犬を飼うということ (2011年4月期・テレビ朝日・金曜23時枠) 脚本：寺田敏雄 音楽：沢田完 プロデューサー：木内麻由美、大江達樹、池田偵子 演出：本木克英(1)(2)、遠藤光貴(3)(4)(7)、��橋伸之(5) 木内麻由美(6) 主題歌：関ジャニ∞「マイホーム」 http://www.tv-asahi.co.jp/inu/index.html

第7話 君がくれた奇跡
--------------------------------------------------------
朝早く目覚める勇次だが、幸子は既に起きていて食事を作って
くれる。スカイの事を気に掛ける勇次に対して、絶対に治ると
し、奇跡は起きると告げる。
勇次は仕事を紹介して貰った堀田の事を語ると、幸子は黙って
いたことを謝罪。しかも現在変な噂を立てられていて、付き合
っているみたいに言われている事を告げる。それを完全否定す
る幸子。幸子は勇次に出かけ様にズボンのポケットに入っていた
として小清水の名刺を手渡すが、関係ないからとして破り捨てて
しまう。

眞子はスカイの事が心配で、下校の際に何度も兄の大に、大丈夫
かどうか尋ねる。何度も聞かれてウザったらしいと眞子を
突き放すも、大丈夫だとして手を握って帰宅する。そんな姿を
静香は見ていた。

幸子はバーを経営する中尾の元に行く。
勇次は今更音楽でどうこうしようとは思っていないと言われる。
小清水の件は200万円出せばインディーズでCDを出せると言われ
ているみたいだが、当てになる話ではないとし、気をつけろと
言われる。しかしそれを聞いていたヒデは、今でも彼の音楽は
通用するという。しかし中尾はいい加減にしろと告げ、あいつ
は違う世界で生きている事を告げる。ヒデは幸子に対して、
あいつはもう自由になれないのか?と問う。

堀田は昼食をとる勇次の元へ。
幸子のお腹の件ほ尋ね、自分と同じ年なのに三人の子持ちで
あるのは凄いという。まさか幸子が看護師の夢を諦めるとは
思わなかったという。勇次は仕事を紹介して貰ったお礼を
告げると、現在は贅沢を言っていられないと語る。

幸子の元に奈良橋医師から電話がなり、今日スカイの退院なの
で自分が引き取りに言って本郷家に届けるという。今後のこと
も話し合いたいと告げる。
--------------------------------------------------------

いよいよ検査手術からスカイが戻ってくる。
しかし手術代に10万円かかると言われ、なんとか勇次は職に
ついたものの、幸子は仕事を辞め、益々家計は火の車に・・・

家庭が上手く行かないときに、ふと現実逃避して昔の夢に
縋りたくなるところで現れた、勇次にとっては実に都合の良い
音楽デビューの話。
そんな状況の中で、勇次自身の現在の心情を上手く描き出した
話だった。

夢を実現するために親友を裏切らなければならない状況とか、
プライドを捨ててまで金を借りに行った幸子の姿とか、エピソ
ード自体はありがちなものの組み合わせだけど、子育てや家庭
を守る上でのプライドとの戦いの中で、勇次自身がしっかりと
地に足をつけて生きているであろう事が伺えるものだった。

堀田演じる田口淳之介くん。
なんだかこういう嫌みな役が憎たらしい程似合っている。
人の神経を逆撫でするような言動によって、異性にはモテても
同性には持てなそうなキャラクター。
相手のためと言いつつも完全に自分が気持ちよくなるために
やっているんだろうなと思わせる。

勇次も幸子も互いの人生に割って入ったことで、その人の
行く末を変えてしまった事に対する罪悪感が存在し、その事が
発端で悪い方向へと誘惑されていく。
互いに嫌な所を出し合う中で、犬が上手く介在することで、
大事には至らないところなど、犬の存在を上手く活用された内容
だった。

いつもは幸子に言われっぱなしの勇次が、今回は優位性を持っ
ている辺りも興味深かったかな。