告発 〜国選弁護人
(2011年1月期・テレビ朝日・木曜21時枠)

脚本 : 竹山洋(1)(2)(4)(5)、吉本昌弘(3)、ちゃき克彰(6)
演出 : 藤田明二
チーフプロデューサー : 五十嵐文郎
プロデューサー : 内山聖子、藤本一彦

http://www.tv-asahi.co.jp/kokuhatsu/



第6話 夫を二度殺した女!?消えた証人
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純子はバーでピアノを弾く佐原の元にやってくると、二階で
鶴岡と富田が揉めている事を聞く。
話を聞くと裁判員裁判で死刑判決が出た被告人が控訴しない
との事だったので、その資料を是非佐原に見て欲しいという
富田。鶴岡は佐原が忙しいことに理由に見せることはないと
訴えていた。

半年前、葛飾区に住む
井上隆男(29歳)が、動機無き殺人として
エリートサラリーマン、
宮崎康文(30歳)を突然包丁で突き刺し
殺傷する事件があった。裁判で井上は、働いていた町工場が
倒産に合い、むしゃくしゃしていた所、人を殺せばスッキリ
すると思った事が犯行理由だった。2001年以降は一人を殺人
しただけでも、反省と悔悟が見られない場合には、被害者遺族
の事を考えて死刑判決が出ることが有った。
富田は一度の裁判で死刑判決が出てしまうことに違和感を覚え
ると共に、三審制度はこのためにあるとし、被告は中学時代に
サッカーでライバル関係にあった人物だと告げる。控訴期限ま
では残り3日。佐原はそれを聞いて一度会ってみるかと告げる。

佐原は富田が井上と接見すべきだとして、彼に井上との面会を
任せようとする。そして控訴すべき事を訴えるが、それを否定
し帰るよう告げる。佐原に面会を変わると、佐原は被害者は
即死の状態だったのに、何故何度も執拗に刺したのか?と問い
まるで怨恨のようだと告げる。佐原は君の弁護をすると告げる。

佐原が居ない中、富田は純子に何故佐原先生は国選弁護人を
選んで行っているのか?と問う。恐らく自分の妻・
敦子を、
自分が弁護を担当した男性に殺害されたからだと告げる。
15年前、色んな事件を担当して忙しく動き回っていたために、
被告人との意思の疎通を欠いていたのであろう事を告げ、心の中
で自分を責めているのだという。

被害者・宮崎と事件当日一緒にいた会社の後輩の
渡辺武大友
和也
から話を聞く。宮崎はとても良い先輩だったとし、死刑は
当然だという。

一方佐原は被害者の妻・
由起子にも会いに行く。
被疑者・井上との接点を尋ねるも由起子は知らないという。
由起子は佐原に死刑を不当と思っているのか?と尋ねる。妥当か
どうかはもっと時間をかけるべきだという佐原に対して、自分も
悩んでいる事を告げる。

しかし被害者は一流大出身、方や下町の工場に勤める人物。
一体接点など有るのか?
そんな中、被害者の宮崎はハデな学生結婚をしている事が
当時の週刊誌に掲載されていた。ベンチャー企業をしている
宮崎だが、父は大企業を経営。武者修行の意味を込めて息子に
ベンチャー企業で働かせていたという。

事務所に戻ってきた鶴岡は宮崎の顔を見て、8年前の新宿南署
に勤務していたときのことを思い出す。この
宮崎はかつて集団
暴行容疑の首謀者
で、合コンで知り合った女性をレイプするが
女性の中に合意で関係を持ったという人物が現れたことで、
不起訴処分になったという。告訴した女性・
田代佳恵は自殺
している事を知る。

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通り魔的犯行を行った被疑者は、死刑判決が出るも控訴せず
刑を受け入れようとしていた。富田は被疑者のことを知って
いる事も有って、佐原に相談すると、佐原は弁護を引き受けて
いくことになる。

弁護士ドラマの教科書的内容だった感じで、ネタとしては
ありがちなものが有ったけど、手堅く楽しめる内容だった。

今回の一件、怨恨による殺人であることは明らかだったし、宮崎
によって、犯人の恋人や親兄弟が何らかの不利益に有っていた
であろう事は想像に難くない。
しかも墓参りの際に、名前だけしか告げずに顔が隠されていた
情報提供人を見て、如何にも由起子がその人物に該当するで
あろう事は想像できるものが有った。

8年前の不起訴になった事件を鶴岡が覚えていた辺りに、どの
程度の説得力を見せるのかが、このドラマの生命線だったし、
他の似たようなドラマとの差別化に於いては、被害者遺族で
ある由起子の存在が8年前の事件にどのように関わっているのか
という辺りで成されている。

風化されているであろう当時の事を何処まで再調査できるのか
という点でも興味深いものがあるし、前回では30年くらい前の
出来事まで発掘させる能力があった彼らならば、それくらいの
事は容易なものが有るのかも。

2003年に起きた早稲田大学生のスーパーフリー事件によって
この手のネタがドラマに及ぼした影響はかなり大きいな。

犯人役を演じた長谷川博己さん。NHKのドラマセカンドバー
ジン
で印象的な演技を見せていたけど、もっとガンガン出て
きても良い俳優さんだと思う。

佐原卓治 …… 田村正和 (国選弁護人)
田中純子 …… 真矢みき (佐原の亡妻の妹)
佐原鶴子 …… 相武紗季 (佐原の一人娘。国際平和医師団のメンバー)
鶴岡健次 …… 近藤芳正 (佐原法律事務所の弁護士)
富田博 …… 松尾敏伸 (佐原法律事務所の弁護士)
佐藤健吾 …… 山口智充 (鶴子のフィアンセ。国際平和医師団のメンバー)
バーテン …… 片岡信和


宮崎由紀子 …… 国仲涼子 (康文の妻)
井上隆男 …… 長谷川博己 (犯人)
宮崎康文 …… 大西信満 (被害者。金持ち)

片岡信和、大西信満、ゆき、桑原和生、森富士夫、伊藤幸純
北見誠、峯村淳二、高野けい子、山下平祐、植村りんこ
黒田浩史、守屋弾、すぎもとみさき


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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