クルマのふたり〜TOKYO DRIVE STORIES

脚本:龍樹
演出:松本創
プロデューサー:中山和記、伊賀宣子





第3話 頼むから静かにしてくれ
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秋乃は仕事のために車に乗り込む。
リーに変わって先週から運転手になったという男・島田。
運転手は女性に名前を尋ねると秋乃だという。秋乃とはあの
VIPの指名の時にだけ出てくる秋乃なのか?と問い、大使館への
パスを持っているとの噂が逢ったり、ある国の第三夫人になる
という噂を持つ人物だった。
前に話した事があったか?と尋ねるが、男は答えようとしなか
った。
秋乃はタバコを吸おうとすると、運転手はライターに火をつけ
る。するとそのライターを見て秋乃は何かに気がつき、タバコ
を吸うのを辞める。
秋乃はこの仕事を始めて3年になるとし、この業界では長い方
だという。毎日VIPの為に日々準備を怠っていない事をつげ、
常に磨いていなければならないのだという。島田は大変でしょ
うと同情の様な言葉をかけるが、VIPの客が望むのは身体では
ない事を告げ、綺麗に保つことは最低条件であり、相手の話に
耳を傾け理解することが大変だという。VIPは大抵孤独な人たち
との事だった。Hは単なるオプションの一つだとすると、本当に
そうかと疑問に感じる島田。あなたはHの口実無しに女性に
甘えてしがみつくことは出来たのか?と問う。
秋乃は男に名前を尋ねるが、男は運転手には名前がないとし
て話したがらない様子。この町には馴れたのか?と問われ、
前の仕事は何だったのか?と問う。一つくらいはこちらの質問に
答えるよう要求する秋乃。すると自分は証券ディーラーで、
かつて同姓同名の人物に先物を漏らした事があるという。
そんな中、目的地に遠回りしている事に気がつく秋乃は、彼に
文句を告げるが・・・

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VIP専用のコールガールの運転手となった元証券マンの男。
インサイダー取引で逮捕されていた男と、コールガールの意外
な接点が発覚していく。

島田は早い段階で秋乃のことに気がついた様な感じだけど、
秋乃側はどの段階で彼が彼だと気がついたのか実に気になる
ものが有る。
ライターの時点で秋乃は気がついたのか?

ちょっぴり嫌みを言い合うような感じにも思えるし、目的地
へとなかなかたどり着かせようとしない男の中には、どんな
意図や感情が有るのか、なかなか興味深い流れが有ったと思う。

島田と付き合っていた秋乃が当時背伸びしていた事によって
今が有るとする皮肉な状況と共に、コールガールとしての今
の仕事になんの躊躇いも感じていないところは、以前BSフジ
で放送されていたジュテーム〜わたしはけものの主人公
の女性と同じ様なキャラクターだった。

都会の喧噪、そして現代の人間関係の事情を勘案すると
自分のような存在が必要だとするかのような秋乃の自信と
不安が面白く感じられるものが有り、ちょっぴりそんな歪な
人間関係や性格を皮肉っているようで良くできていたと思う。

島田一章 …… 石黒賢 (運転手)
秋乃 …… 鈴木亜美 (VIPのコールガール)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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