マドンナ・ヴェルデ 〜娘のために産むこと
(2011年4月期・NHK・火曜22時枠)

原作 - 海堂尊「マドンナ・ヴェルデ」「ジーン・ワルツ」
脚本 - 宮村優子
音楽 - 村松崇継
主題歌 - リベラ『生命の奇跡(いのちのきせき)』
演出 - 本木一博

http://www.nhk.or.jp/drama/madonna/



第1話 希望の卵
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昭和29年10月19日(55歳)の山咲みどりは診察台にいく。
すると妊娠している事が発覚する。そんな母に対して娘の
曽根崎理恵はおめでとうと告げる。

半年前の9月、ケアセンターに勤めるみどりは、通勤の途中に
出会い系の宣伝用ポケットティッシュを配っている人が、
自分にティッシュを差し出してくれなかったことを語る。
もう女性として見てもらえていないのか。
すると同じ職員の
克子路子は、女性はいつから女で無くなる
のか分かるか?と問い、雑誌の恋愛運の記事を読まなくなった
頃からだという。

みどりが住んでいるのは
桜宮市
仕事を終えて帰宅するみどりは、家に娘の理恵が帰宅している
事を驚く。うれしさのあまりみどりは腕を振るって夕食を作る
中、理恵は難しそうな顔をして、父親の書斎で本を読む。
その光景を見たみどりは、30年前に夫を亡くした時と同じだと
し、4歳だった理恵はあの時も難しい本を読んでいたという。
今迷っている事でもいつか分かるときが来るという理恵の言葉。
そんな理恵を見てみどりはこの子が幸せになる為には何でも
しようと思ったという。何か話があってここに来たのでしょう?
と尋ねると、娘は母にお願いがあるという。
赤ちゃんが出来た事を話し、間髪入れずにアメリカに居る夫の
伸一郎に手術の同意書をもらった事を語る。子宮頸部にガンが
見つかり、進行が激しかったので卵巣ごと全摘したという。
現在は患部の全てを取ったので大丈夫だという彼女。それを
聞いた母はあ然とし、そんな辛いときを一人にさせたことを謝罪
する。しかし理恵は、なった事をくよくよするよりも前を向
いて未来があることを証明したいという。そこで母の子宮を
借りて赤ちゃんを産んで欲しいと語る。
現実離れした提案に母は娘を正気に戻させようとし、それは
無理だとし、健康な体に産んであげられなかった事を謝罪する。

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産婦人科医を勤めている理恵は子宮の癌が見つかり、全摘出
することになる。しかし彼女は希望を失うことなく、母に
頼んで自分と夫・伸一郎の子供を母・みどりの子宮で育て
出産して欲しいと頼む。日本では倫理的にも法律的にも認め
られていない事だが・・

娘の苦悩する様子を見て、娘が幼いときに誓った事を思い出す。
この子が幸せになるためならばどんな事でもしようとする
母親とそれに望みを掛ける子供の姿が描かれた。

取りあえずドラマとしては、みどりが妊娠したという事実を
周りに知られるまでの興味と、知られた後にどんな手順を
踏んでいくのかが興味の示すところ。

みどりに恋心を抱いているが、不器用な形で傷付けてしまう
俳句の先生・丸山慧の存在が、ちょっとした障壁とも恐怖とも
感じられる中で、どんな展開を見せていくのか。
丸山の発言はどれもみどりを傷付けてしまうが、実直で自分に
正直なもので、そんな彼がみどりの妊娠を知ったときに
どんな反応を示すのか興味深い。

ネタとしては不妊で悩んでいる夫婦に対して一石を投じ、世間
に訴えかけるものが有るのかも知れないが、NHKお得意の世間
に対するアピール性ばかりを追求するのではなく、その様な
状況の中で関わり合う人たちの色んな事情やドラマを描いて
欲しいね。

山咲みどり …… 松坂慶子 (娘・理恵の代理出産)
曽根崎理恵 …… 国仲涼子 (産婦人科医"マリアクリニック")
曽根崎伸一郎 …… 片桐仁 (大学教授、理恵の夫)
青井ユミ …… 南明奈 ("マリアクリニック"最年少出産)
妙高みすず …… 柴田理恵 (助産師)
荒木浩子 …… 相田翔子 (妊婦、長年不妊治療)
清川吾郎 …… 勝村政信 (帝華大産婦人科準教授・理恵の上司)
屋敷統 …… 本田博太郎 (帝華大産婦人科大教授)
三枝茉莉亜 …… 藤村志保 ("マリアクリニック"院長)
丸山慧 …… 長塚京三 (俳句の先生、みどりに恋心)
熊田幸子 …… 大島蓉子 (俳句)
阿部大吾 …… 芦川誠 (俳句)
高木路子 …… 市川千恵子 (ケアセンター)
盛田克子 …… 松金よね子 (ケアセンター)
理恵の幼少期 …… 田牧そら
ティッシュ配りの男 …… 工藤健太郎


今村美乃、申大樹、松永健資、小谷早弥花
廻飛呂男、佐藤せつじ


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