土曜ドラマスペシャル 神様の女房
「“経営の神様”松下幸之助と妻の波乱の半生を描く〜」

原作:高橋誠之助「神様の女房」
脚本:ジェームス三木
音楽:住友紀人
監督:黛りんたろう

http://www.nhk.or.jp/dodra/dodrasp/index.html#d1





第2話 松下幸之助と妻の物語・決意の独立そして苦難の歩み
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大阪電燈では自分のしたいことが出来ないと考え、幸之助は
むめのの後押しもあって独立する事を決める。

大正6年、淡路島からむめのの弟・歳男を呼び寄せ従業員の
一人として働かせる事に。林伊三郎は織物のプロであり、ソ
ケットの製造の仕方を教わっていく。
今まで松下家が住んでいた小さい借家を改造してそこを工場に
する。
いよいよ第一号機が完成する。早速幸之助は営業としてソケッ
トを売り込みに行くが、反応は良くなかった。
次々と回るが逆にしつこいとして嫌がられ、川北電気の社長
からは商品としての目新しさに欠け、色気が足りないのだと
言われる。地味すぎるためにもっと作り手の愛情を込めること
が必要だという。
それを聞いて幸之助は、商いの根本は人を喜ばせることだと
感じる。

出向して指導して貰っている林の給料日。
むめのは給料を捻出するために質屋で着物や装飾品を売りに
いく。

そんな中、実家から母・こまつが様子を見にやってくる。
歳男の事が心配できたという母に対してむめのは経営は順調
だとアピールするも、むめのが居ない間に母はタンスや帳簿
を調べ、経営が行き詰まっていることを知る。そこで帰る
際に母は密かに金を置いていく。
むめのは大家の塚原の元を尋ねると、今月の家賃が払えそうに
無いのでもう少し待って欲しいと頼みに行く。
塚原は正直で礼儀正しい松下家の事が気に入り、金ができ次第
払ってもらえれば良いと確約を受ける。

しかし商品は一行に売れず、売れ残った商品が山積みになって
いく。林からはそろそろ手を引いた方が良いのではないか?
と言われ、幸之助も取りあえず在庫をさばくまで頑張る事を
告げる。

歳男は屋台で商品を売ろうとしてヤクザに殴られ怪我する中、
幸之助が嵐の晩帰宅すると、川北電気から扇風機の部品の
大量注文が入った事を聞かされる。その数千台だとし、
なんとか作り上げて納品しようと語り合う。

大正7年2月、実家の父・清太郎が倒れる。
幸之助を連れ家族が清太郎の元を集まる。そこで清太郎は娘
兄弟や妻、そして幸之助に最後の言葉を投げかけるのだった。

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独立して電気の開発を続けようとする幸之助は、妻や親族の
力を借りてなんとか会社を軌道に乗せようとして開発・製造
を続ける。
当初は全く売れずに、妻・むめのに心労をかけるが、ある時
突然転機を迎え、そこから3年で会社は大きくなっていく。

今の時代と違って物質に乏しい時代であり、アイディアが即
結果や可能性に反映していくことで、やり甲斐という面では
羨ましい時代性でも有る。

トントン拍子に成功を掴んでいき、僅か3年にして大きな
会社に成長する所に、サクセスストーリーとしての醍醐味が
詰まっており、パナソニックの起業家たちの"家族的経営"
という新たな手法が、当時の経営に斬新な形として確立され
ていく様子が面白く描かれている。

幸之助だけでは決してなし得なかった事。
むめののこれまでの生活環境が上手く、経営手腕に於いても
効力を発揮していて、それが転化されていくところなど、
上手い描き方だし、ドラマのトーンや歴史的事実から照らし
合わせて見ると、安心して見ていられる内容である。

出来れば連ドラ版として描いて、もっと成功やら失敗、
そしてアイディアを出していく過程のヒントとなるべきちょ
っとしたエピソードを描いていくとドラマとしては深くなる
のだろうね。

子供達が働く姿が時代性を物語っているし、直接電気の事と
は関係のない従業員たちの礼儀・礼節の部分から会社としての
評判を上げていく所など、やはり当時のむめのの行動は、
目の付け所が良かったのだろうね。

松下むめの …… 常盤貴子
松下幸之助 …… 筒井道隆
井植こまつ …… 野際陽子 (むめのの母)
井植清太郎 …… 津川雅彦 (むめのの父・淡路で海運業)
井植歳男 …… 松本利夫 (むめのの実弟)
亀山長之助 …… 石倉三郎 (幸之助の義兄)
亀山イワ …… 秋野暢子 (幸之助の実姉)
井植祐郎 …… 川村悠椰
井植薫 …… 金子尚太郎
井植トメ …… 花原照子
井植やすえ …… 木村真那月
分部しゅう …… 悠木千帆
分部吉太郎 …… 山下規介
井植きぬえ …… 石川紗彩
井植よしの …… 今村美乃

林伊三郎 …… 笹野高史 (織り物のプロ)
五代婦人 …… 唐木ちえみ (自転車)
幼少期の幸之助 …… 新倉滉祐
塚原 …… 沼田爆 (大家)
大森 …… 鈴木一功 (川北電気・部長、扇風機の部品の注文)
桃栗電気 …… 安藤一夫 (社長)
質屋 …… 岩手太郎
建設会社の部長 …… 武発史郎
建設会社技師 …… 峯村淳二
神武電気 …… 神崎孝一郎 (社長)
産婆 …… 五月晴子
コント …… 歌川貴賀志、田口かるた
電気会社社長 …… 中山克己、薬師寺順、加世幸市


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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