マドンナ・ヴェルデ 〜娘のために産むこと
(2011年4月期・NHK・火曜22時枠)

原作 - 海堂尊「マドンナ・ヴェルデ」「ジーン・ワルツ」
脚本 - 宮村優子
音楽 - 村松崇継
主題歌 - リベラ『生命の奇跡(いのちのきせき)』
演出 - 本木一博、富沢正幸

http://www.nhk.or.jp/drama/madonna/



第5話 聖母の戦い
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理恵が代理出産を公表するつもりであることを知ったみどりは
伸一郎に手紙を出し、それを止めて欲しい旨を伝える。

8月・東京世田谷。
丸山がみどりの元に会いに来る。
伸一郎に出した手紙の返事について話会う。
三ヶ月前に一度だけ返信が来たとし、伸一郎は既に離婚した身
であり、子供が生まれる事に実感の沸かない自分よりも理恵の
方が大事に育ててくれるのではないかとして、彼女の意思を
尊重する物だと書かれていた事を語る。その後考え直して欲し
いと手紙を出すも返信はないとのこと。理恵ともその後一切
話していないという。話し合いをしようとすると、お腹の中の
子はそんな気配を察しているかのような反応を示すと告げる。

検診日。
みどりはユミとマリアクリニックで会う。
ユミはみどりの顔を見ると、冴えない表情をしているとし、
こういう時はストレス発散をすべきだと語る。ユミはその後、
祖母に全ての事情を話し、頭を下げて家に戻った事を語る。
祖母自身も母親を生んだのは自分と同じ20歳の時だったという。

そんな中、マリアクリニックには、浩子と一緒に
夫・達弥がや
ってくる。妻の腹が張るとし診て欲しいという。取りあえず
今夜は大事を取って浩子は入院という事になる。
みどりが診察の間、丸山は待合室で待っていた。浩子の達弥も
またずっと待合室にいた。
みどりが診察を終えて出てくると、達弥を誘い三人で夜景の
綺麗なレストランで気晴らしに食事に行く。

みどりは50歳を過ぎた妊婦の自分の姿を見ても達弥が全く驚か
ないのを指摘する。すると今まで不妊治療をして居る際に色んな
人を見てきたので今更驚きはないという。自分は妻に対して
子供の居ない人生も良いと言ってきたが、妻は聞き入れなかっ
たと語る。自分は45歳なのに父親になっても大丈夫なのか
気が通り成りそうな思いを口にする。しかし最近ようやくそれ
を受け入れ子供が出来た事に喜びを覚えているとのことだった。
生まれた子供に今日の日のことを語って聞かせるのだと達弥は
語る。
そんな話を聞いたみどりは、父親の自覚を持つことが如何に
大変なのかを悟ると共に、伸一郎に対して今までそんな気持ち
を押しつけようとしていた事に気がつく。みどりはその事を
手紙に書いて、これ以上はそんな気持ちを押しつけないと共に
これからは一人で向き合っていくことを手紙に綴る。

みどりは理恵の上司・清川に会うと、理恵が代理出産の件を
公表したがっている事を語る。清川の方からそれを止めて
くれないかと頼むのだった。

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理恵が代理出産を公表する気である事を知ったみどりは、お腹
の子は娘には渡さないと言い出す。そして何とか理恵の計画
を止めようとしてあれこれ奔走する。

みどりと理恵が直接話する事無く、色々と周りの人を使って
計画を止めるためにあれこれ画策した話だった。
安定期とはいえ、母体のことを考えれば安静にしていなければ
ならないのに、理恵もまた凄い爆弾を投げつけた感じだね。

周りでこの出産を見守る人たちに焦点が当たり、みどりが
直接理恵と向き合わずにいる事が誤りであり、何の解決にも
ならないことを端的に示した流れで、それを修正していく。

ドラマとして面白いのは理恵が言うように、代理出産の件を
隠そうという割に、全ての事実が明るみになるのがみどりの
言動による所が大きい点。この辺の妙さ加減がドラマとして
皮肉でもあり面白く描かれている。

伸一郎とみどりとの初の絡み。
幼い時に母親を失い母親の作るご飯を求めている男性。
一方で家庭の無い丸山と、父親の居ない理恵の間でも、
家族の存在というものを知らしめるために、上手く絡みのシチ
ュエーションを描いた。

エゴイストだと思っていた理恵。しかしみどり自身にもそんな
一面が存在した事を描き、医師として不妊に苦しむ患者の見地
に立つ茉莉亜先生の存在が理恵に理解を示したことで、上手く
双方の主張にバランスを保つ所など上手く脚本として練られて
いる感じがする。

山咲みどり …… 松坂慶子 (娘・理恵の代理出産)
曽根崎理恵 …… 国仲涼子 (産婦人科医"マリアクリニック")
曽根崎伸一郎 …… 片桐仁 (大学教授、理恵の夫)
青井ユミ …… 南明奈 ("マリアクリニック"最年少出産)
妙高みすず …… 柴田理恵 (助産師)
荒木浩子 …… 相田翔子 (妊婦、長年不妊治療)
清川吾郎 …… 勝村政信 (帝華大産婦人科準教授・理恵の上司)
屋敷統 …… 本田博太郎 (帝華大産婦人科大教授)
三枝茉莉亜 …… 藤村志保 ("マリアクリニック"院長)
丸山慧 …… 長塚京三 (俳句の先生、みどりに恋心)
熊田幸子 …… 大島蓉子 (俳句)
阿部大吾 …… 芦川誠 (俳句)
高木路子 …… 市川千恵子 (ケアセンター)
盛田克子 …… 松金よね子 (ケアセンター、俳句)
神崎貴子 …… 馬渕英俚可 (妊婦)
関野仁 …… 堀越富三郎 (俳句・メガネの人)


荒木達弥 …… 三宅弘城
内間教授 …… 岩本靖輝


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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