家族法廷
(2011年4月期・BS朝日・水曜22時枠)

脚本:尾崎将也(1)、関えりか(2)、山田能龍、牟田桂子
演出:植田尚(1)(2)、二宮浩行
プロデューサー:川島保男、布施等、山本喜彦

http://www.bs-asahi.co.jp/kazokuhoutei/



第2話 離婚前夜
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達彦は仕事を終え帰宅する。まだ誰もが帰宅しておらず、家に
は家政婦の冴子だけだった。食事していると、ぞろぞろ家族
が帰宅し始める。
そんな中、長女の久美が有名店のケーキを購入してくる。
冴子も一緒に食べようという事になるが、購入してきたケーキ
は7個。家族+冴子は全部で8人居たのである。ダイエットや
糖尿など色んな理由をつけてケーキを食べない人を探すが
誰一人として自ら辞退しようとするものは居ない。結局長女の
婿としてやってきた健一が辞退することになる。

夜、健一はこのケーキとは別に
結婚記念日のためにケーキを
買ってきているが、久美は記念日を忘れて先に寝てしまう。
しかも風呂にはいるならば五月蠅いので静かに入って欲しいと
いう。
健一は一人寂しく夜の台所で買ってきたケーキを一人で食べて
いると、そこに冴子が下りてくる。冴子は健一が去った後に
ゴミ箱を見てみると、そこには結婚記念日のケーキの食べ滓が
捨てられていた。

翌朝、孫の亮太が
離婚届の紙を見つけ達彦に届ける。
この家で結婚している人物は健一と久美だけ。円満に見えていた
夫婦関係も実は深刻だったのか。取りあえず達彦は一人ずつ
話を聞いていく。
久美が切手を借りに父の書斎を訪ねた際に、さりげなく仲を
尋ねる。最近裁判でも一見円満そうな夫婦が突然別れるケース
が増えている事を告げる。しかし久美によるとウチは心配ない
との事。達彦はそれを聞いて久美が用意したものではなさそう
だと感じる。

達彦は健一から話を聞こうとしている時に、久美は父親の書斎
で離婚届が有ることを見てしまう。娘は父親を問いつめる中で
家族全員が集まってくる。
実はその離婚届は冴子が落とした物であり、それに気がついた
彼女だったが、激しく言い争いしている家族を前にして自分から
なかなか切り出せなかった。

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子供との距離感を保つ上で重要な役割を果たしていた妻を亡く
し、父・達彦は戸惑う中、ある時部屋の中に落ちていた離婚届
を巡って一騒動起きる。離婚届はきっかけに過ぎず、元々性格
の不一致であることは明らかだとするが・・・

家族がケンカする度に、他人が不満だと思っているであろう
自らの姿や欠点が明らかになっていく。
達彦自身が妻に対して配慮に欠けて何もしてあげられていなかった
事に今更ながら気がついていく展開は良くできていると思う。

ただちょっぴりコント色が強くて、問題を引っ張り通す意図が
ミエミエだし、長女が口うるさく、婿に対する配慮に欠ける
辺りを見ると、憤りを感じるものがあった。
これまで達彦に対して家族を顧みなかったことに対する反省点
ばかりを浮上させてきたけれど、逆に今回はそれ以上に酷い長女の
姿を見せられた気がする。

家庭でも裁判官である事を利用した形式張った流れになるの
かなと思ったけど、意外とその辺はとっかかりの部分だけって
感じもする。ただ裁判での一例を元に、そこで得た知識や経験などを
しっかりと家庭の争いや裁判の中で転化していくところは、このドラマ
の特徴でも有る。

冴子の役割も前回は影で支える程度だったが、今回は一家と
して迎えられるだけのエピソードの関わり方をした事で、
家政婦としての立場以上の関係になりつつあるのでは無かろう
か。
妻からの離婚届ではないとホッとするのもつかの間、やっぱり
用意されていたのではないかとするオチはなかなか面白かった
と思う。

小野寺達彦 …… 長塚京三 (62歳、裁判官)
小野寺冴子 …… ミムラ (28歳、家政婦)
桑島健一 …… 六角精児 (42歳、長女の夫・サラリーマン)
小野寺良弘 …… TETSUYA (31歳、長男・広告会社)
小野寺朋子 …… 岩崎ひろみ (34歳、次女・OL)
桑島久美 …… 松永玲子 (37歳、長女・レストラン店長)
桑島由加 …… 宮崎香蓮 (15歳)
桑島亮太 …… 小林海人 (10歳)
妙子 …… 岡本麗 (幸子の姉)
聡美 …… 大島蓉子 (家政婦派遣会社)
小野寺幸子 …… 上村香子 (達彦の妻、亡くなる)


松村曜生、広田よしみ、長勲、小田島敏子

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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