マドンナ・ヴェルデ 〜娘のために産むこと
(2011年4月期・NHK・火曜22時枠)

原作 - 海堂尊「マドンナ・ヴェルデ」「ジーン・ワルツ」
脚本 - 宮村優子
音楽 - 村松崇継
主題歌 - リベラ『生命の奇跡(いのちのきせき)』
演出 - 本木一博

http://www.nhk.or.jp/drama/madonna/



第3話 命の光
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みどりは丸山との接客中に理恵から電話が鳴り、みどりが娘の
代理出産しようとしている事実を知られてしまう。

みどりの元に理恵から電話が鳴る。食事に関する注意を聞かさ
れ、くれぐれも気がつかれないようにして欲しいと言われる。
一方、帝華大産婦人科大教授屋敷の元には、マリアクリニック
で代理出産が行われようとしているとの密告する手紙が届いて
いて、清川に調査を依頼する。

マリアクリニックに行くみどり。
するとそこにはユミと男性・
津田コージの姿があった。
ユミは父親を連れてきたのだから堕胎手術をしたいと訴えて
いる中、妊婦の一人・神崎がやってきて腹痛を訴える。
待合室にいるみどりは、ユミとコージの会話から、ユミの父親
は彼ではなく、彼の先輩である
タケシである事を知る。
みどりはそんな二人の会話から突然二人とも良い子だとし、
他にも沢山病院があるのにここに来ている事実を指摘し、
ホントは産みたいのでしょうと問う。

その頃、清川はマリアクリニックの前で、病院に入る妊婦の
姿を監視していた。現在ここに通院している妊婦は4人。
そんな中、清川が不妊治療をしていた荒木がやってきて彼に
話しかける。不妊治療をして5年7ヶ月目で妊娠した事を語る。

みどりは診察室から出てきた神崎から話を聞くと、お腹の子
は育っていない事を言われたという。妊娠した時に、子供の
件で迷った為にバチが当たったのだと涙する。
みどりは診察室に入ると、検査の結果異常もなく、順調に
育っていることを聞かされる。色々と注意事項を理恵から聞き
母子手帳を手に入れるよう妙高から言われる。妙高が席を外す
間に、理恵は自分が母子手帳を手に入れてきたとして、みどり
に手渡すのだった。

病院から出てきたみどりに、ユミは話しかける。
先ほど自分に話しかけた意味についてユミはどういう意味なのか
問う。すると子供を堕ろすつもりならば別の病院で堕ろしても
良いはずなのに、ここに通い続けていることは、産むことを
後押しされるのを待っているからだと告げる。するとユミは
現在20歳で彼氏とも別れた状態の中、一人で産んで育てる事は
無理だと語る。赤ちゃんが泣いたら叩いてしまうかも知れない
事を語り、私みたいなバカが子供を産んではダメだと自虐する。
するとみどりは、現在55歳の私は仕事も夫も居ないのに産もうと
しているのだから大丈夫だと安心させるのだった。

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みどりの妊娠が代理出産によるものではないか?と疑われた事
で、みどりは赤ちゃんを守るために、その事実を知る唯一の
男性・丸山に父親役になって欲しいと頼む。
一応世間的なカモフラージュは整うが・・・

ドラマを見ていると色んな形の妊婦を登場させるけど、その辺
の人間関係やら人生模様を描きつつ、みどりの中に芽生え
つつある新たな意識を上手く描いた物だった。

理恵は色々と心配しているようだけど、実際に全ての事を
取り仕切って行動を起こしているのはみどり自身であり、
理恵の行動による認識の甘さや無責任さが目に余る。

清川とみどりを立ち会わせる事になった際に、何の計画性も
無い辺りは、まるでバレても良いと思っている感じもするし、
何よりも母親の体の心配をする以上に子供のことを考えている
根性がどうしても好きになれない。

理恵によって巻き込まれた人たちの人生の事を理恵自身が深く
考えているとは思えないし、予告を見ると公表することを考えて
いるみたいだし、屋敷に届いた手紙に関しても、理恵自身に
よる告白だとしても不思議ではない。

そう言う意味では、今回清川が最後に理恵に対して質問した
意味は、とても深く重みのあった言葉だったと思う。
子供が欲しくて代理出産するのか、それとも自分のような産め
ない母親のために、今一度代理出産の是非を問う形で世間に
訴えかけようとしているのか。母胎のリスクを考えると、産婦
人科/生殖医療発展のための人体実験とは考えづらいけど、
いずれにしても50歳を越えた人でも産める事が証明されれば、
色んな意味で革命になるんだろうな。

山咲みどり …… 松坂慶子 (娘・理恵の代理出産)
曽根崎理恵 …… 国仲涼子 (産婦人科医"マリアクリニック")
曽根崎伸一郎 …… 片桐仁 (大学教授、理恵の夫)
青井ユミ …… 南明奈 ("マリアクリニック"最年少出産)
妙高みすず …… 柴田理恵 (助産師)
荒木浩子 …… 相田翔子 (妊婦、長年不妊治療)
清川吾郎 …… 勝村政信 (帝華大産婦人科準教授・理恵の上司)
屋敷統 …… 本田博太郎 (帝華大産婦人科大教授)
三枝茉莉亜 …… 藤村志保 ("マリアクリニック"院長)
丸山慧 …… 長塚京三 (俳句の先生、みどりに恋心)
熊田幸子 …… 大島蓉子 (俳句)
阿部大吾 …… 芦川誠 (俳句)
高木路子 …… 市川千恵子 (ケアセンター)
盛田克子 …… 松金よね子 (ケアセンター、俳句)

神崎貴子 …… 馬渕英俚可 (妊婦)
関野仁 …… 堀越富三郎 (俳句・メガネの人)


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