マドンナ・ヴェルデ 〜娘のために産むこと
(2011年4月期・NHK・火曜22時枠)

原作 - 海堂尊「マドンナ・ヴェルデ」「ジーン・ワルツ」
脚本 - 宮村優子
音楽 - 村松崇継
主題歌 - リベラ『生命の奇跡(いのちのきせき)』
演出 - 本木一博

http://www.nhk.or.jp/drama/madonna/



第2話 55歳の妊婦
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みどりは子宮を全摘した娘の理恵から頼まれ、代理出産をする
事にする。1月1日に最初で最後のチャンスだとして着床を試み
る。

妊娠が確認されるみどりは、老人ケア施設の仕事を暫く休みが
貰いたいと告げ、一人静かに暮らすことを決意する。
理恵は母親の体を心配し度々電話して来るも、みどりがなかなか
携帯電話に出ない事を不満に感じる。絶対に体を冷やさない事
だと告げ、明日の検査で妊娠しているかどうか正確に分かる
という。マリアクリニックには他にも妊婦が通院しているので
あくまで自然にしていて欲しいと頼む。

2月。クリニックに行くためにバス停でバス待ちしているみどり
の前に車に乗った丸山が現れる。駅までみどりの事を乗せていく
として丸山は、色々とみどりに話しかける。みどりが句会を辞
めた事を残念に思っていた。丸山は自ら記者をしていた事を
話し始めるが、駅につくとみどりはそそくさと車から降りて
しまう。

マリアクリニックにつくと、先に三人の妊婦が病院の待合室
に居た。若い妊婦・
青井ユミは、携帯電話をいじりながらみど
りにぶつかると、謝りもせず逆に暴言を吐く。それを聞いてい
たもう一人の妊婦・
神崎貴子は、この人に謝罪しなさいとユミ
に凄む。

貴子は産婦人科医である理恵に対して、アンティーク家具の
買い付けの為に海外に行くことになるが大丈夫か?と問う。
理恵は過労は早産の原因だとして、体を気遣うよう求める。
一方ユミは手術で子供を堕ろそうと考えているが、同意書を
求められ、父親とは全く連絡が付かないことを語る。父親が
居なくても出産する人がいるのならば、堕ろしても良いだろう
とへりくつを述べる。

待合室でみどりは残りの妊婦・
荒木浩子と話し合う。
浩子は5年間不妊治療に通いようやく授かった子だという。
何度も着床はするが、2ヶ月程度で流産してしまったという。
不妊治療はきりがなく、何処かで切り替えないとならないが、
辞めようと思っていた時に妊娠したのだという。

みどりは診察台へ。
助産婦をしている妙高は、みどりが妊娠で通院してきた事に
違和感を覚える。妙高は理恵に対して普通の妊娠だと思うか?
と問うと、理恵は女性の体は不思議だとして何とか誤魔化そう
とする。

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理恵の受精卵をみどりに着床させ、無事妊娠が確認される。
しかし妊婦は55歳という事も有って、周りは不振な目を感じ
ていく。日本では法で禁止されている代理出産が発覚した時、
周りにいる人たちはどのような態度に出るのか。

一話は地味に進行した感じだけど、二話目になっていきなり
興味深い展開が訪れた。

他人の嫌がること、他人のプライベートに踏み込まない所が
日本人の良さでも有り、そんな性格上逆に人間関係に於いては
希薄さを感じてしまう。このドラマに於ける妙高とか丸山慧
は、そんな既成概念を打ち破る様なキャラクターだ。

丸山の行動力が今のご時世だとかなり気味の悪さを含ませてい
るけど、そんな彼のお陰でドラマが導かれ、意外な程早く
展開が進んでいく。
丸山が主張する好きだという気持ちは、常識外れの行動を取る
みどりに対しても当てはまるものなのか。

妙高の鋭い視線もドラマでは面白く左右する。
相手が妊婦で、自らが助産師という立場上、もっと相手にスト
レスをかけない様な行動を取るべきじゃないのか?という気も
するけど、法を破っている相手だと察したからなのか、相当
厳しい視線を投げかける。

医療技術が進む中で、当然この様なケースが問題として浮上
する中、代理出産などの問題はそろそろ日本的にも本格的議論
を重ねて欲しいところだね。

しかしみどりも妊婦である間は、東京の理恵の家で過ごせば
良いのではないのか?とちょっぴり引っかかる所もあるかな。
みどりの行動範囲・テリトリーの中で生活していれば当然こう
なる事は目に見えていたのかも。

山咲みどり …… 松坂慶子 (娘・理恵の代理出産)
曽根崎理恵 …… 国仲涼子 (産婦人科医"マリアクリニック")
曽根崎伸一郎 …… 片桐仁 (大学教授、理恵の夫)
青井ユミ …… 南明奈 ("マリアクリニック"最年少出産)
妙高みすず …… 柴田理恵 (助産師)
荒木浩子 …… 相田翔子 (妊婦、長年不妊治療)
清川吾郎 …… 勝村政信 (帝華大産婦人科準教授・理恵の上司)
屋敷統 …… 本田博太郎 (帝華大産婦人科大教授)
三枝茉莉亜 …… 藤村志保 ("マリアクリニック"院長)
丸山慧 …… 長塚京三 (俳句の先生、みどりに恋心)
熊田幸子 …… 大島蓉子 (俳句)
阿部大吾 …… 芦川誠 (俳句)
高木路子 …… 市川千恵子 (ケアセンター)
盛田克子 …… 松金よね子 (ケアセンター、俳句)


神崎貴子 …… 馬渕英俚可 (妊婦)
男性従業員 …… みのすけ


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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