クルマのふたり〜TOKYO DRIVE STORIES

脚本:龍樹
演出:北川学
プロデューサー:中山和記、伊賀宣子





第6話 それぞれの夢と現実
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友人の結婚式に参加した彩と昇。
昇と彩は二人で二次会には参加せず、車でドライブする。
あんな式は飲まないとやっていられないという昇はかなり酔っ
ている様子で、水を飲んでようやく気分を落ち着ける。
二人は高校を出て以来、再会したのは10年以上経っていた。
彩は昇の語りっぷりに、貴方は全く変わっていないという。
昇が彩に綺麗になった事を告げると、昔はそういう事は言って
くれなかったのに・・・と呟き、男性は年を重ねる事に気持ちに
素直になるのに対して、女性は逆になるのだという。それを
聞いた昇は、今の彩は素直じゃないのか?と問う。

彩はそんなに式がいやならば何故出席したのか?と問うと、彩が
式に来ると聞いたからだという。昇は彩の口から直接聞きたか
ったのだとし、どうしてあの時来てくれなかったのか?と尋ねる。
しかし彩は口を閉ざしてしまう。

海が見える空港の近くで車を止めると、運転していた彩は
車を降りて何処かに電話する。
昇は後部座席にジャケットが置いてあるのに気がつく。

昇は彩が車に戻ってくると、予定があるのならば無理して俺に
付き合わなくて良いと告げるが、大丈夫だという。

彩は昇にどんな雰囲気のレストランを開いたのか?と尋ねる。
昇は進学校に通っていたが大学に進学せず、フランスに一人
経ってフランス料理の修業に出たのである。気軽に誰でも来ら
れるような田舎のフランス料理であり、格式張っているもの
ではないという。彩は当時昇が教師から、群れとは反対に行く
のかと問われていた事を口にし、大学に行かずに自分の道に
進んだ昇の事を応援していたので、店をオープンしたと聞いて
嬉しかったと告げる。昇も卒業式の彩の顔が未だに目に焼き付
いている事を告げ、約束したからこそ今の自分がある事を告げる。

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10年ブリに再会した高校時代の友人。
しかしその友人とは友情として成り立つ関係なのか分からない
男性と女性という間柄。10年の間に二人の間には何が有ったのか。

これまでのドラマの中でも良く出来た内容だった。

友情として相手を見ているのか、それとも異性として見ている
のか分からない部分が有ったし、二人が再会したのならば
是非とも結ばれて欲しいと願う気持ちが存在したけど、ドラマ
では二人の現在がどうなっているのか分からず、会話を通して
少しずつ現状を把握していくという流れ。

互いに結婚した相手が居るのならばそんな関係になれるハズも
無いだろうし、友達としての関係も結婚相手が居るのであれば
継続していくのも難しい物が有るのだろう。

昇の決断に対して彩が自分には出来ない者だとして賞賛した
かと思えば、逆に昇も彩との約束を心の支えとしてフランスで
の修行に耐えてきたとする上手い関係が描かれ、彩がシングル
マザーとして出産を考えたのもね昇の存在が大きかったのだと
いう。

互いに進学校だけあって、洞察力・観察力が鋭いところもある
し、ラブアゲイン症候群と考えるにはまだ幼い年齢ではある
けど、そんな事が起きてもいいのではないかなと思うところも
有った。
結局後部座席のジャケットの下に全ての真相が隠されており、
上手いこと可能性を示しつつも、最終的には気持ちを伝えない
所は存在したのかなという気がする。

森杉彩 …… 菊川怜 (研究所職員、5歳の子持ち)
三上昇 …… 佐藤祐基 (フランスレストランオーナー)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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