遺留捜査
(2011年4月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本:尾西兼一(1)(4)(5)(10)、坂田義和(8)、池上純哉(3)(7)
伊藤洋子(2)(6)
監督:猪崎宣昭(1)(2)(7)(8)、麻生学(3)(4)(10)、長谷川康(5)(6)
ゼネラルプロデューサー:松本基弘
プロデューサー:三輪祐見子、丸山真哉・横塚孝弘 
主題歌「記憶」 MISIA

http://www.tv-asahi.co.jp/iryu/



第10話 遺留品、紛失!!
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山崎善行(60歳)は、本日付で退職。署長の斎田修はそんな善行
に対して労いの言葉をかける。
帰宅すると
妻・芳江息子・悟から42年間ご苦労様として、
酒の
ぐい飲みをプレゼントされる。

その10日後、河川敷で善行は殺害される。
彼は
警務課留置管理係をしており、ずっと昇進せずに地味に
署内勤務をしていた人だという。斎田署長自らが現場へと
やってくる。
遺体には争った痕跡が有り、頭部を殴られたことによる内出血
が死因だった。死亡推定時刻は午後9時から11時。

糸村は善行が
就職情報誌を手にしていた事が気になる。
警察官ならば再就職も容易なはずだという。一方遺体の近くに
グローブが落ちていた。しかしそれが犯人のものなのかどう
かは特定できず、取りあえずDNA鑑定に出すという。するとそれ
を聞いていた斎田は、警察犬を導入して調べてくれないかと
告げる。無駄骨かも知れないがそれを恐れていてはダメだと
告げる。

善行の実家に行き、妻の芳江から話を聞く。
すると最近外出が多くなっており、二日前に招願寺に行ったと
聞いたとの事。
一方息子の悟に対して話を聞くが、彼は後妻の連れ子だとして
あまり善行とは話をしなかったという。警察の仕事は割に
合わないものだと語る。

刑事の一人・
多中は被害者の善行とは面識があった。
とても真面目な人だがお節介の過ぎる所が有り、署内では
浮いた存在だったという。刑事課に居た20年前の事を調べた
方が良いと言われる。

善行が担当した事件でその後も関係のあった
佐々木から話を
聞くと相変わらずお節介が過ぎる人で、若い奴がフラフラして
いる事を口にしていたとの事。
就職情報誌に有った印を頼りにガソリンスタンドにいくと、
アルバイトを求めに来た割には態度が大きかったという。
糸村は就職情報誌に印が付いたものは、全て年齢や経験が不問
である所に印が付いていることに気がつく。

そんな中、
招願寺の住職から善行が墓参りに来ていたことを
聞き、そこで40歳代の女性とその娘に対して土下座している
姿を目撃したという。モンタージュを作成すると、横山は
その人物が
江藤奈津子であることに気がつく。
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定年後に殺害された警察官の山崎善行。
彼はお節介が過ぎるほどに、前科のある人物などに声を掛けて
は、更生させようとしている姿があった。果たして殺害された
事との関連は有るのか。

ドラマ自体は実にオーソドックスな流れであり、捻りなどは
一切無かった。捜査線上に上がる人物以上に、斎田修署長と
加賀美が山崎と何らかの関わりが有り、一連の事件に於いて
もしかすると山崎殺しに一枚絡んでいて、20年前の事件の真相
を封じ込めようとして殺害に及んだのではないかと思わせる
ものが有った。

ドラマとしては何故山崎が人に対してお節介ブリを発揮して
いるのかという事。元々の性格ならばまだしも、変わった
のは20年前の事件の後であり、仕事にかまけて家族を蔑ろに
している部分が有るのではないかというものが、息子の態度
から伝わってくる。しかし実際には息子との関係に於いては
直接的な血の繋がりがないとの事で、その辺の違和感は面白い
アクセントとして存在した。

全ての山崎の行動の先には20年前の事を意識したものが有り、
上手く最終話に向けた地均しが行われている。

糸村の役割も今回は実にスタンダードで、これまでの流れの
中では一番彼のセリフの中に、捜査過程で掴んだ情報を元に
して、死者の事を代弁する彼の姿があったと思う。
今までの糸村の最後の役割は、何処で掴んできた情報なのか
とか、想像力が豊かすぎるだろうという所があったが、今回
のセリフの殆どは裏打ちされたものが有った。

さて最終話では銀のスプーンの謎が明らかにされていくのか。

糸村聡 …… 上川隆也 (科学捜査係主査。警部補)
織田みゆき …… 貫地谷しほり (殺人捜査第1係、巡査部長)
曽根武雄 …… 佐野史郎 (殺人捜査第1係 係長。警部)
加賀美亨 …… 大杉漣 (捜査一課長)
横山恵一 …… 波岡一喜 (科学捜査係、巡査部長)
江藤奈津子 …… 水野真紀 (日本音響研究所、所長)
宮下晴彦 …… 螢雪次朗 (殺人捜査第1係)
富樫謙三 …… 伊藤正之 (殺人捜査第1係)
堂本治 …… 妹尾正文 (殺人捜査第1係)
村木繁 …… 甲本雅裕 (科学捜査係、係長)
大石鉄夫 …… 浅見小四郎 (科学捜査係、係長)

原元太仁、田中伸一、野口雅弘、室谷康博、崔哲浩、山森大輔

村上かず、大久保運、須川和洋、高橋伸輔、八巻博史
鬼頭真也


斎田修 …… 長谷川初範 (署長)
山崎善行 …… 鶴田忍 (60歳、元巡査長・定年)
山崎芳江 …… 前沢保美 (妻)
山崎悟 …… 橋爪遼 (息子)
江藤隆義 …… かなやす慶行 (奈津子の兄、弁護士)
高見杏子 …… 岩橋道子 (隆義の妻、拘置所で自殺)
江藤美佐 …… 金澤美穂 (隆義の娘、現奈津子の娘)
大田進 …… 千代将太 (寿司屋)
田代 …… 春田純一 (刑事)

関秀人、白石朋也、江藤漢斉、犬山ヴィーノ、清水一彰
濱田真和、小野原稔、松澤仁晶、浜近高徳、阪本篤
辻内南季、佐竹美緒


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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