JIN 〜仁
(2011年4月期・TBS・日曜21時枠)

原作:村上もとか
監督:平川雄一朗、山室大輔、川嶋龍太郎
制作:石丸彰彦、津留正明
脚本:森下佳子
音楽:高見優、長岡成貢

http://www.tbs.co.jp/jin-final/



第6話 坂本龍馬の闇
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1866年6月。
仁は松本良順の紹介で、ペニシリンを広めるために全国で講義
をしていた。
仁は長崎の精徳館で講義を行う。しかし真剣に話を聞いていた
のは
岡田という医師だけ。
ここで講義を聞いているのはオランダ人医師・
Dr.ボードウィン
の門下生で、仁の情報の信憑性を疑っていたのである。
ボードウィンは仁に対して、何処の外国で学んできたのか?と
問うも外国では学んでいない事を告げる。すると我々が知らない
医術を知っている訳がないとして不信感を抱かれ、その生徒たち
にも影響を与えていた。

長崎に来たのは龍馬との連絡が付かず、現在長州に滞在してい
る為に逢える可能性が有ると思ったからだった。なんとかして
暗殺の事実を伝えたいと考えていた。

そんな中、仁は龍馬と再会する。仁は大喜び。
しかし龍馬は
Mr.グラバーが突然目の下を斬りつけられたとして、
治療を求めにボードウィンの元を尋ねたのである。
ボードウィンは仁に診察する様告げる。
仁は目の下の切れ方から、
涙小管が断絶している事を告げる。
治せないことはないが、
シリコンチューブの無い世の中では
涙小管を繋げた際に
癒着する心配を防ぐ手だてがなかったので
有る。ボードウィンは素性が明かせないのであれば、腕を
見せるしかないとして、仁に治療するよう求める。

仁は拡大鏡を用意させ、そして明かりとして
無尽灯を用意して
もらう。針金を涙小管に通すと縫い合わせることにする。それ
を見たボードウィンは仁の医療技術がハッタリではないとして
協力してくれることになる。

仁は龍馬の元に行くと東と一緒にいることを目撃する。
長州の命令で護衛して貰っているのだという。仁は話をしよう
とするが龍馬は忙しくなかなか話す機会が得られない。

トーマス・グラバー邸に仁は赴くと、そこにも龍馬がやって
くる。仁は龍馬がグラバーから
銃を密輸して、長州の民衆に
配布していたのである。
仁と龍馬はそこで記念写真を撮る。

丸山花月で龍馬は仁と飲みながら会話する。
西洋では型落ちの銃を手に入れて売る事で儲けている事を知る。
一方仁はペニシリンについて粉末化したが持ち運びには適さず
やはり、各地で製造所を作りたい事を語る。
保険について仁は龍馬に説明する一方、龍馬の暗殺について
話をしようとするが突然頭痛によって話が出来なくなる。

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ペニシリンを普及させようとして全国を飛び回る仁は、長崎で
龍馬と再会する。彼は倒幕の為に銃を密輸し、農民達に銃を
伝えてこれからの時代は武士だけが実権を握る時代では無いこ
とを証明していく。しかしそれを見た仁は、違和感を覚えてい
く。

時代の渦に飲まれている人たちが迷走しながらも、日本という
国を良くしようとして奔走する。

色々と方法論が有って然るべきものが有るけれど、目的のため
には何処まで小さな悪を見過ごしていくのか。
人が改革を起こすときには当然のようにして持ち上がる疑問点
を上手く仁と龍馬の中で葛藤として浮かび上がらせる。

仁は医師としての立場から、どうしてもその主張は綺麗事のよ
うに感じてしまうし、かといって龍馬の主張も名目というもの
に胡座をかきながら非情な事をしていないかどうかの葛藤を
与える。自制を促すような仁の主張が有ってこそバランスという
ものが保てる物だろうし、なかなか上手くその辺の綱引きが
行われている。

仁の医療の手腕も見せ場として魅せる前半部は、それだけで
見応えがあったし、出来るはずはないと思っている人たちの
気持ちを覆すに値する仁の医療技術の優位性は、相変わらず
見ていて楽しい。

時代の整合性とファンタジーの駆け引きもバランスよく描かれ
ているし、今回はこれまでとは違い激動の時代を描いた側面
も多く、また違った感じで見ることが出来た。

またこのドラマの良さは人々の繋がりが上手く機能している
所である。
龍馬と東の繋がりはもちろん、今回桂小五郎が久坂からの
伝達によって仁の事を受け入れていく描写があった。

南方仁 - 大沢たかお (外科医)
友永未来 / 野風 - 中谷美紀 (吉原の元花魁)
橘咲 - 綾瀬はるか (旗本橘家の娘)
橘恭太郎 - 小出恵介 (徳川旗本の剣客の武士)
佐分利祐輔 - 桐谷健太 (華岡流の若き医師)
山田純庵 - 田口浩正 (西洋医学所勤の蘭方医)
橘栄 - 麻生祐未 (恭太郎と咲の母)
勝海舟 - 小日向文世 (江戸時代末期の武士)
坂本龍馬 - 内野聖陽 (土佐藩出身、脱藩し志士として活動)
喜市 - 伊澤柾樹 (枝豆とゆで卵を売っている少年)
茜 - 橋本真実 (浅草の茶屋の看板娘)
松本良順 - 奥田達士 (西洋医学所頭取助)
浜口儀兵衛 - 石丸謙二郎 (江戸で醤油工場を経営する実業家)
多紀元エン - 相島一之 (奥医師(漢方医)。医学館督事)
福田玄孝 - 佐藤二朗 (奥医師を辞して仁友堂の漢方内科医)
八木 - 斉木テツ (医学所学生)
横松 - 中江大樹 (医学所学生)
澤村田之助 - 吉沢悠 (芸人)
新門辰五郎 - 中村敦夫 (江戸火消し「を組」を束ねる人物)


東修介 - 佐藤隆太 (長州藩士、龍馬の護衛)
三吉慎蔵 - 平畠啓史 (長州藩士、龍馬の護衛)
田中久重 - 浅野和之 (久留米藩製造所・裁判役)
桂小五郎 - 山口馬木也 (長州藩士)
恭太郎の上役 - 中原丈雄 (龍馬監視を命じる)
板倉伊賀守 - 河野洋一郎 (江戸幕府・老中)
ボードウィン - グレッグ・デール (オランダ医師)
トーマス・グラバー - ウィル・ゲラック (貿易商)


須田邦裕、飛田敦史、永友イサム
ジャンルイ・バージュ、畠中正文、桧山あきひろ、柳橋朋典
渡辺慎平、大迫一平、たなべ勝也、高松克也、佐藤邦洋
マコト、ルネ・ボスマン、ジェフワス・テイラー、マーク・チネリ


評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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