IS 〜アイエス 男でも女でもない性
(2011年7月期・TV東京・月曜22時枠)

脚本:寺田敏雄、岩村匡子
プロデューサー:中川順平、森田 昇、山田大作
チーフプロデューサー:岡部紳二
演出:藤尾 隆、池澤辰也、森田 昇
音楽:白石めぐみ
オープニング:想色コーディネート(九州男)
エンディング:パーソナルCOLOR (Hilcrhyme)

http://www.tv-tokyo.co.jp/is/





第1話 親が子供の性別を決定する!?究極の選択
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星野春は3月まで男子として中学に通っていたが、4月からは
女性として高校に通う。彼女は性同一性障害とは違う男性とも
女性とも言えない状態だった。

入学式の日、春は
母・陽子に対して絶対に入学式には来るな
と念を押す。スカートに履き慣れていない春は、間違えて履い
てしまい、
妹・夏たちに笑われる。
父・太郎は入学の祝いだとして、朝ご飯に特製のケーキを作っ
てくる。春は入学式に両親に来て欲しいけれど、必ず後で
笑いのネタにされる事を恐れて来させなかった。

16年前、
"星のケーキ"という店を経営していた太郎と陽子。
妊娠中だった陽子はついに産気づき、
緑が丘総合病院へと向か
う。出産は難なく終わるが、なかなか医師達が赤ちゃんと対面
させてくれない事を不振に感じる。しかも性別さえ教えてくれ
ない事に違和感を覚える。やがて
看護師の真希がやってきて、
医師の岡村と話をする。すると子供は外から見て男女の判別が
難しい、ISと言われる状態
だという。4500人に一人とか2000人
に一人とか言われる病気で、見た目だけではハッキリと性別が
区別できない状態で生まれてきたのだという。その上で両親に
性別を決めて欲しいという。原因についてはまた研究が始まった
ばかりで分かっていないとし、この病気の一番の問題は、世の中
の無理解と偏見であるとし、そういう視線と今後は戦っていか
ねばならないと言われる。大抵はすぐに外科的手術をして
性器を治し、ホルモン注射を打ち続けることになるのだという。
陽子は一体何がいけなかったのかとして涙する。

太郎は両親に子供が生まれたことを話したが、性別に付いては
取りあえず話せなかったという。でもとても嬉しそうにしてい
たとの事。
陽子はなかなか赤ちゃんを抱くことが出来ず、ようやく抱こう
とするが、母乳が出てこなかった。真希は初産ならばよく有る
事だと慰めるが・・・

しかし太郎と陽子は、4500人に1人の割合ならばそんなに少ない
数字ではないとして、岡村医師に頼んで同様のケースの親に
会わせてくれないか?と頼む。しかし日本には確かに3万人
程度のIS患者がいるが、そんな多い数字でも世間に知られて
いないのは、そんなデリケートな悩みを他人に話したがらない
からだという。大抵はすぐに外科的手術をして隠し通して
生きているのだという。だからなるべく早くに性別を決めて
手術して欲しいと告げる。

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春は男性とも女性とも言えない状況で生まれてくる。
精巣と卵巣が体内に有る中で、精巣が腸に絡み危険な状況だった
故にそれを取り除いて女性としての人生を歩ませようとするも、
春は男性のようにして成長していく。

今年から新設されたテレ東のこの時間帯のドラマ枠は、とても
良くできたドラマが多いけれど、どうもテーマを見ると常に
辛気くささが存在していて、ある種その時代に於ける問題ばか
りを追いかけようとしている所が逆に視聴者を敬遠していそう
な感じもする。
時代とかクソ喰らえの普遍的なテーマの元で描かれている
韓国ドラマが好評なご時世である事を考えると、常に時代性を
反映させているNHKのドラマとか、テレ東のこの枠のドラマとか、
なかなか視聴率とは直結しなさそうだ。

男性とか女性とか、まさに性を意識する内容で、彼女の本当の
事情を知ったときに、彼女の周りにいる人たちに及ぼす影響
やらリアクションがどうなのかとか、恋愛や友情関係に
於ける感情のヤリ処がその事実によってどう変化していくの
かなど、考えていくだけでなかなか難しいものがある。

エロゲーとかエロ漫画の世界ではよく有りそうなシチュエーシ
ョンで、ドラマなどで描くと、男性の世界、女性の世界を
体験できて主人公にある種の妄想世界を投影していく事になる
けれど本人にとっては相当ストレスを感じる様な世界なんだ
ろうね。

インターネットの世界なんかだと、男性器と女性器が混在する
様な画像は幾らでも見つけることが出来るし、殆ど好奇な目
で晒されることになるけれど、本人や家族にとってどんな
苦悩が待っているのか。

ドラマ「チャレンジドで見せたように、春を支える家族の
存在がとても前向きで有り正直であるところに今の彼女の姿
が有るのだろうし、好感が持てるところ。春の体をネタにして
笑いに転化しているところなんて、有る意味凄いところかも。

初回故に春が誕生し、現在に至るまでが描かれたけれど、
高校で出会った相原美和子という人物が果たしてどんな役割
を果たすのか。春の幼なじみである礼音と春の関係を知って
ドラマ「アスコーマーチ!の剛力彩芽さんの様に、一度は
彼女を傷付けて、そしてそんな美和子の心の傷を知って
暖かく包み込んでいくのか。

当面は春が心とは逆に女性らしさを感じていくことに違和感
を覚えていく内容となりそうだし、何処でどんなタイミングで
誰によって春の事情が知られていくのかが一つのポイントと
して描かれていくだろうから、そんな展開をビクビクしながら
も、春のキャラクターに期待して見守っていくことになるのか
な。

星野春 …… 福田沙紀 (ISな高校生)
星野太郎 …… 高橋ジョージ (父、パティシエを目指していたが)
星野陽子 …… 南果歩 (母)
星野夏 …… 山谷花純 (春の妹)
相原美和子 …… 剛力彩芽 (白咲高校)
相原直子 …… 西田尚美 (美和子の母)
相原賢一 …… 西村雅彦 (美和子の父)
伊吹宗一 …… 大杉漣
伊吹憲次 …… 井上正大
齋藤礼音 …… 入江甚儀 (春の幼なじみ)


宮原和江 …… 丘みつ子 (陽子の母)
武雄 …… 勝部演之 (太郎の父)
節子 …… 泉晶子 (太郎の母)
岡村 …… 山本圭 (小児科・医者)
有希 …… 小林綾子 (看護師)
小宮山啓二 …… 森下哲夫 (校長)

工藤和馬、若野夢真、多田煌琉、粟野莉子、大西翼、山田蓮二
相澤直也、二宮直子、藤尾奈々果、大下聖織、菅原陽仁
高浜小路、吉田美輝


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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