JIN 〜仁
(2011年4月期・TBS・日曜21時枠)

原作:村上もとか
監督:平川雄一朗、山室大輔、川嶋龍太郎
制作:石丸彰彦、津留正明
脚本:森下佳子
音楽:高見優、長岡成貢

http://www.tbs.co.jp/jin-final/



第3話 さらば愛しき人
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仁は、皇女和宮の毒殺嫌疑が掛けられて投獄され、牢名主の
指示によって殺害されそうになるが、そんな牢名主が突然不調
を訴え倒れる。耳の中に油を垂らして治療する仁。

その頃、恭太郎と勝の元に行くと、仁に毒殺の容疑を掛けられて
いる事を板倉周防守からの話で聞いて伝える。幕府としては
極秘裏に問題を解決したいが為に、このまま仁と咲に罪を着せ
たまま処分するかもしれないという。勝は京に一人力になって
くれる人がいるとして恭太郎に上京して欲しいと頼む。

仁は牢獄での実態を徐々に知る。
牢名主を筆頭に、添役、穴の隠居、隅の隠居、五器口番、そして
最下層に平因人
と・・。大方の位は、畳の数で分かる。平因人
ともなると24時間座ったまま眠るしかなかった。

そんな中、仁の為に誰ががツルを牢名主の元に届けに来ると
仁は添役に昇格する。しかし仁はそれを断ると、牢名主は突然
平因人たちに仁を襲うよう命じる。しかし平因人たちは、これ
以上人殺しは嫌だとして、逆に牢名主を襲い始める。
一人の囚人が牢名主の胸を突くと、それだけで心肺停止で倒れ
てしまう。心室頻脈で有ることを知った仁は、心臓を思い切り
叩き、人工呼吸して蘇生を行う。それを見た牢獄の人たちは
みんな仁の前にひれ伏して、仏だとしてあがめる。
牢獄での死は回避されるが、しかし依然として仁に対する嫌疑
は晴れず、殺害される可能性は高かった。

龍馬たちは、薩摩藩から慶喜公へ、仁の功績が伝わっている
はずなのに何故幕府が仁の殺害を決行しようとしているのか
理解出来なかった。恭太郎は龍馬の元を尋ねると、そこに
慶喜公の妾の父である
新門辰五郎がやってくると、仁の現状を
知りお上はどうかしているとして激怒する。

そんな中、医学所が検査の結果を発表する。良順は利祐輔たち
に、ヒ素が検出されたのは、仁が持って行った餡ドーナツで
有ったことを告げる。幕府としては表沙汰にしたくない為に
処刑される事は止められそうにないことを語る。

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何者かの策略によって仁と咲は牢獄に入れられてしまう。
牢名主によって命を狙われるも、助ける事で信頼を得て牢獄
での地位は格段に上がるが、嫌疑は晴れず、医学館が出した
結論によって、仁は絶体絶命を迎える。

それなりに及第点を上げられる出来ではあるのだけど、少々
感動やら劇的な展開というのが影を潜めている印象が有る。
多紀が解明のために積極的な役割を果たした辺りはサプライズ
感は有るも、福田に指示した事も含めて、結局何だったのか
という感じは否めない。

また誰が助けるのかという事に於いても、口添えする人物の
動きがちょこまかと有るだけで、江戸町奉行の遠山の金さん
みたいな圧倒的なカタルシスを持つ人物によって解決しない
辺りも少々さっぱり感がない。

野風とルロンの関係も何だか都合良く野風退出のために出て
来た感じがするし、仁の晴れない心情は永遠に繰り返され、
一話の段階で決意した事に、まだ三話に於いても同じ悩みで
苦悩している印象がある。

仁からは告白しない方が良かったかな。
この二人の関係は、思わせぶりな感じを永遠の引っ張った方が
個人的には良かったかも。
未来に戻ることへの希望は決して忘れてはいけない事で、
咲を取った事でその信念が砕かれたように感じる点はちょっ
ぴり残念だった。
戻れるかどうか分からない先のことよりも、今を生きる事の
主張は分からないでもないけどね。

南方仁 - 大沢たかお (外科医)
友永未来 / 野風 - 中谷美紀 (吉原の元花魁)
橘咲 - 綾瀬はるか (旗本橘家の娘)
橘恭太郎 - 小出恵介 (徳川旗本の剣客の武士)
佐分利祐輔 - 桐谷健太 (華岡流の若き医師)
山田純庵 - 田口浩正 (西洋医学所勤の蘭方医)
橘栄 - 麻生祐未 (恭太郎と咲の母)
勝海舟 - 小日向文世 (江戸時代末期の武士)
坂本龍馬 - 内野聖陽 (土佐藩出身、脱藩し志士として活動)
喜市 - 伊澤柾樹 (枝豆とゆで卵を売っている少年)
茜 - 橋本真実 (浅草の茶屋の看板娘)
松本良順 - 奥田達士 (西洋医学所頭取助)
浜口儀兵衛 - 石丸謙二郎 (江戸で醤油工場を経営する実業家)
多紀元エン - 相島一之 (奥医師(漢方医)。医学館督事)
福田玄孝 - 佐藤二朗 (奥医師を辞して仁友堂の漢方内科医)
八木 - 斉木テツ (医学所学生)
横松 - 中江大樹 (医学所学生)
澤村田之助 - 吉沢悠 (芸人)
新門辰五郎 - 中村敦夫 (江戸火消し「を組」を束ねる人物)

皇女和宮 - 黒川智花 (仁孝天皇の娘で将軍徳川家茂(14代)の正室)
佐久間象山 - 市村正親 (大怪我、10歳の頃未来へ)
牢名主 - 宇梶剛士 (牢獄の親分)


深水三章、佐藤蛾次郎、岩田丸、瀬戸将哉、剣持直明、
ジャンルイ・バージュ、中脇樹人、今里真、長谷川公彦、
中野マサアキ、唐沢民賢、河原健二、天野勝弘、加藤照男
佐助、古澤蓮


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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