胡桃の部屋
(2011年7月期・NHK・火曜22時枠)

脚本:篠崎絵里子
演出:渡邊良雄
音楽:大友良英

http://www.nhk.or.jp/drama10/kurumi/





第2話 母の想い
--------------------------------------------------------
桃子(松下奈緒)は、失踪した父の忠(蟹江敬三)に代わって一家を支
えていこうと決意。父の元部下で、良き相談相手である都築(原田泰造)
に励まされながら、家族のために奮闘する。一方、表面上は平静を
装っていた母の綾乃(竹下景子)は、父のいない正月に感情を爆発さ
せてしまう。さらに、姉の咲良(井川遥)がトラブルを起こしたという連絡
が桃子のもとに入る。

--------------------------------------------------------

父が失踪した事で、桃子は自分が父親の変わりとして一家を
支えようと決意する。少しずつそんな生活にも慣れていき、
父の居ないクリスマス、そして正月を抱えていく中で、母・綾乃
の中に不満が募っていく。

心の中に燻り続ける不満の炎が、少しずつ表面化していく辺り
のリアル感がなかなか上手く演出され、母親の心の傷だけでなく
父親の心の傷が興味深く描かれた。それと同時に姉妹の間の
中でもそんな不満の炎が燻り続けている事での先行き不安感
が描かれている。

なんとなくTBSの日曜のドラマ「華和家の四姉妹」と比較して
しまいたくなるような内容で、構成としては似ているものが
有るけれど、リアルな感覚はまるで違う。
本来TBSにこういうドラマを作って欲しいのだけど、民放のドラ
マはどうしてもチャラくなりがちだね。

愛人の存在、そして忠との間に変ななれ合いが無く、それで
いて上手く互いの傷を補完し有って癒しているであろう事が
描かれ、家族の存在が有ることでの辛さ、家族の存在が無い
立場での辛さの両面から上手く家族というものの存在を浮かび
上がらせている。

子供が居る手前、しっかりとしていなければならないとする
母親の立場と、桃子が一家の大黒柱として浮上したことでの
母親の肩の荷が下りる事での感情の発露が上手い感じでドラマ
にサプライズ感を与えている。父親の中にあるプレッシャーも
これとは比較が無いほどに存在しているはずで、そんな感情や
心情を吐露する相手が家族のものではなく、愛人であるという
辺り、なんとなく分かるような気がするものだった。

桃子と都築の関係、そして節子が忠に思いを寄せて行くであろ
う事は今後の興味として上手く存在している。

三田村桃子 …… 松下奈緒 (29歳、三田村家の次女。絵本の出版社)
三田村忠 …… 蟹江敬三 (56歳、桃子の父。頑固で厳しい「昭和の父」)
三田村綾乃 …… 竹下景子 (54歳、桃子の母)
清水咲良 …… 井川遥 (31歳、長女、エリート商社マンと結婚)
三田村陽子 …… 臼田あさ美 (25歳、三女、喫茶店でバイト)
三田村研太郎 …… 瀬戸康史 (22歳、長男、大学生)
都築実 …… 原田泰造 (36歳、忠の部下)
恩田節子 …… 西田尚美 (40歳、鶯谷の小さなおでん屋)

山口リエ …… 江口のりこ (29歳、「よつば出版」)
塚本大輔 …… 松尾諭 (34歳、「よつば出版」)
大沢亮司 …… 徳井優 (50歳、「よつば出版」)
清水和夫 …… 小林正寛 (38歳、咲良の夫。商社マン)
桧山智広 …… 黄川田将也 (32歳、医者の跡取り息子)


津村和幸、森祐佳、谷本一、曽我美月、横堀悦夫
平祐奈、横山来空、加藤凜々花


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system