/

第8話 最終章そして希望の教室へ
--------------------------------------------------------
朝、登校時に高木拓也にボールが当たる。愛梨と広は大丈夫
か?として近付いてくる。

一方ハガネは他の教師達に、学習発表会をしても良いかどうか
確認を取る。現在ウチのクラスはもう少しで一つになれそうな
所まで来ているという。愛河小と水河小の生徒ももう少しで
協力し合えるところまで所まで来ているという。水嶋はまた
余計な仕事が増えると言うが・・・

クラスを4つの班に分けて自由研究をしてもらうとハガネは
生徒達の前で語る。発表は今週末。4つの班の振り分けはハガ
ネが既に決めているという。
それぞれに分かれると何を研究材料にするか話し合う。
ブルートレインの研究、天体に関する事、パンダの研究、そし
てダンゴムシの歌を作るとそれぞれ具体化していく。

夏希はハガネに対して何故友喜と別々の班にしたのか?とする
と、このままでは友喜は夏希以外の人と話せなくなるとし、
そろそろ夏希もクラスメイトを信じたらどうかと告げる。

そんな中、祐也が突然倒れる。
保健室で一休みして帰るが、親友の望は待っていた。
いつも一緒の二人の事を教師達は話すが、藤間先生は、望の
様子が変だった事を告げる。愛梨はハガネの元に来ると、あの
子は朝ボールが当たったことを告げ、危ないと声を掛けたが
あの子だけ聞こえなかったようだと告げる。ハガネは家に電話
すると、家でも少し様子が変だと母親は告げる。

翌日ハガネは祐也に話しかけるが、何でもないという。
望に話しかけると、祐也は左の耳が聞こえていないみたいだと
し、彼は耳が聞こえないと知れば大好きなギターを辞めさせ
られると思っている事を告げる。しかしこのまま放っておいた
ら更に酷いことになるとするハガネは、望に対して親友ならば
祐也に対して、打ち明けるよう話して欲しいと頼む。それが
出来るのは親友だけだと。
--------------------------------------------------------

ハガネははるかの発表会での生徒達の様子を見て、もう少しで
クラスが完全にまとまると考え、学習発表会を開く事で生徒
たちに共同作業を行わせようとする。果たしてその思惑通りに
生徒たちはまとまっていくのか。

色んな問題を一気に解決させすぎの印象もあるけれど、これだ
けの問題を一気に解決に導く計算高さは見事な物があった。
それぞれのエピソードに興味深さが含まれているし、ハガネが
突然、「鈴木先生」バリに生徒を使って問題解決のために導い
ていくところも決して悪くない。

相変わらず友喜の事になると目を輝かせる水嶋先生との関係
は笑える物があるけれど、シーズン2ではハガネの存在を
一拍置いて、生徒や水嶋たちの行動や変化に着眼点を持って
来たのは正解だったと思う。シーズン1と同じ様なことをする
と飽きるからね。

シーズン2ではアスペルガーを持つ生徒が支柱になっており、
その問題を巡る生徒たちの行動の変化を上手く描いている。
シーズン1で登場した先輩キャラクターの使い方もポイントを
抑えて使用しており、どの人物もハガネが注入した理想的な
生徒の姿があって、生徒たち同士の中で解決を促していく所
など、如何にも最終回の前の話的な生徒達の協調性が、巧みに
現れていたと思う。

細かいエピソードの中で、最後に友喜の母・笑美子を喜ばせる
演出など綺麗にまとまった話だった。