JIN 〜仁
(2011年4月期・TBS・日曜21時枠)

原作:村上もとか
監督:平川雄一朗、山室大輔、川嶋龍太郎
制作:石丸彰彦、津留正明
脚本:森下佳子
音楽:高見優、長岡成貢

http://www.tbs.co.jp/jin-final/



第2話 未来との選択
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仁友堂は仁の指導によって脚気に効くとする餡ドーナツを作る。
その評判を受けて奥医師の
松本良順から、仁に対してある人が
脚気の薬を献上して欲しいと言われているという。良順は仁に
耳打ちするようにその相手は、
皇女和宮だという。田之助
芝居に見に来るのでその時食べさせたいとの事だった。

一方福田は漢方医学館の督事で幕府の奥医師でも有る、
多紀元
タン
から呼び出しを受け、仁の活躍に危惧する彼は福田から
その流れを阻止する様圧力をかけられる。

仁は仁友堂の医師達に、餡ドーナツの事を幕府に献上する話が
出ていることを話すと、一同盛り上がる。しかし仁は松本に
レシピを渡せば済むことではないかと告げると、福田も同調し
大奥は厄介な所なので関わらない方が良いと告げる。

咲は仁がこの快挙に対して浮かない顔をしている事が気になり
尋ねる。すると自分のような立場で大奥に入る事が本当に良い
事なのか。身元も証せず、いつ消えるとも分からない自分が
関わることが良いことなのかと語る。

神戸の海軍操練所では勝と龍馬が話し合っていた。
もうすぐこの場所も潰されてしまうかもしれない事。
ここを頼りにして田舎を出てきたものにとって帰るべき故郷
など無い事が懸案となっていた。

仁友堂では薩摩藩からもらった多額の治療費を、全て仁友堂で
使用する医療器具代で相殺されてしまう。ここで働く医師達
にはまともに給料さえ払ったことが無く、インシュリンは
濱口頼みであることに済まない気持ちで一杯だった。
アンドーナツが御用達になれば、その問題も解消されるかも
しれないが、あまり歴史上の重要人物に関わりすぎているので
はないかと不安を覚える。自分はこの江戸の土地で骨を埋める
べきなのか決心が付かずにいた。

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次々と治療法が確立されていない病気を治していく仁。
しかしそんな活躍とは裏腹に、仁友堂では資金不足によって
なかなか立ち行かない状況が訪れていた。そんな中、転機とな
るべき、脚気の薬として開発した安道名津が奥医師の耳にも
入り、和宮皇女の治療薬として献上して欲しいと頼まれる。
しかし何者かによって、それを阻止する流れが出てくる。

日本人気質なのか、それとも人間が本来持つ性格なのかは分か
らないけれど、目立つものには蓋をしたり杭を打たれる事で
仁たちの前に見えない壁が立ち塞がるというもの。この場合
自らの地位を懸念した、同じ医師による仕業という事なのかな。

ドラマとしてトラブルを演じながらも仁の力を誇示しつつ、
物語を進めるのだからなかなか上手くできている。
胃洗浄的概念をこの時代に持ち出した仁。
でもヒ素を胃洗浄如きで取り除くことは可能なのか。

問題はヒ素を混入したのが誰なのかという事。
一見すると福田が命じられて起こした行動だけど、真っ当な
医師が食べ物の中に混入する事など出来るのか。
寧ろお茶碗が強調されていたのでそっちに入っていたのでは
無いかという気がする。

野風が嫌な口を叩いて出て行く行動も有る意味分かりやすい
形では有ったが、牢名主を倒したのも野風が何らかの毒を
牢名主に食べさせたのだろうか?

ドラマでは相変わらず未来への影響力を考え、仁が足踏みする
する光景が見られる。咲の貢献度に対して、それがなかなか
報われない事へのもどかしさがドラマとして切なく写るね。

色んな歴史上の人物が登場する中で、皇女の艶やかさと共に
そんな彼女の境遇に自分の姿を重ねる仁の姿が印象的だった。

南方仁 - 大沢たかお (外科医)
友永未来 / 野風 - 中谷美紀 (吉原の元花魁)
橘咲 - 綾瀬はるか (旗本橘家の娘)
橘恭太郎 - 小出恵介 (徳川旗本の剣客の武士)
佐分利祐輔 - 桐谷健太 (華岡流の若き医師)
山田純庵 - 田口浩正 (西洋医学所勤の蘭方医)
橘栄 - 麻生祐未 (恭太郎と咲の母)
勝海舟 - 小日向文世 (江戸時代末期の武士)
坂本龍馬 - 内野聖陽 (土佐藩出身、脱藩し志士として活動)
喜市 - 伊澤柾樹 (枝豆とゆで卵を売っている少年)
茜 - 橋本真実 (浅草の茶屋の看板娘)
松本良順 - 奥田達士 (西洋医学所頭取助)
浜口儀兵衛 - 石丸謙二郎 (江戸で醤油工場を経営する実業家)
多紀元タン - 相島一之 (奥医師(漢方医)。医学館督事)
福田玄孝 - 佐藤二朗 (奥医師を辞して仁友堂の漢方内科医)
八木 - 斉木テツ (医学所学生)
横松 - 中江大樹 (医学所学生)
澤村田之助 - 吉沢悠 (芸人)
新門辰五郎 - 中村敦夫 (江戸火消し「を組」を束ねる人物)


皇女和宮 - 黒川智花 (仁孝天皇の娘で将軍徳川家茂(14代)の正室)
佐久間象山 - 市村正親 (大怪我、10歳の頃未来へ)
御年寄 - 伊藤かずえ (江戸城大奥女中)
牢名主 - 宇梶剛士 (牢獄の親分)

佐藤蛾次郎、岩田丸、内藤トモヤ
瀬戸将哉、岡田明香、緒口幸佑、加藤照男、今里真
中野マサアキ、中脇樹人、河原健二、剣持直明、小島康志


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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