告発 〜国選弁護人
(2011年1月期・テレビ朝日・木曜21時枠)

脚本 : 竹山洋(1)(2)(4)(5)(7)(8)、吉本昌弘(3)、ちゃき克彰(6)
演出 : 藤田明二
チーフプロデューサー : 五十嵐文郎
プロデューサー : 内山聖子、藤本一彦

http://www.tv-asahi.co.jp/kokuhatsu/



第8話 疑惑の悪女!!最後の逆転法廷
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岡部は純子のバーに居た際に、藤尾が差し向けたと思われる
刺客から刺される。すぐに救急車で運ばれる岡部。
佐原は岡部が用意していた手紙を読む。そこには
"牛と蛙"
話が書かれていた。牛に対抗するために蛙は腹を膨らませて
自分を大きく見せようとするが、結局は腹が割けてしまう事。
しかし佐原という蛙は、巨悪と戦う蛙となっても、より大きな
蛙になるとし、君が羨ましいという。自分は君に誇れるような
ことをしたのかと書かれていた。
柳田によると、犯人は藤尾との関係を否定しているという。
岡部の手術は成功する。

佐原は娘の鶴子と一緒に、藤尾議員のお膝元の
秩父へいく。
31年前の昭和55年8月29日に起きた吊り橋転落事件の記録と
今年10月18日起きた吊り橋での中原洋子殺人事件に関する
進展状況を聞きに来たのである。しかし所轄の田中刑事はなん
の情報もないとして、一切明かそうとはしない。そこで佐原は
過去に噂のあった樋口直哉というトップ屋に藤尾らが脅されて
いたと聞いた事を語る。それを聞いた田中はすぐに署長を
呼びに行く。取調室に忘れていった過去の資料を見ると、案の
定その事が書かれていた。署長がすぐにやってくると、選挙
違反の話は誰から聞いたのか?と問う。佐原は反論することも
なく、自分の勘違いだったとして、所轄を後にする。

犯行現場だった吊り橋にいく。当時
川辺議員の秘書を務めて
いた藤尾。8月29日の夕方、必ず藤尾はこの場所にいたはず
だという。しかし石川松子本人は、自分が争っているウチに
樋口のことを突き落としてしまった事を語っていた。
試しに鶴子を佐原を突き落とせるか試してみるが、女性の
力で男性を吊り橋から落とすことは不可能に近かった。

その晩、佐原と鶴子は
指月旅館に泊まり、色々と話をする。
布団に入っていた佐原の元に岡部から電話が鳴る。
腹が立って眠れないという岡部は、そのまま病院から逃げて
きたという。病室に戻るよう訴えるが岡部は耳を貸さずに、
藤尾はクロなのか?と問う。佐原は証拠はないがそうだと告げる。

月刊潮流の絵を描いていた、泰二と英子に話を聞く。
既に時効の事件なので話しても変わるものではないとして
何とか説得する。すると殺したのは藤尾で、近くには当時川辺
の家で働いていた女性が居たことを語る。その女性が石川松子
だった。

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諸悪の根源である藤尾議員は、31年前の事件に関与し、更には
岸田麗子や岡部に差し向ける刺客を操り、自分に邪魔な存在
を消そうとしていたのか?

このドラマ、出来れば前半の段階に於いて、岡部が優秀な弁護士として
普通に活躍する姿を見せていたとするならば、最後の対決シーン
はもっと見応えが有ったはずなんだけど、ナレーションの一言で
岡部は佐原の最大の敵くらいにしか描かなかった事もあって
ちょっと違和感が存在していたような気がする。
対決ネタはシーズン2に回して、出来ればシーズン1と称して
普通に佐原の国選弁護人の仕事ばかりをクローズアップして
いけば良かったのだと思う。
どうしても短期間の中に色んなドラマを詰め込みすぎた事で
違和感が出てきてしまった。

ドラマとしての違和感は、二つの題材を混在していた事で、
佐原自身は岸田との対決に向けて用意すべき所を、
その背景に有る藤尾の事ばかりに動き回っていた印象がある
事だ。

最後の法廷対決までに佐原自身は、相手を追求するだけのネタ
を持ち合わせて折らず、降ってわいたような口座番号の件で
処理してしまう所など、少々段取りを端折った感じにしか
見えないところは残念。
都合良く口座番号が届けられたことで、岡部が藤尾を道連れに
する為に、仕組んだとしか見えず、岡部が藤尾に対して激怒する
様子は前振りとして描かれていたのだけど、その分岸田の件が茶番劇
に思えてしまう所が残念だった。

出来れば継続してこのドラマを製作して欲しいな。

佐原卓治 …… 田村正和 (国選弁護人)
田中純子 …… 真矢みき (佐原の亡妻の妹)
佐原鶴子 …… 相武紗季 (佐原の一人娘。国際平和医師団のメンバー)
鶴子の幼少期 …… 川嶋紗南
鶴岡健次 …… 近藤芳正 (佐原法律事務所の弁護士)
富田博 …… 松尾敏伸 (佐原法律事務所の弁護士)
佐藤健吾 …… 山口智充 (鶴子のフィアンセ。国際平和医師団のメンバー)
バーテン …… 片岡信和


石川松子 …… 市原悦子 (石川財閥会長、故夫・石川庄一)
岡部雅也 …… 橋爪功 (弁護士)
岸田麗子 …… 釈由美子 (指名手配の女)
柳田淳朗 …… 西村雅彦 (東京地検・検事)
藤尾定道 …… 浜田晃 (民政党議員)
中原洋子 …… 吉田羊 (フリージャーナリスト、殺害される)
折原英子 …… 重田千穂子 (泰三の妻)
折原泰三 …… 工藤俊作 (絵描き)
岩下検事 …… 近江谷太朗 (地検)
樋口直哉 …… 大浜直樹 (トップ屋)

近童弐吉、越村公一、小林香織、朝倉伸二、中山夢歩
貴山侑哉、高橋麻理、川崎葉子、高野けい子、藤山誠
西澤華奈、有山尚宏


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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