クルマのふたり〜TOKYO DRIVE STORIES

脚本:末安正子
演出:根本和政
プロデューサー:中山和記、伊賀宣子





第4話 眺めのいい部屋
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ニッコリ不動産の大森は客であるかおりに物件を紹介して回る。
駅に近い場所を選ぶのか、多少駅が遠くても閑散とした住宅街
を選ぶのか。
かおりは女性としての結婚適齢期を過ぎたとして、年齢に対す
るコンプレックスが有った。そんなかおりに対して大森は
うまいこと彼女の服装や見た目以上の若さについて褒める。
かおりは何度も通って案内させているのに未だに決められない
でいることを謝罪する。大森はなぜ今の所ではだめなのか
訪ねると、現在すんでいるところは地域密着した場所であり、
職場が近い分、退職した同僚や職場の人とも町中で会う機会が
多く、未だに結婚もせず独身で仕事をしていることに対して
後ろ指を指されているようで落ち着かないのだという。若い人
には分からないであろう悩みだとのことだった。

神楽坂の物件を紹介する。駅からは徒歩15分で隠れた名店も
数多く存在する町だった。しかし実際には駅から25分かかり、
夏場は最悪だという。急に彼氏に会いたいと言われたら時間が
かかるし、自分くらいの年になると化粧にかかる時間だけでも
1時間30分くらいかかるのに、駅まで行くのに時間がかかるのは
面倒だという。

大森は三軒茶屋の物件を紹介、二子玉川の物件を次々と紹介
していくが・・・

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不動産を紹介する社員の大森と、年齢を気にするあまり色々と
物件探しにも神経質になる女性・かおりが物件を見て回る中で
互いの彼氏・彼女との関係について語り合う。互いに他人には
分からない容易では無い人生を送っていることが分かっていく
が、果たしてかおりが気に入る物件は見つかるのか。

会話だけで面白く見せるの難しいと思うけれど、なかなかうまく
できている。

客と従業員という関係ではあるけれど、毎週のように案内していく
うちに自然と互いの私生活に触れ、互いの問題点をうまく指摘し
合い、前向きになっていく。

完璧な物件など無い。欠けている部分は自分自身で補うものだと
するあたりシンプルだけど、まさにいろんなところでこの言葉に
該当する一面が有るだけに、心に響くものがあった。

誰でも年齢を取るものだし、自分を磨くことは必要だとしても、
必要以上に気苦労してしまうと、人生は楽しくなくなってしまう
ものが有るよね。

二人のやりとりを聞いていると、もうこの二人が結ばれれば
いいのになと思うところもあった。

細野かおり …… 中山忍 (37歳、信用金庫職員)
大森豪 …… 石黒英雄 (ニッコリ不動産社員)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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