ホンボシ 〜心理特捜事件簿〜
(2011年1月期・テレビ朝日・木曜20時枠)

ゼネラルプロデューサー:井土隆
プロデューサー:井上千尋、目黒正之、和佐野健一
脚本:丸茂周(1)(3)、真部千晶(2)(4)、武上純希
音楽:吉川清之
監督:猪原達三(1)(2)、石川一郎(3)(4)、藤岡浩二郎

http://www.tv-asahi.co.jp/honboshi/



第4話 京都殺人同窓会!!不倫と嫉妬と復讐の関係図
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日の出銀行洛北支店に二人組の猟銃を持った強盗が入る。

自宅で
並木善也(45歳)がベッドの上で亡くなって発見される。
鑑識はアーモンド臭がすることから、死因は
青酸性毒物を飲んだ
事による死で、亡くなった善也のパソコンから遺書のようなも
のが見つかっていることから自殺かと思われた。

なんと善也は班長の真田の大学時代・アメフト部の仲間で、
現場にはその時の同級生、
山村逸人、堀孝行、関口俊二
そして亡くなった善也の妻・
並木千春が居た。
真田とは並木と千春の結婚式以来20年ぶりの再会だという。
突然山村が同窓会をやりたいとして集まったとし、真田は
忙しい為に呼ばなかったという。

善也は亡くなる前に俺が死んでも千春とは友達として仲良く
やってくれと意味深な言葉を残していたという。千春がコンビ
ニに買い物に行く間に、夫の善也はベッドで毒を飲んで亡くな
っていたという。千春に話を聞くと、善也とは5年前から別居
状態だったとの事。山村の話では、善也が勤めている銀行の
支店は業績が悪かったという。現場で青酸カリの小瓶が見つか
っていることから、これを飲んだであろう事は確実だった。

堀孝行の元を尋ねる。
すると彼は大学卒業後に会社を興して、仕事ばかりしていた
為に昔の仲間と会う機会は殆ど無かったという。
話を聞いていた桐島は突然堀の背後に近付く。後ろにいることに
気がついた堀は距離を保とうとする。桐島は人には
パーソナル
スペース
が存在し、女性の場合は特に異性には敏感になると
いう。堀と千春はそのスペースの範囲内に留まっていたことから
二人は20年ぶりの再会ではないでしょう?と尋ねる。
すると2年前に名古屋で仕事をしたときに再会したという。
その時の千春はかつてチアリーダーとしての面影はなく、自分と
つきあい始めて再び輝きを取り戻したという。善也が他殺だと
するならば、自分は千春とずっと一緒にいたので犯人ではない
と告げる。

関口の元を尋ねると、そこには千春の姿もあった。
関口は彫金の勉強をしているとの事。以前は小説家を目指して
いたことが有ったと告げ、自分にしかできない仕事をしたいの
だという。桐島は、彫金の18金の加工には青酸カリを使うので
はないか?とするが、その方法は昔のものだと告げる。

千春から話を聞くと、善也には女性がいて、自分にも相手が
居たことに善也は気がついていただろうという。自分は彼の家
にコーヒーのエスプレッソマシンが有った事から、女性の影が
有ることに気がついたという。
千春は真田に対して、20歳の誕生日に善也とつきあい始めたのは
真田の後押しが有ったからで、あの当時はキャプテンとして
信頼していたのに25年も経つと、仲間を疑うのねと真田を非難
する。

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真田の大学時代の仲間の一人が亡くなる。
現場の状況を見ると自殺にも思われるが、刑事の感や証言者たち
が不自然に振る舞うのを見て、他殺の線で考えていく。
仲間を疑う真田に、かつての仲間たちは非難するが・・・

色々とどの人物に於いても殺害するだけの怪しさが存在した
のは確かだが、冒頭で起きた銀行強盗の件が事件にどのように
絡んでいくのかが今回のポイントだった。

刑事の同窓生が事件に絡んでくるというのはありがちなもの
だし、シナリオが進行して行くに従い真田というキャラクター
の掘り下げにも繋がっていくので興味深いといえば興味深い。

基本的心理描写だけでなく、パーソナルスペース青い鳥症候群
吊り橋理論/ラブアゲイン症候群
、そして仲間達の関係を
心理的な相関図として描くソシオグラムによる説明など、とても
面白く見ることが出来た。
ソシオグラムの裏と表、表面的なものと真実の相関図が、一つ
の事件、一人の人物の存在によって、そのベクトルが全く別の
方向性を持って行く所など、見事な展開の反転であって上手い
演出の仕方だった。

事件だけでなく、同窓生の卒業後について言及したり、仲間
とはいえ優劣を持った関係性とか、人間関係とかとても興味深い
形で描かれていて、これまでのホンボシの中では一番面白かっ
た。

最後の舞のソシオグラムも笑えるものがあったし、桐島の最後
の見立ては出来すぎな位、まとめるには十分の説得力があった。

桐島孝作 …… 船越英一郎 (元・心理学者の捜査官)
友枝凛子 …… 大塚寧々 (鑑識のプロ)
御子柴衛 …… 桐山漣 (天才プロファイラー)
六条舞 …… 安田美沙子 (特別捜査支援班の事務)
倉元吾郎 …… 菅田俊 (捜査一課)
梶原稔 …… 佐戸井けん太 (鑑識)
吉村和彦 …… 古宮基成 (捜査一課・メガネ)
桜井慎吾 …… 白石隼也 (鑑識)
矢代有作 …… 峰蘭太郎 (捜査一課)
土井垣毅 …… 榎木孝明 (京都府警のトップ)
諫早賢三郎 …… 石橋蓮司 (桐島の義父であり恩師)
真田英俊 …… 高嶋政宏 (刑事捜査のプロ)
中田 …… いわすとおる (捜査一課)

山田永二


並木善也 …… 田中実 (日の出銀行洛北支店長、被害者)
並木千春 …… 古村比呂 (善也の妻、別居中、元チアリーダー)
山村逸人 …… 大浦龍宇一 (日の出銀行)
堀孝行 …… 奥田達士 (会社を興す。千春と不倫)
関口俊二 …… 池内万作 (自由人)
中沢真希 …… 長澤奈央 (喫茶店"綾崎"のバスリタ)
美濃部慧太 …… 窪田正孝 (喫茶店"綾崎"、京南大学生)
美濃部奈々子 …… 押谷かおり (日の出銀行大津支店パート)

太田雅之、大久保幸治


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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