JIN 〜仁
(2011年4月期・TBS・日曜21時枠)

原作:村上もとか
監督:平川雄一朗、山室大輔、川嶋龍太郎
制作:石丸彰彦、津留正明
脚本:森下佳子
音楽:高見優、長岡成貢

http://www.tbs.co.jp/jin-final/



第8話 歴史に逆う命の誕生…
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仁は龍馬がいつ暗殺されるのか。未来の言葉を頼りに何とか
思い出そうとするが、大政奉還から明治に入るまでの寒いイメ
ージの時だと朧気に感じていた。暗殺は今年の終わりから
来年の初め頃ではないかと推察。
幕府軍の動きを察して、龍馬からの手紙を全て焼却する。
そして新たに仁は龍馬のために、暗殺の危険が迫っている事を
手紙に書いて送るのだった。

咲は福田から産婆を紹介して貰い、野風の出産に向けて準備を
進める。恐らくこのまま順調にいけば出産は10月だった。
今すぐにでも龍馬を捜していきたいが、それ程のリスクを
負うことは出来なかった。

1867年・秋。
仁友堂に長崎で出会った
田中久重から小包が届く。
中には電球が入っており、ついに仁が頼んでいた物が完成
していた。これで随分光源が集まり、手術に於いては役に立つ
という。

仁は歴史の修正力について、自分の行動が歴史を少し変える
ことで悪くなったりしないかと心配していた。しかし例え
それが変わったとしても仁自身の望みは変わらない物ではな
いか?と咲に言われる。それを聞いて仁は
龍馬が暗殺されない
歴史を作る
と決意する。

その頃京都にいる龍馬は、大政奉還の動きを注視していた。
土佐藩が大政奉還の事を徳川に建白する事になる。

仁たちは野風の診察をする。母子共に順調。恐らく月末に
出産になるという。
そんな中、仁は
良順に呼び出されて彼の元に行くと、奥医師
にならないか?と言われる。殿様には貸しがあるはずで、
それを断り龍馬と手を組んでいれば、倒幕勢と思われるかも
しれない事を言われる。
帰り際に仁は、現奥医師の
三隅俊斉と逢う。仁のお陰で
誤った道を歩まずに済んだと言うが・・・

そんな中、野風のお腹の子が
逆子だと判明する。
このままだと危険なので、出産までに戻したいという。
もしもの時は帝王切開ではダメなのか?と問われるが、仁友堂
麻酔ではお腹の子は耐えられない事を告げる。

京都の永井玄番頭の屋敷に行く龍馬。
その帰りに薩摩藩の
大久保一蔵たちに呼び出され錦小路の
薩摩藩邸へといく。そこで
西郷たちから裏切るつもりなのか?
と問われるが、龍馬はこれはあくまで茶番であることを告げる。

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徳川慶喜による大政の奉還が近付く中、主導権を争うように
して、薩摩藩や土佐藩の思惑が絡み合う。龍馬はなんとか
武力での政権交代ではなく、平和的解決によって国をまとめて
行きたいと願うのだが・・・

相変わらず歴史を変えることに違和感を覚えている仁。

マインスイーパの如くそこかしこに地雷が仕掛けられていて、
仁が恐る恐るそれを踏むまいとしようとするのが無駄なくらい
爆発しまくる様な流れだった。

大政奉還や龍馬暗殺に於いて、既に歴史が証明していること
もあり、やや緊迫感は失われている物の殺伐とした時代なので、
それぞれの思惑が交錯する中で、いつでも切り捨て御免の
世界感が有り、楽しむことが出来る。
特に東の思惑だったり、三隅辺りの役割は、ドラマとしての
スパイスとしては十分な存在感がある。

出産に於いては痛々しさの連続。
描写自体もリアルなものが有ったけど、命の駆け引きがあり
なかなか見応えがあった。
気管に詰まった羊水を取ろうとして逆さにして尻を叩きまく
っていたが、ここでも咲の頼もしさが光っていたし、時空を
越えた恋のライバルを相手の出産を手助けするという不思議な
関係が面白く写る。

南方仁 - 大沢たかお (外科医)
友永未来 / 野風 - 中谷美紀 (吉原の元花魁)
橘咲 - 綾瀬はるか (旗本橘家の娘)
橘恭太郎 - 小出恵介 (徳川旗本の剣客の武士)
佐分利祐輔 - 桐谷健太 (華岡流の若き医師)
山田純庵 - 田口浩正 (西洋医学所勤の蘭方医)
橘栄 - 麻生祐未 (恭太郎と咲の母)
勝海舟 - 小日向文世 (江戸時代末期の武士)
坂本龍馬 - 内野聖陽 (土佐藩出身、脱藩し志士として活動)
喜市 - 伊澤柾樹 (枝豆とゆで卵を売っている少年)
茜 - 橋本真実 (浅草の茶屋の看板娘)
松本良順 - 奥田達士 (西洋医学所頭取助)
浜口儀兵衛 - 石丸謙二郎 (江戸で醤油工場を経営する実業家)
多紀元エン - 相島一之 (奥医師(漢方医)。医学館督事)
福田玄孝 - 佐藤二朗 (奥医師を辞して仁友堂の漢方内科医)
八木 - 斉木テツ (医学所学生)
横松 - 中江大樹 (医学所学生)
澤村田之助 - 吉沢悠 (芸人)
新門辰五郎 - 中村敦夫 (江戸火消し「を組」を束ねる人物)


東修介 - 佐藤隆太 (長州藩士、龍馬の護衛)
三吉慎蔵 - 平畠啓史 (長州藩士、龍馬の護衛)
田中久重 - 浅野和之 (久留米藩製造所・裁判役)
桂小五郎 - 山口馬木也 (長州藩士)
恭太郎の上役 - 中原丈雄 (龍馬監視を命じる)
鈴屋彦三郎 - 六平直政 (吉原の)
ジャン・ルロン - ジャンルイ・バージュ (野風の夫)
後藤象二郎 - 宮川一朗太 (土佐藩参政)
中岡慎太郎 - 市川亀治郎 (土佐脱藩浪士)
大久保一蔵 - 眞島秀和 (薩摩藩)
西郷吉之助 - 藤本隆宏 (薩摩藩)
三隅俊斉 - 深水三章 (奥医師)
板倉伊賀守 - 河野洋一郎 (老中)
徳川慶喜 - 大治幸雄 (第15代征夷大将軍)

中松俊哉、石原和海、佐久間祐人、森富士夫
河野安郎、小谷馨、今本洋子、古木ショーン優斗


評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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