蜜の味 〜A Taste Of Honey〜 (2011年10月期・フジ・木曜23時枠) 脚本 - 大石静 演出 - 水田成英、小原一隆、西坂瑞城、宮木正悟 プロデュース - 渡辺恒也、長部聡介 音楽 - 横山克 主題歌：aiko 『ずっと』 http://www.fujitv.co.jp/mitsunoaji/index.html

第11話 もう何も望まない。誰も私達を知らない国へ行こう
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親や実家を捨ててまで禁忌な関係を貫くことにした直子と雅人。
自分たちを雇ってくれそうな土地を探して、全国を行脚して
いくが、雑誌に掲載された影響力は大きく、行く先々で事実を
突きつけられ居場所を失われていく。そんな折り、母親が倒れた
事を直子は耳にする。

不倫したり生活基盤が破綻したカップルは、北の寒い地方へと
目指していくのが、日本人の昭和の価値観だと思うけど、まさ
に演歌の歌の歌詞にありそうな事を体現していくような展開だ
った。

ただ昭和の価値観故の古くささなのか、扱いがまるで犯罪者
であり、日陰しか歩めないような状況だけど、いくら雑誌の
影響なり医師会の影響が有ったとしても、追い出されるほどの
事なのかなという感じがする。
不動産業者までもが意地悪して追い出す事って、例え人の悪い
噂が致命的となる田舎とはいえ、やや不自然な感じだ。

最後まで聡明な視点で二人の存在を見つめていた彩の存在が
興味深く描かれた。
自分の価値観を揺るがす二人の関係に対して、意固地な姿勢
を見せるも、医師としての本文は忘れていないし、あれだけ
研究に固執している彩が、それを手放して則杉のような事を
しなかった所は、上手くできていると思う。

あまりに猟奇性を発揮しすぎると、彩の心情を理解できずに
視聴者も彩というキャラクターから離れてしまうけど、この
ドラマでは上手く視聴者が異性や同性に感じる嫉妬心を消化
出来るくらいの猟奇性をもって自分なりのあがき方をすると
いう所に良さがあった。

彩の語るセリフの多くは真理を突いていて冷静沈着なものが
有り、納得するものも多かった。

下手に別れたりせずに、直子と雅人も自分たちの信念を貫いた
所は良かったな。まぁ相変わらず都合の良い逃げ道として、
戦場とか野営地がドラマでは使われすぎるところはあるけど
それも致し方ないか。