遺留捜査
(2011年4月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本:尾西兼一(1)(4)(5)、坂田義和(8)、池上純哉(3)(7)
伊藤洋子(2)(6)
監督:猪崎宣昭(1)(2)(7)(8)、麻生学(3)(4)、長谷川康(5)(6)
ゼネラルプロデューサー:松本基弘
プロデューサー:三輪祐見子、丸山真哉・横塚孝弘 
主題歌「記憶」 MISIA

http://www.tv-asahi.co.jp/iryu/



第9話 空のマッチ箱
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目黒区のマンションの空き部屋で男性が刺殺されて見つかる。
死後一週間程度経っており、顔からでは判別できない状態。
首元に刃物により傷が確認され、死因はは出血性ショック死が
疑われる。
遺留品として、
マッチの空箱と、葛本工業と書かれたタオルが
落ちていた。また
レシートの裏に番号が書かれていた。取り
あえず指紋とDNAによる検査を行うことになる。

近所に聞き込みする。
隣人の
加藤典子は、変な人が引っ越してきたと思っていたと
いう。一方
大橋直子は、近隣の人たちは、被害者の事をみん
な怪しいと言っていたという。断りもなく公園で遊んでいる
子供達の写真を撮影していたとのことだった。

タオルに書かれている葛本工業を尋ねると、
香川恭史は、最近
従業員の中で
吉本孝一と連絡が取れていないという。刑事の
福岡渉は、身分証の提示もなしに雇い入れた事を非難するが、
吉本はトラブルもなくよく働く人物だったという。

近所のコンビニなどの監視カメラの映像を調べていくが、事件
は一週間の事なので当時の映像は残っていなかった。
糸村はマッチの箱に書かれていた
"喫茶安里"について調べる
中、レシートの裏の数字が宅配物のものである事に気がつく。

糸村は、写真の個展を開いている
笹本智子の元を尋ねる。
笹本は新人の頃に
川本藤兵衛賞を受賞していた。
宅配便は吉本から笹本に宛てられたものだった。笹本によると
送られてきたのは子供が写る写真とネガだという。吉本が誰
なのか分からないが年に数回送られてくるのだとの事だった。

そんな中、被害者の吉本はアスベスト肺に侵されており、
過酷な環境で仕事をしていた事が伺える。
捜査本部でこれまでの状況を報告が為されると、最近この界隈
では
婦女暴行事件が起きており警戒されていたと捜査員の一人
佐倉涼子が告げる。吉本の事を調べるが、偽名である事が分か
る。

そんな中、糸村は笹本に送られた写真を解析する。
写真に不審者らしき姿が映るが、ハッキリとは分からなかった。
そこで糸村は
覆い焼きを試みて、何が写っているのか調べる
事に。
一方、横山はDNA検査の結果、吉本は
7年前の殺人事件の被害者
の爪の中から出てきたDNAと一致することが判明していく。

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アパートの空き部屋で殺害されていた男性・桐原俊一は、7年
前の殺人事件の第一容疑者として逃走していることが分かる。
果たして彼を殺害していた人物は誰なのか。

三つの事件が複雑に絡み合った形で、未解決事件を一気に処理
する様な話だった。

被害者・桐原が写真を定期的に送りつけていた意味は果たして
何なのか。

遺留品を巡ってそれぞれのアイテムの意味合いを掴んでいく
所など、捜査の楽しさが上手く描かれているし、三つの事件
のそれぞれの真相を興味深く描いている。

糸村の語りは想像の域を超えていない事が多いのだけど、
今回はその裏付け的なものもキチンと描かれており、死者の
言葉を、何処に結んでいくのかが今回のポイントだった。

若干桐原と笹本の出会いのシーンを第三者である糸村が
詳細に知りすぎている所が気になる所だし、第三の事件である
過去の教授殺害事件に於いて、桐原が持っていたカメラ一つ
をもってその思いや当時の状況を的確に指摘しすぎるところは
有るけれど、ドラマとしても切なさの余韻を残しているし、
笹本の写真の一般的な評価が撮影者本人の精神的な状況によっ
て出来の善し悪しに影響されているところなど説得力がある。

ドラマを見ていると笹本が桐原の写真を無断に使っている
のではないかと思わせる所があったけどね。

このドラマも随分安定期に入った感じがする。

糸村聡 …… 上川隆也 (科学捜査係主査。警部補)
織田みゆき …… 貫地谷しほり (殺人捜査第1係、巡査部長)
曽根武雄 …… 佐野史郎 (殺人捜査第1係 係長。警部)
加賀美亨 …… 大杉漣 (捜査一課長)
横山恵一 …… 波岡一喜 (科学捜査係、巡査部長)
江藤奈津子 …… 水野真紀 (日本音響研究所、所長)
宮下晴彦 …… 螢雪次朗 (殺人捜査第1係)
富樫謙三 …… 伊藤正之 (殺人捜査第1係)
堂本治 …… 妹尾正文 (殺人捜査第1係)
村木繁 …… 甲本雅裕 (科学捜査係、係長)
大石鉄夫 …… 浅見小四郎 (科学捜査係、係長)

原元太仁、田中伸一、野口雅弘、室谷康博、崔哲浩、山森大輔

村上かず、大久保運、須川和洋、高橋伸輔、八巻博史
鬼頭真也

笹本智子 …… 馬渕英俚可 (写真家)
桐原俊一 …… 笠原秀幸 (27歳、偽名"吉本孝一")
香川恭史 …… 高橋克明 (葛本工業社員)
藤岡嘉一 …… 岸田真弥 (44歳、明成美術大・写真学科教授)
大島正樹 …… 高嶋寛 (直子の夫、裕美の父)
福田渉 …… 斉藤祐一 (刑事)
上野英明 …… 蒲田哲 (刑事、織田と共に捜査)
佐倉涼子 …… 山下裕子 (刑事、婦女暴行事件を追う)
神崎徹 …… 大鷹明良 (継続捜査班)
大橋直子 …… 李千鶴 (近隣住民)
加藤典子 …… 栗田桃子 (近隣住民)

大月秀幸、舘昌美、藤井杏奈、優美


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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