遺留捜査 (2011年4月期・テレ朝・水曜21時枠) 脚本：尾西兼一(1)(4)(5)、坂田義和、池上純哉(3)(7) 伊藤洋子(2)(6) 監督：猪崎宣昭(1)(2)(7)、麻生学(3)(4)、長谷川康(5)(6) ゼネラルプロデューサー：松本基弘 プロデューサー：三輪祐見子、丸山真哉・横塚孝弘  主題歌「記憶」 MISIA http://www.tv-asahi.co.jp/iryu/

第7話 すべて他人のもの
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江東区のトイレで男性の遺体が発見される。
遺体の手にはボタンが握られていた。犯人の上着からもぎ取った
ものなのか?
洋服に入っていた身分証から被害者は辻本勝利(45歳)かに
思われた。現金には一切手をつけられておらず、45歳の割には
少し老けているのではないか?と糸村は告げる。

遺体が安置されている亀戸署に、遺体を確認して貰うために
内縁の妻・大友優樹菜に確認して貰う。しかし服装は確かに
辻本本人の物だが遺体は別人だという。
辻本が経営していたバー・ラプソディは先月潰れているとの
事。しかし遺体から察するに工事現場などの屋外労働者では
無いか?と推察する。

ボタンを調べていくと本水牛の角のボタンだと判明し、衣服は
盗品だろうとの事。
検視医の堀内常人は、被害者の体内から凶器の一部を発見する。
村木に凶器の特定を頼む。
しかし他人の服を着ていた理由は一体何なのか?

そんな中、インターネットカフェで聞き込みしていると、
確かに服を盗まれた人物が居たという。しかしその男は警察に
は届け出を出さないと言っていたという。そこで名前を確認す
ると、服を盗まれた人物が辻本で、それを盗んだ人物で被害者
は坂上啓輔(50歳)だと判明する。犯人は服を盗まれた辻本が
坂上を殺害した物なのか?

坂上の実家を訪れると、妻・季代江と娘の郁恵がいた。
娘は結婚を控えており、夫の啓輔は7年前に失踪し、半年前に
死亡宣告の届けを出していることが判明する。
話を聞くと7年前に貿易会社に勤めており、担当していたプロ
ジェクトで損失を出し、夫の母親も亡くなった事が重なり、
四十九日の後に姿を消したとのことだった。
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殺された男性は盗んだ服を着ており、手には京都の老舗
テーラーのボタンを握っていた。身元が分からない中で、何故
盗んだ服を着ていたのか捜査していく。

失踪した父親の娘や家族に対する気持ちやら、そんな父親を
眺める妻子の心情などとても良くできているのだが、段取りの
段階で相当強引なこじつけをしていて、少々説得力を欠いた
話になった。

失踪した父親が娘の結婚を機会に、会いたいとする心情で心を揺さ
ぶられるという話はこの手の話では定番なのかもしれない。

生前の父親はどんな人物像だったのか。
盗みを働いたとする事実や家族を見捨てて家を飛び出したこと、
そして母親の態度を見るかぎりとんでもない人物像を想像するも、
徐々に家族思いの一面が現れ、全ての真相が明らかになる手順は
決して悪くはない。

ただ服を見ただけで他人と間違えられ、事件に巻き込まれてしまうと
いう辺りは相当強引なものがあるし、殺害が安易な形で起きている
感じがしてならない。

ナイフの破片から購入者を特定するのも相当難しい物があるだろうし
ボロボロのサイフの型から、鍵を特定していく所など相当
無理がありそうだ。

ただ今回は糸村が最後に死者の行動を予測して、生前被害者が
どういう意図で動いていたのかについては、これまでのドラマ
の中では説得力が存在していたかも知れない。

そして周りの人を上手く使い分けていく辺りも随分手慣れてきた感じ
がする。そしてそんな人たちとの関わり合いに於いて、余裕が出てきた
為か、そのやりとりにも面白さが生まれてきた。

前田亜季さんがなかなかの好演。
見ていて飽きない役者に成長したかなと思う。