胡桃の部屋
(2011年7月期・NHK・火曜22時枠)

脚本:篠崎絵里子
演出:渡邊良雄
音楽:大友良英

http://www.nhk.or.jp/drama10/kurumi/





第3話 不器用な愛
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父の忠(蟹江敬三)が失踪してから2カ月がたった。母の綾乃
(竹下景子)はこれまで全てをささげてきた夫がいなくなり、
次第に平常心を失っていく。そのころ忠は、おでん店を営む
節子(西田尚美)と離れられないでいた。桃子(松下奈緒)は
家族のために一人奮闘するが、姉の咲良(井川遥)も問題を抱え
ていることを知る。そんな中、桃子は唯一心を許せる相談相手
の都築(原田泰造)への思いが、愛情に変わるのを感じ始める。

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夫が家出したことで妻の綾乃は気に病む中、節子は忠が見て
いた手紙の存在を知って、その手紙に書かれていた住所に
訪問販売員という立場を利用して入り込む。そこで見た光景
は?

夫は会社の歯車であり、自分の存在が空虚で有った事に失望を
隠せずにいる中、母親もまた、その夫に裏切られることで自分
の人生に空虚なものを感じていく。

最悪の状況ではあるが、私たちにとっては最高だと自信を
もって言ってもらえる人物が周りにいることで、全否定ではない
所は唯一救い。

まるでドミノ状態のように一家の大黒柱が崩れると次々と
その下で暮らしているものたちに波及していく辺り、シナリオ
の面白さを感じるが、家族とは何なのかという事を実感するに
は、こういう危機的状況も有る意味必要なのかも知れない。

どの人物も不安定な状況の下で暮らしていることが明らかで、
いつでも今の生活が崩れそうな状況が存在しているところが
なんとも不気味。

長女が使えない状況の中で、桃子が家族を支える事になるけれ
ど、桃子を支える都築の存在の大きさと共に、二人の関係性が
とても上手く抽出されている。残念ながら気まぐれのように
戻ってきた都築の妻の存在が気になるけれど、都築と妻の間
には何が有ったのか気になるね。

三田村桃子 …… 松下奈緒 (29歳、三田村家の次女。絵本の出版社)
三田村忠 …… 蟹江敬三 (56歳、桃子の父。頑固で厳しい「昭和の父」)
三田村綾乃 …… 竹下景子 (54歳、桃子の母)
清水咲良 …… 井川遥 (31歳、長女、エリート商社マンと結婚)
三田村陽子 …… 臼田あさ美 (25歳、三女、喫茶店でバイト)
三田村研太郎 …… 瀬戸康史 (22歳、長男、大学生)
都築実 …… 原田泰造 (36歳、忠の部下)
恩田節子 …… 西田尚美 (40歳、鶯谷の小さなおでん屋)

山口リエ …… 江口のりこ (29歳、「よつば出版」)
塚本大輔 …… 松尾諭 (34歳、「よつば出版」)
大沢亮司 …… 徳井優 (50歳、「よつば出版」)
清水和夫 …… 小林正寛 (38歳、咲良の夫。商社マン)
桧山智広 …… 黄川田将也 (32歳、医者の跡取り息子)
都築貴子 …… 粟田麗
スーパー店長 …… 鈴木正幸


森祐佳、曽我美月、篠川桃香


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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