告発 〜国選弁護人
(2011年1月期・テレビ朝日・木曜21時枠)

脚本 : 竹山洋(1)(2)、吉本昌弘(3)
演出 : 藤田明二
チーフプロデューサー : 五十嵐文郎
プロデューサー : 内山聖子、藤本一彦

http://www.tv-asahi.co.jp/kokuhatsu/



第3話 単身赴任殺人!!アリバイトリックの壁
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4月20日、文京区のマンションの一室で放火が有り、アパートの
部屋主である
古川達郎が亡くなって発見される。

検事の
山辺敦は、稲尾裁判長の前で控訴事実を読み上げる。
被告の
岡本泰之がH23、4月23日の午後20時半から21時の間に
青葉マンションの古川達郎(40歳、
雲井電機・企画開発課長)を
花瓶で殴り、証拠隠滅のために放火したというもの。
しかしそれに対して、岡本は分かりませんとして、事実を認める
事はなかった。

佐原は純子のバーにいく。
先ほどまで来ていた鶴岡と富田は、殺人容疑で立件されている
容疑者に対して無罪を主張したことに呆れていたと告げる。
しかし佐原は検察が提示した物は、全て状況証拠のみだという。

古川の勤めていた雲井電機にいき、彼のPCを調べると、岡本
から繰り返し
脅迫メールが届いていたという。同社製のデジカ
メが故障した事を逆恨みしたのだろうというもの。
上野西署山田刑事、国松刑事はインターネットカフェで彼
を見つけ公務執行妨害で逮捕したものだった。彼が所持してい
たのは、古川が会社に通う最寄り駅から自宅までの
地図
持っていた事、そして本人があの会社の人ならば誰でも良かった
と証言している事から、殺害に於いても犯人だろうと疑った
ものだった。しかし脅迫メールについては話をする彼も、殺人
事件に関しては何故か口を閉ざしていた。
彼は写真スタジオに勤めていたカメラマンだったが、そこが
潰れ、なけなしの金で買ったデジカメが壊れた事で憤りを感じ
たのではないか?という。

そんな中、佐原の事務所に
吉崎文香という女性が尋ねてくる。
彼女は佐原が出ているテレビを見たとし、事件の起きた夜に
被告の岡本に会っている事を告げる。それは唯一の証人の出現
だった。

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放火・殺人容疑で起訴されているフリーターの岡本泰之の事を
弁護することになる佐原。公判が始まり、マスコミも注目する
中、テレビで観たとする女性・吉崎文香は、被疑者と当日の夜
に逢ったとする目撃証言を語り始める。本当に証言にたる
ものなのか調べていくが・・・

アリバイを崩すという殺人事件ドラマの王道的内容なので
とても面白く見ることが出来た。
初回の二話連続した政治家を絡めた内容よりも、俄然面白く
なった印象がある。

被害者・古川と容疑者・文香の接点も丁寧に描かれていたし、
殺意を持つ程に日常生活に疲弊した心の暗部と、拠り所にして
いた存在を失う事への失望感なども上手く表現されていたし、
日本社会の実情を描く介護の現実を絡める所など、複雑な気分
にさせられる物語だった。

結果的にはどの人物も愛情のちょっとした掛け違いの所から
事件に発展・関与しており、被害者の妻、そして容疑者を密か
に思っていた男性の存在など、一歩間違えば自ら破滅する
ところを、よく犠牲になるなと感心するものがある。

容疑者を救おうとして証言台に立つ人物が、逆に容疑者だとする
発想もまた面白くできている。
文香にしてみれば、自分の都合の良い所で逃げることも出来た
にも関わらず、そうしなかったところに彼女の人間性を上手く
浮かび上がらせる形になった。

佐原卓治 …… 田村正和 (国選弁護人)
田中純子 …… 真矢みき (佐原の亡妻の妹)
佐原鶴子 …… 相武紗季 (佐原の一人娘。国際平和医師団のメンバー)
鶴岡健次 …… 近藤芳正 (佐原法律事務所の弁護士)
富田博 …… 松尾敏伸 (佐原法律事務所の弁護士)
佐藤健吾 …… 山口智充 (鶴子のフィアンセ。国際平和医師団のメンバー)


吉崎文香 …… 原沙知絵 (アルバイト)
古川達郎 …… 林泰文 (被害者、単身赴任、雲井電機社員)
古川よう子 …… 遊井涼子 (仙台で夫を待つ)
岡本泰之 …… 和田正人 (フリーター、被疑者)
山辺敦 …… 升毅 (検事) 
仲田周平 …… 石井正則 (雲井電機社員)
吉崎登紀子 …… 大空眞弓 (文香の母)
バーテンダー …… 片岡信和

累央、鈴木美恵、日向勉、長沢大、渡辺由紀
高野ひろき、後藤健


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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