遺留捜査
(2011年4月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本:尾西兼一(1)(4)(5)、坂田義和、池上純哉(3)、伊藤洋子(2)
監督:猪崎宣昭(1)(2)、麻生学(3)(4)、長谷川康(5)
ゼネラルプロデューサー:松本基弘
プロデューサー:三輪祐見子、丸山真哉・横塚孝弘 
主題歌「記憶」 MISIA

http://www.tv-asahi.co.jp/iryu/



第5話 書きかけのカード
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中沢宗平(66歳)が人気のない工場跡地で殺害されて発見される。
貸しビルなどを展開する
中沢恒産の社長で、服の上からナイフを
刺されている事。そして腹部に刺された果物ナイフは、まるで自分の
手で刺したような圧迫痕が有ることから、自他殺の判別が付か
なかった。現場には26cm相当のスニーカーのゲソ痕が残されて
いた事から、他殺の線も否定できない。死亡推定時刻は昨日の
午後6時から8時。金目の物やカード類には手をつけられておら
ず、タバコがないのにライターを所持していることは不自然な
感じだった。携帯には死亡前に撮影した物と思われる自分撮り
の写真が一枚写っていた。また洋服の袖に付着物が有ることが
分かる。そして一枚のメモ紙がポケットから見つかり、そこに
は"友へ"と書かれたメッセージが残されている。しかし明らかに
その文字は女性が書いた物だと思われた。

中沢邸にいくと、息子の
公平が対応に出る。
妻・理恵、そして娘・茜の書いた文字と比較する為にノートを
借りる。公平によると娘は父・宗平の事を嫌っていたという。
父親に逆らえない自分に愛想を尽かして妻は出て行ったのだと
いう。
宗平の事を嫌っている人物は居たのか尋ねると、かなり敵が
居たらしい事を告げるが、父親とは別の仕事をしていたので
詳しいことは分からないとの事だった。
"友へ"と書かれたメモ紙を見せると、父親に友達が居たとは
とても思えないという。昔の知人は全て金目当てで会いに来る
と公言していたくらいだとの事だった。
そんな中、同窓会の手紙が届いていることを知る。
切手が貼っていないことから、直接幹事が届けたのではないか
という。幹事の男性は、
土屋友也という人物だった。

一方糸村は、
紀藤に頼み携帯電話の写真の解析を頼む。
すると写真には町屋湯と書かれた銭湯の煙突が写っていることが
分かる。

土屋友也邸にいくと、
妻・早苗が対応に出る。彼女によると
夫は三ヶ月前に工場の資金繰りが上手く行かずに自殺したとい
う。夫は昔の仲間からは友と呼ばれていたとの事だった。
亡くなる少し前に中沢の元に金を借りに行った事を知る。
金を借りられなかったが、とても嬉しそうにしていたとの事
だった。

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廃屋で見つかったナイフが突き刺さる中沢宗平の遺体。
果たして他殺なのか、自殺なのか。
遺留品の中から不自然なものを探り出し、それを解き明かして
いく。

ドラマは当人同士は意識していない訳だけど、自然と捜査一課
と科学捜査係の対決の構図になっていて、一課が捜査する前に
糸村が別の角度から同じ場所にたどり着いているという事実は、
捜査一課にしてみれば驚きのパターンとしてできあがっている。
完全に右京ら特命係と捜査一課の対決と同じだけどね。

一人の男の死によって、浮かび上がる友人の存在というのは
ネタとしては悪くなかった。

ただ音響から真相を突き止める捜査に於いて、それなりの時間
を要しそうな捜査を、かなり簡略化していてちょっと強引な
印象も有る。更に場所を特定した後に、現場に踏み込むところなど、
完全に科学捜査係の範疇を越えているし、護身術も心得ています
みたいな糸村の態度が、どうも鼻についてしまう。

他人の死によって今までの価値観の過ちに気がつくと言うより
も、末期癌による自分自身の死期を悟って改心するという辺り
も微妙といえば微妙なものが有るのかも知れない。

また展開途中で被害者は若者に殴られるシーンが有るにもかかわらず
その辺の顔の傷に関して、事件との関連性を疑っても間違いはない
のに鑑識が突っ込みを入れないところはかなり違和感だね。

孫と祖父の関係がなかなか良い感じで描かれているところは
せめてもの救い。茜役は誰なのかなと思っていたから水沢奈子
さんだった。そういえばCotton Candyを何処にやったかな・・

糸村聡 …… 上川隆也 (科学捜査係主査。警部補)
織田みゆき …… 貫地谷しほり (殺人捜査第1係、巡査部長)
曽根武雄 …… 佐野史郎 (殺人捜査第1係 係長。警部)
加賀美亨 …… 大杉漣 (捜査一課長)
横山恵一 …… 波岡一喜 (科学捜査係、巡査部長)
江藤奈津子 …… 水野真紀 (日本音響研究所、所長)
宮下晴彦 …… 螢雪次朗 (殺人捜査第1係)
富樫謙三 …… 伊藤正之 (殺人捜査第1係)
堂本治 …… 妹尾正文 (殺人捜査第1係)
村木繁 …… 甲本雅裕 (科学捜査係、係長)
大石鉄夫 …… 浅見小四郎 (科学捜査係、係長)

原元太仁、田中伸一、野口雅弘、室谷康博、崔哲浩、山森大輔

村上かず、大久保運、須川和洋、高橋伸輔、八巻博史
鬼頭真也


中沢宗平 …… 石田太郎 (66歳、貸しビル・中沢恒産)
中沢公平 …… 近江谷太朗 (夫、父に頭が上がらない)
中沢理恵 …… 中原果南 (妻、クリーニング店勤務)
中沢茜 …… 水沢奈子 (16歳、孫)
土屋友也 …… 仲野文梧 (夫、三ヶ月前に自殺)
土屋早苗 …… 寺田路恵 (妻)
山岡鎮夫 …… 遠山俊也 (45歳、早苗の弟)

吉川博史、藤沼茂人、松岡依都美、橋村琢哉、信太昌之
南一恵、横山祥二、仲野文梧、降矢由美子、おぎのきみ子
西野翔、岡野友信、大山颯大、堀内美希、國井亜里沙
てぶくろ


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