告発 〜国選弁護人 (2011年1月期・テレビ朝日・木曜21時枠) 脚本 ： 竹山洋 演出 ： 藤田明二 チーフプロデューサー ： 五十嵐文郎 プロデューサー ： 内山聖子、藤本一彦 http://www.tv-asahi.co.jp/kokuhatsu/

第2話 疑惑の女・完結編
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赤堀家にいく佐原は、ここで波子が夫のことを殺したのだと
直接現場を見る。これまでに5回の公判が行われたが、依然と
して事件の究明には至っていない。公判中、佐原の言及が
山縣宣久に及ぶと、波子は突然、自分の罪を認めて、死刑にし
て欲しいと訴える。波子が何かを隠していることだけは明らか
だった。
シズに、山縣宣久の携帯の中に残っていた写真の女性のことを
尋ねるが、見たことがないという。

そんな中、佐原の元に弁護士・浅井正志から電話が鳴る。
過去には高検検事をしていて現在、民政党の藤尾の弁護士を
しているという彼から、大変なことが起きていると連絡が入る。
佐原は直接浅井の元を尋ねると、週刊誌ニューウェーブの発売前
のゲラに中原記者に岡部がリークしたという内部告発文章が
掲載されていた。
浅井によると、岡部は民政党の藤尾と対立していた自由党の
北条元総理と知人の関係にあり、現在も彼の別邸に居ることは
明らかだという。岡部が北条の力を借りて今回保身のために
告発したのだとするが、佐原は岡部はそんな事をする人物では
ないと否定する。

佐原の元に、石川県警の種田と町村がやってくる。
拘置所にいる波子に会ってきたが、佐原のことを気にしていた
という。更に彼女は風邪を引いていた事を知る。

そんな中、田中純子の店がぼや騒ぎに会う。
たまたま居合わせた鶴岡健次がその容疑者らしき人物を見つけて
もみ合いになるが、取り逃がしてしまう。恐らくリークした記事
に対する藤尾側の嫌がらせだった。

佐原は波子にカーディガンを届ける為に面会する。
そしてそこで本当に赤堀を殺したのが波子なのか?と問う。
波子が手入れしていた赤堀邸の庭を見れば、人を殺せるような
人ではないと思ったとし、君には生きていて欲しいと告げる。
すると波子は全てを佐原の前で告白し出す。

一年前に、当時東京地検特捜部にいた山縣宣久が、赤堀・中田
側からの藤尾に対する献金疑惑を内定している事を知り、
夫の勇造は妻に、山縣を誘惑しろと命令したこと。特捜部の
捜査員が内偵中の関係者と関係を持てば、捜査処では無くなる
というのである。
マラソンしている山縣に接触した波子は、一週間後にはホテル
で食事をする仲になったという。しかし箱根に同行した歳に
別れようとして行ったことを告白する。
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佐原に弁護される波子だが、突然彼からの弁護を拒否し始める
彼女。一体彼女は何を知っているのか。そして事件に隠された
真相とは何なのか。

一枚の写真から上手く現場の状況を見極めていくという事で、
面白い展開の仕方だった。

岡部の思惑が上手くドラマとしての真相をカモフラージュさせ
ているし、利己的な彼の行動によって失望する佐原の構図が
とても興味深く写る。

結局男は女性に踊らされるものだなと思っていた所に、女性も
また男によって動かされている現実が、愛とは何なのかと言う
所にも繋がっていくし、岸田が窮地をするりと交わしていく
姿に、狡猾さを感じる。
まるで「ロードス島戦記」のカーラみたいな奴だな。

今回は波子が順を追って、山縣との関係を語ったことで、
全てが繋がり、その時々の互いの気持ち・心情というのが上手く
伝わってきて一つの物語として完成していた。