クルマのふたり〜TOKYO DRIVE STORIES

脚本:龍樹
演出:松本創
プロデューサー:中山和記、伊賀宣子





第2話 誰にも教えたくない場所
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岩井庄輔は学校帰りの坂下なつみを見つけて車の中から声を
掛ける。庄輔は彼女に美味いものでも食べて帰ろうという。
しかしなつみは辺りを気にしつつ車に乗り込む。その様子を
不思議そうに眺めている庄輔。女子校ではこういう事一つを
とっても噂になるので注意しなければならないのだという。
派手な男の人の車に乗ったらそれこそ噂が立つという。
庄輔は反省し、今度はネクタイをして来るというと、なつみ
は日曜日に渡そうとしていたとして、カバンの中から彼の
プレゼントであるネクタイを手渡す。
庄輔はなつみの父親であり、両親は既に離婚して5年が経過
していた。
庄輔はネクタイのプレゼントを嬉しそうに眺め、今度のプレ
ゼンではこれをしていくと語る。
庄輔はなつみが色々と話しかけてくる姿を見て母親に似てきた
と改めて感じる。庄輔はなつみに母親の事を尋ねるが、突然
話しづらそうに口を閉ざしてしまう。何かあったのか?と尋ね
ると何でもないというなつみ。庄輔はネクタイの件で、約束
していたわけではないのに何時逢っても良い様に、毎日持って
歩いてくれていたのか?と尋ねると、彼女は昨日父の事務所に
行ったことを告げ、そこでタレメの女性と父が仲良くしている
のを目撃したという。逢おうとしたが遠慮したことを告げると、
父は彼女は単なるアシスタントで、事務所で酒を飲んで酔って
しまったのでタクシーに乗せる為に腰に手を回していただけ
だと語る。

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一人の女子高生を車に乗せる中年の男。
二人は親子関係であり、夫婦関係は既に破綻し別れて5年を
経過していた。

年頃の女の子と父親の間ではなかなか会話が成立しないもの
が有るのではないかと思うけど、このドラマではしっかりと
互いが互いを思いやった行動が目につき、なかなか良い感じ
の関係が描かれていた。

娘が父親に対してどんな気持ちを抱いているのか。
離婚して離れて暮らしている父親に対して、娘が望む父親の
姿という者が少しずつ現れてきてドラマを盛り上げている。

こんなに思い合っているのに一緒に過ごしていない現実は
少し寂しいものがあるし、彼女が父親に対してつく幾つかの
嘘の中にどんな気持ちが込められているのかがドラマとして
興味深く写る。

なかなか向き合えずにいる親子というのも多いけれど、
親はなくても子は育つとばかりに、父親が無くてもしっかりと
した大人に成長している娘の姿に、やや寂しさを覚えるものも
有るな。

二人だけの思い出の場所という下りは悪くはないけど、
ちょっぴりキザっぽい味付けかも。

岩井庄輔 …… 哀川翔 (父、イベントPR会社経営)
坂下なつみ …… 岡本玲 (娘、17歳、まだ誰の者でもありません)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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