ホンボシ 〜心理特捜事件簿〜 (2011年1月期・テレビ朝日・木曜20時枠) ゼネラルプロデューサー：井土隆 プロデューサー：井上千尋、目黒正之、和佐野健一 脚本：丸茂周(1)(3)、真部千晶(2)(4)(5)、武上純希(5) 音楽：吉川清之 監督：猪原達三(1)(2)、石川一郎(3)(4)、藤岡浩二郎(5) http://www.tv-asahi.co.jp/honboshi/

第5話 血塗られた京陶器!豪邸に集う殺人疑惑一族
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陶芸家で人間国宝・細川重春(73歳)が、自宅で殺害される。
後頭部を鈍器で殴られた事による脳挫傷が死因で、死亡推定時刻
は深夜1時から3時。重春は裸足の状態だった。重春はアルツハ
イマーの症状が有り、徘徊癖も有ったという。
父の面倒を見ていたのは、長男の一樹だった。
そんな中、重春の従兄弟である細川公康が現場にやってくる。
上七軒で酒屋を営んでいるという彼は、現場で粉々になる
古備前のツボを見て悲しそうな表情を見せる。4年前に骨董品
店で500万円で購入したものだという。自分が重春に古美術店を
紹介したとのこと。

重春が引退したことで釜を引き継いだのは、彼の息子たちでなく
高木利幸で、弟子の木村由起男も一緒に働いていた。
高木は昨晩納屋の鍵をかけ忘れた自分の責任だという。昨晩
飲み過ぎて思わず忘れてしまったとの事だった。

桐島は重春の部屋を調べると、お盆に湯飲みが無いことに気が
つく。出入り口には鈴が付けられていて、父が外に出ようと
するときには分かるという長男の一樹。しかし昨夜は熟睡して
いてその音に気がつかなかったと告げる。重春は五条坂で
清水焼を売っているという。

家政婦の平田浪江からも話を聞く。ここでは10年間働いている
という彼女。一樹の事に気がある様子で、彼は介護のために
相手を見つける暇も無く結婚していない事を告げる。
そんな中、次男の隆二がやってくる。

桐島は一通り話しを聞いた結果、みんなが不安や秘密、動揺
嫌悪の兆候が見られたとし、ここには複雑な事情が隠されて
いるという。全員が容疑者と成り得るという。しかし現場を
見ると不思議なことに、壊されているのは骨董品だけで、重春
の作品には傷一つ付いていなかった。まるで骨董品だけを
意図的に割ったようだと凛子は呟く。
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陶芸家で人間国宝の男性・細川重春が殺害される。
現場の状況から、強盗に入った犯人とたまたま出くわしてしま
った重春が、鈍器で殴られたのではないか?と疑う中、桐島は
関係者から話を聞くウチに、何れの人物にも何らかの関わりが
有るのではないかと疑っていく。

カインとアベルの関係に該当する様な事件の真相が隠されて
いたという事で、とても興味深くそれら関係になぞられた話
だった。個人的に昨年韓国ドラマ「カインとアベル」を見た
ばかりなので、兄弟の葛藤、そして親からの愛情を求める話を
見て思い出すものがあった。

後継者問題が事件に何らかの関わりが有るのだろうなと思って
いたけど、二人の息子がいるにもかかわらず何れも、陶芸家に
なっていない事実にどんな事情が隠されているのかが興味深い
謎として存在している。

人間の裏と表の顔が面白いようにあぶり出され、一見すると
兄は弟に弱みでも握られて居るんじゃないかと勝手に物語を
想像させられる部分があったけど、結果的に弟の存在に勝手に
怯えている姿があったんだよな。

冒頭から登場人物が多いことで、どうなることかと思ったけど
思った以上に複雑化せず、上手く人物を配置していたと思う。

これだけの情報で、重春が贋作を納屋に隠している事情が
分かるのか?という疑問は有るにせよ、最後の説明を聞くと
上手く話が作られていたものがあって、納得するものが有った。

流石に単純な心理描写に関しては説明する事はなくなったけど
意図的に抽出させる為に、役者の演技が不自然になる所は
もう少し何とかして欲しいところだ。