高校生レストラン (2011年4月期・日テレ・土曜21時枠) 脚本 - 吉本昌弘(1)(2)(4)(5)(7)、山崎淳也(3)(8)、根本ノンジ (6)(9) 演出 - 吉野洋(1)(2)(5)(7)(9)、猪股隆一(3)(6)(8)、佐久間紀佳 (4) 音楽 - 服部隆之 プロデューサー - 荻野哲弘、内山雅博 http://www.ntv.co.jp/kouresu/

第9話 夢はかなう
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新吾の元に風間から電話が鳴る。
今度名古屋に店を出すので、そこで新吾に店長をしてくれない
かというものだった。やりたい様にやってくれていいという
最高の待遇だった。

副部長で二年生の真衣が徐々に部員達に指導するようになる。
水野と川口は、この日"せんぱいの店"に就職するために、説明
を聞きに行くことになっていた。
坂本と中村は依然として進路が決定していなかった。
このクラブからは残り5人が進路が決まっていなかったのであ
る。

一方新吾が帰宅するとヒマラヤに居る父親から手紙が届く。
そこには遥に対してお前も自由に羽ばたくような事が書かれて
いた。それを見て遥は新吾に、恐らく兄ちゃんにも同様の事を
思っているハズだと語る。

水野と川口は宏が提案して実現した弁当の店"せんぱいの店"に
就職がほぼ決まる。
依然として決まっていない上級生は些細なことで言い争いに
なる事も増えていた。
そんな中、後輩達は先輩のために何か出来ないか?と仁美に相談
する。先輩達が就職しそうなところに弁当の試供品を持って
行くのかどうかという。それを聞いた宏は、食品の関係者や
レストランなどの関係者を招待して食べて貰うのも一つの名案
だと語る。それを新吾に話すと、宏は後輩達に熱いハートを
育てたのは新吾による指導だという。新吾は宏に名古屋の店長
の件を話そうとするが・・・
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いよいよ三年生は卒業を控えて、部活動の中心は二年生に
引き継いでいく。三年生は卒業までになんとか進路を確定させ
たいが・・・

高校生のレストランという奇抜なアイディアのドラマであり
実話という事で難しい一面も有ったかと思うけど、全体を通し
てなかなか面白く出来た話だった。

町興しで有ったり、就職難の事実だったり、今の日本が抱えて
いる地方の取り組みを上手く描いた物で、街の将来を真剣に
考える町役場の職員たちと、出来ればこの街で今後も就職した
いと考える生徒たちの思惑が合致していく。それぞれがどう
する事が最も良い道なのかを自分たちの手で考えていくという
教育と行政の立場で眺めた高校生の様子が生き生きと描かれて
いたと思う。

このドラマで不利なことは、やはり短期間の間に成果を求める
話で有ったこと。実際には20年、30年後にどういう歩みを
経ていったのかを描くべきものであり、現状では表面的なもの
にしか言及されていない感じがする。
現状では物珍しさから人も集まるだろうし、アイディアが即
現場で投入される楽しさなんかが描かれているけれど、実際
にはもっとシビアなものが有りそうだ。

料理人が突然教師として故郷に赴任すると言うことで、どんな
物語になるのかと思ったけれど、生徒の態度が理想過ぎる
くらい良くできていたし、新吾と宏の友情関係など、とても
上手すぎるくらい機能していた事もあり、まるでNHKのドラマ
を見ているかの様だった。

恋愛的要素も最小限に、料理と就職に集中して描いた所が
このドラマの勝因だった所だと思う。