家族法廷
(2011年4月期・BS朝日・水曜22時枠)

脚本:尾崎将也(1)(6)、関えりか(2)(5)、山田能龍(3)(8)
久松真一(4)、牟田桂子(4)(7)(9)
演出:植田尚(1)(2)(3)(7)、二宮浩行(4)(5)(6)(8)(9)
プロデューサー:川島保男、布施等、山本喜彦

http://www.bs-asahi.co.jp/kazokuhoutei/



第9話 母の手紙
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夫・健一の携帯メールを勝手に見たのはプライバシーの侵害
だとして、健一は久美の事を訴える。
裁判官役を達彦に務めて貰い、家族みんなでその件について
話し合う。久美は携帯の料金を払っているのは私だとして、
夫が怪しいメールをしているのが悪いと訴えるが、家族のほぼ
全員が悪いのは久美だと告げる。由加は家族に言えない事は
有ると訴えるが・・・

メールの内容は
"桑島ちゃん、ゴゴイチ、マリオネットホテル、ティーララウ
ンジ"で打ち合わせよろしく ミカリン"
と書かれていた。
これが本当に業務連絡なのか?とし、不倫カップルの隠語その
ものだと久美は訴える。
達彦は、みんなにも言えることだが、互いのプライバシーを
尊重し、干渉しすぎない生活を心がけるよう告げる。そして
健一に対しては、不貞をはたらいていないとする証拠を提示
するよう言い渡す。

翌朝から小野寺家はどこか互いのプライバシーを意識的で
敏感になっている姿があった。そんな中で、幸子宛に手紙が
届く。送り主は
鳥取岩田あきらと書かれていた。
達彦はこういう場合にはどうすれば良いのかと悩む。
故人で有れプライバシーは守るべきだと考え、取りあえず家族
のもので岩田が誰なのかを尋ねて回る。
すると久美は何やら知っている様だった。

達彦は年賀状などやりとりしていないか調べる。
年賀状のやりとりは無かったが、いくつもの手紙をやりとり
していた形跡が見つかる。しかし6年前の手紙が最後だった。
達彦はこの件について冴子に相談すると、過去に元夫から
日記を見られたことがありガッカリした事があると聞かされる。
それを聞いて手紙を読むのは辞めることにするが・・・

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プライバシーの問題について考える小野寺家の元に、亡き妻
宛に突然一通の手紙が送られてくる。名前を見ると達彦に
とっては全く知らない人物であり、どんな関係なのか気になっ
て行くが・・・

孝行したいときに親は無いというけれど、妻が亡くなって
以降次々と妻の生前の事が浮かび上がり、夫・達彦の気持ちを
揺さぶっていくのだから、罪な話だ。それも生前にぞんざいに
扱ってしまったとする後悔の念などが存在する事も有るので
達彦にとっては、耳が痛く、また逆に新鮮なものが有るのかも
知れない。

生前の妻の事を何も知らなかったとする後悔。そして家庭の
事、子供たちの教育など、達彦にとっては何一つ満足させて
挙げられなかったとする後悔の念を上手く吹っ切らせるような
亡き妻からのメッセージに、達彦が感動するのはもちろん、
母親の偉大性について考えさせられるものとなった。

プライバシーという言葉は現代社会にとっては煩わしくも
有ったり、人との関係に於いて距離をとってしまう事への寂
しさなんかを感じるものだけど、そんな一面を面白くミステ
リーとして描いて見せたり、誠実に向き合ってみたりするの
だからとても面白く出来た内容だった。

あきらという名前は確かに男性でも女性でも該当する名前
だしね。

小野寺達彦 …… 長塚京三 (62歳、裁判官)
小野寺冴子 …… ミムラ (28歳、家政婦)
桑島健一 …… 六角精児 (42歳、長女の夫・サラリーマン)
小野寺良弘 …… TETSUYA (31歳、長男・広告会社)
小野寺朋子 …… 岩崎ひろみ (34歳、次女・OL)
桑島久美 …… 松永玲子 (37歳、長女・レストラン店長)
桑島由加 …… 宮崎香蓮 (15歳)
桑島亮太 …… 小林海人 (10歳)
妙子 …… 岡本麗 (幸子の姉)
小野寺幸子 …… 上村香子 (達彦の妻、亡くなる)


岩田正治 …… 大杉漣 (夫)
岩田あきら …… 津村純子 (正治の妻、文学好き)
相沢美喜子 …… 横村直子 (ミカリン)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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